バイクのタンクの錆取りと塗装|レストアでいちばん多い悩み

バイクのタンクの錆取りと塗装を紹介する記事のアイキャッチ。作業台に置かれた錆の残るタンクと下地塗装

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給油口をのぞいたら、タンクの中が茶色く錆びていた。そんな時、『これって自分で直せるの?』と不安になりますよね。

結論から言うと、バイクのタンクの錆取りは、錆が「表面」「内側」「穴あき」のどこまで進んでいるかで、やり方も頼み先も変わります。まずは進み具合を見極めることから始めましょう。

この記事を読めば、自分で直せる所とお店に頼む所の見分け方と、作業の流れが分かります。

目次

バイクのタンクの錆、どこまで進んでいる?

先に結論

タンクの錆は「表面の錆」「内側の錆」「穴あき」の3段階で考えると、自分で直せるかどうかの見当がつきます。穴が空いている時は、無理に自分で直さずお店に相談するのがおすすめです。

タンクの錆は、レストアでいちばん多い悩みと言っていいほどよく出てきます。長く放置されたバイクは、ガソリンが減ったタンクの中に湿気がこもり、錆びやすいんです。

そこでレストアガイド編集部では、タンクの錆を3段階に分けた早見表を作りました。

段階見分け方自分で直せるかお店に頼む目安
表面の錆塗装の欠けや傷から外側に錆が出ている直しやすい色や仕上がりにこだわる時
内側の錆給油口から見て中が茶色い、ガソリンに錆が混じる道具をそろえれば直せることが多い錆が厚く、何度やっても取れない時
穴あきガソリンがにじむ、底や継ぎ目に小さな穴がある難しいほぼこの段階から相談するのが安心
バイクのタンクの錆を、表面・内側・穴あきの3段階に分け、自分で直せる所とお店に頼む所を並べた早見表の図解

内側の錆は見えにくい

外側がきれいでも、内側が錆びていることはよくあります。懐中電灯で給油口から中を照らして、底や継ぎ目を見てみてください。

錆の粉がキャブレターに流れ込むと、エンジンの調子が悪くなる原因になります。タンクの錆取りは、見た目だけでなくエンジンを守るための作業でもあるんです。

直した後に錆を出さないために

せっかく錆を取っても、しばらく乗らずに置いておくと、また錆が出てきます。『また最初からやり直し…』とならないよう、保管の仕方も考えておきましょう。

タンクの錆を防ぐ保管のコツ
  • 雨の当たらない、湿気の少ない場所に置く
  • カバーをかける時は、湿気がこもらない物を選ぶ
  • ときどきエンジンを掛けて、燃料を入れ替える
  • 長く乗らない時の保管の仕方は、お店にも聞いてみる

表面の錆は、磨いてバイクのタンクの塗装で仕上げる

ここでの結論

外側の表面の錆は、錆を落としてから下地を作り、塗装で仕上げます。バイクのタンクの塗装は、下地づくりで仕上がりの大半が決まります。

『缶スプレーでもきれいに塗れるの?』と気になる方も多いですよね。丁寧に下地を作れば、自分でもかなりきれいに仕上げられます。

バイクのタンクの塗装の流れ
  1. ガソリンを抜き、タンクを車体から外す
  2. 錆と古い塗装を落とし、表面を整える
  3. 脱脂してから下地の塗料(サーフェーサー)を吹く
  4. 乾いたら水研ぎして、色の塗料を重ねる
  5. 最後にクリアを吹き、十分に乾かしてから磨く

塗る時は、薄く何回にも分けて重ねるのがコツです。一度に厚く吹くと、垂れたり乾きにくくなったりします。

塗装をはがす前に考えたいこと

元の塗装やラインを残したい時は、錆の出ている所だけを直す部分補修という方法もあります。全部をはがして塗り直すより手間は少なく、当時の雰囲気も残せます。

どこまで塗り直すかは、仕上がりのイメージで決めてみてください。迷う時は、先に写真を撮って、今の色やラインを記録しておくと安心ですよ!

塗る日と場所を選ぶ

塗装は、天気と場所で仕上がりが変わります。風が強い日はほこりが付きやすく、湿気の多い日は塗装がくもる原因になります。

屋外で塗るなら、風の弱い晴れた日を選んでみてください。近所に塗料が飛ばないよう、周りを覆っておく気配りも大事です。

クリアはガソリンに強いかも確かめる

タンクは給油の時にガソリンがかかりやすい部品です。クリアの塗料を選ぶ時は、ガソリンに強いかどうかを説明書きで確かめておきましょう。

よくある失敗

クリアを吹いてすぐに研いだり磨いたりして、塗装を傷めてしまうことです。乾く時間は塗料の説明書きに沿い、急がず待つのが大事なところです。

色替えや全体の塗装の考え方は、全塗装(オールペン)とレストア|色替えの手続きと仕上がりの違いでも紹介しています。

タンクの錆取り(内側)の流れ

ここでの結論

内側のタンクの錆取りは、錆取り剤で錆を溶かし、よく洗って乾かし、錆止めをするまでが一連の作業です。錆を取った直後の鉄はまた錆びやすいので、最後の錆止めまで一気に進めましょう。

バイクのタンクのサビ取りは、外したタンクに錆取り剤を入れて、時間をかけて錆を溶かすのが一般的なやり方です。錆取り剤には、酸性の物や中性の物など、いくつか種類があります。

錆取り剤の種類特徴の目安気をつけたいこと
酸性の物錆を溶かす力が強い物が多い使った後の洗い流しと錆止めを丁寧に
中性の物扱いやすいと言われる物が多い時間がかかることがあるので気長に

どれを選んでも、使い方と使える材質は製品ごとに違います。説明書きをよく読んでから使ってみてください。

バイクのタンクの内側の錆取りを、ガソリンを抜くところから錆止めまで順番に並べた図解
内側の錆取りの流れ
  1. ガソリンを抜き、燃料コックなどの部品を外す
  2. 外した穴をふさぎ、液が漏れないようにする
  3. 錆取り剤を入れて、説明書きの時間だけ置く
  4. 液を抜いて、水でよく洗い流す
  5. すぐに乾かし、錆止めの処理をする

穴のふさぎ方と、錆取り後の錆止め

燃料コックを外した穴は、錆取り剤に負けない材料でふさいでおきましょう。作業中に液が漏れると、塗装を傷める原因になります。

錆を取ったばかりの鉄は、空気に触れるとすぐにまた錆び始めます。洗ったらすぐに乾かして、錆止めの処理やコーティングまで進めておくと安心です。

錆取り剤と錆止めの使い分けは、車の錆(サビ)のレストア|錆取り・錆止め・錆転換剤の使い分けでくわしく紹介しています。

穴あきのタンクは、コーティングか交換か

ここでの結論

小さな穴なら、内側のコーティングでふさげることもあります。ただ、穴が多い時や底全体が傷んでいる時は、お店での修理か、タンクの交換を考えましょう。

錆が進んで穴が空いたタンクは、ガソリンがにじんで危険です。乗る前に、どう直すかを決めておきましょう。

コーティングで直す
  • 内側に膜を作って小さな穴をふさぐ
  • 自分で作業できる製品もある
  • 下準備の錆取りが仕上がりを左右する
交換・お店で修理する
  • 中古や社外のタンクに替える
  • 穴が多い時や底全体が傷んだ時の選択肢
  • 費用と時間はお店によって違う

ガソリンが入っていたタンクは、空にしても中に燃える気体が残っていることがあります。タンクに火気を近づける修理は、自分ではしないでお店に任せましょう。

タンクを交換する前に確かめること
  • 自分の車体の年式に合うタンクかを確かめる
  • 中古のタンクは、内側の錆と穴の有無を見せてもらう
  • 燃料コックやキャップが付くかを確かめる
  • 色を合わせるなら、塗装まで頼むかを決めておく

バイクのタンクの錆取りでよくある相談

この章について

バイクのタンクの錆取りと塗装について、ネットの質問サイトでよく見かける相談を要約して紹介します。

相談1「タンクの塗装は素人がやらない方がいい?」

CB400SFのタンクを一から塗装したいけれど、素人がやらない方がいいのか、という相談です。とても多く読まれていて、同じことで迷っている方が多いのが分かります。

編集部としては、時間をかけられるなら挑戦してみる価値はあると考えます。最初から本番のタンクで始めず、古い部品で一度練習してみるのがおすすめです。

相談2「タンクの中の錆、このくらいなら大丈夫?」

写真の程度の内側の錆なら、そのまま使っても大丈夫か、という相談も見られます。

薄い錆でも、錆の粉がキャブレターに流れ込むことがあります。燃料の通り道にフィルターを付ける、錆取りをしておくなど、何かしらの対策をしておくと安心です。

迷った時は、一度ガソリンを抜いて、底にたまった物を見てみてください。錆の粉が多く混じっているようなら、錆取りをしておくほうが後々楽になります。

相談3「底にピンホールがたくさん空いてしまった」

錆でタンクの底にピンホールがたくさんでき、塗装も浮いてしまった、という相談です。

「コーティングでふさげますか?」
「穴の数や底の傷み方を見てからですね。広い範囲なら、交換も一緒に考えましょう」

こんなふうに、まずお店に状態を見てもらって、直すか替えるかを決めるのが確かです。

相談4「クリアを吹いた後、細かいやすりで研いでも大丈夫?」

クリアを塗って数日乾かした後、2000番くらいの細かい耐水ペーパーで軽く研いでも大丈夫か、という相談も多く見られます。

「乾いたと思うので、もう研いでもいいですか?」
「塗料の説明書きの乾燥時間を過ぎているか、まず確かめてみましょう」

乾ききる前に研ぐと、クリアがはがれたり、くもったりすることがあります。研ぐ時は、力を入れずに少しずつ様子を見ながら進めてみてください。

作業の安全と、使った液やゴミの出し方

ここでの結論

タンクの作業は、ガソリン、錆取り剤、塗料を扱います。換気、保護具、火気の3つに気をつけて、使った液や缶は自治体の出し方に合わせて捨てましょう。

消費者庁は、スプレー缶について「使用時は十分に換気し、噴射時間及び距離を守りましょう」と呼びかけています。火気のある場所の近くで使わないこと、廃棄は自治体の指示に従うことも挙げられています。

タンクの作業の前にそろえたい物
  • 換気できる場所(屋外か、窓を開けられる所)
  • 手袋、保護めがね、マスクなどの保護具
  • 液を受けるトレーと、こぼれた時に吸う布
  • 火の気から離れた作業場所

研磨で出る粉も、吸い込まないようにマスクをしておきましょう。大気汚染防止法では、日常生活でも揮発性有機化合物の排出を抑えるよう努めることや、使用量の少ない製品を選ぶことが求められています。

使い終わった錆取り剤や古いガソリンは、液のまま流したり捨てたりしないでください。廃棄物処理法では「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」と定められています。出し方は自治体の案内や、買ったお店に聞いてみてください。

安全の基本は、レストア作業の安全|塗料・溶剤・粉じんと廃棄のルールで紹介しています。

タンクの作業は、乾かす時間も含めて何日もかかりがちです。その間バイクに乗れないので、普段の移動の足をどうするか困る方もいますよね。毎日の移動は車に任せて、バイクのレストアは休日に楽しむという方には、月々定額で新車に乗れるカーリースという選択肢もあります。

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毎日乗る車は、月々定額のカーリースという選択肢も

旧車は休日の楽しみに回して、通勤や買い物の車は別に持ちたい。レストアの間の足が要る。直すより新しい車に乗り換えたい。そんな時は、税金や車検代をまとめて月々定額で新車に乗れるカーリースも比べてみてください。契約年数・月額に含まれる物・走行距離・途中でやめる時の条件は、申し込む前に公式の案内で確かめておくと安心です。

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よくある質問

バイクのタンクの錆取りは自分でできますか?

表面の錆や内側の錆なら、道具をそろえれば自分でできることが多いです。穴が空いている時は、お店に相談するのが安心です。

タンクの錆取りの後、すぐに錆びてしまいました。なぜですか?

錆を取ったばかりの鉄は、空気に触れるとすぐに錆びやすくなります。洗ったらすぐに乾かし、錆止めの処理やコーティングまで一気に進めましょう。

バイクのタンクの塗装は缶スプレーでもできますか?

下地を丁寧に作り、薄く何回にも分けて吹けば、缶スプレーでもきれいに仕上げられます。クリアはガソリンに強いかを説明書きで確かめておきましょう。

穴の空いたタンクは溶接で直せますか?

ガソリンが入っていたタンクは、空にしても燃える気体が残っていることがあります。火気を使う修理は自分でしないで、お店に相談してください。

まとめ

この記事の要点
  • タンクの錆は表面、内側、穴あきの3段階で考える
  • 表面の錆は、下地を丁寧に作って塗装で仕上げる
  • 内側のタンクの錆取りは、錆止めの処理まで一気に進める
  • 穴あきは、コーティングか交換かをお店と相談して決める
  • 換気、保護具、火気に気をつけ、使った液は自治体の出し方に合わせる

タンクを外すところからのレストア全体の流れは、バイクレストアの手順|分解から組み立てまでの流れで紹介しています。

レストアガイド

レストアガイド 編集部

車・旧車・バイクのレストア(元の姿に戻す再生)について、意味や種類、作業の流れ、費用の考え方、自分でやる時の道具と注意点、ショップの選び方、車検・税金・保険などの手続き、乗り換えや手放し方までを、自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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