輸入車のレストア|ベンツ・BMW・英国車の旧車を長く乗るために

輸入車のレストアを紹介する記事のアイキャッチ。ガレージの上品な欧州クラシックセダンと磨いた部品

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長く大事にされてきた輸入旧車には、今の車には無い品のよさがありますよね。『このベンツ、まだまだ乗りたい。でも、どこに頼めばいいのか分からない…』と迷っている方も多いはずです。

結論から言うと、輸入車のレストアは「部品をどこから取り寄せるか」「その車に詳しい専門店をどう探すか」「仕上がった後の維持費」の3点を先に考えておくと、計画がぐっと立てやすくなります。

この記事を読めば、ベンツやBMW、英国車などの輸入旧車を直す前に、何を確かめて誰に相談すればいいかが分かります。

目次

輸入車のレストア、国産車と何が違う?

先に結論

輸入旧車のレストアも、作業の流れは国産の旧車と同じです。違いが出やすいのは、部品の手配と、その車を知るお店の探し方、そして仕上がった後の維持費です。

錆を落として、塗装して、エンジンや足回り、電装、内装を直していく。この流れは、国産の旧車でも輸入旧車でも変わりません。

ただ、輸入車は部品を海外から取り寄せることが多く、届くまでの時間や品番の確認に手間がかかりやすいんです。

レストアの話題によく出てくる輸入旧車には、例えばこんな車があります。

分け方車種の例
ドイツのセダン・クーペベンツ W114、BMW 2002
ドイツのオープンカーベンツ 280SL、ベンツ R107、ベンツ R129
ドイツのスポーツカーポルシェ 911、ポルシェ 930
英国のスポーツカー・セダンMGB、ロータス ヨーロッパ、ジャガー マーク2
英国の4WDクラシックレンジローバー、ディフェンダー
イタリアのスポーツカーフェラーリ

ここに挙げたのは、あくまで例です。同じ車名でも年式で中身がかなり違うので、自分の車の年式と仕様を車検証や記録で確かめておきましょう。

「旧車」の決まった定義は無い

日本の道路運送車両法には、「旧車」や「クラシックカー」を決めた定義の言葉はありません。

国際団体のFIAとFIVAは、ヒストリック・ビークルを「少なくとも30年を経ていること」などの条件で定義しています。団体によって考え方が違うので、一つの年数で決めつけないのが安心です。

レストアという言葉の意味や全体像は、レストアとは|意味と車・バイクのレストアの基本で紹介しています。

部品・専門店・維持費の3点で国産車と比べる表

ここでの結論

輸入旧車は「部品の取り寄せ」「専門店の探し方」「維持費」の3点で国産車と比べると、どこに手間とお金がかかりやすいかが見えてきます。

レストアガイド編集部で、国産の旧車と輸入旧車を3つの軸で比べてみました。

比べる所国産の旧車輸入旧車
部品の取り寄せメーカーの販売店、国内の専門店、中古部品海外からの取り寄せが多く、届くまでに時間がかかりやすい
専門店の探し方地元の整備工場でも相談しやすいその国の車やそのメーカーに詳しいお店を探すことが多い
維持費税・車検・保険・整備同じ項目に加え、部品の送料や待つ間の費用も考えておく
輸入旧車のレストアを、部品の取り寄せ・専門店の探し方・維持費の3点で国産車と比べた図解

部品の取り寄せ

ベンツのレストアやBMWのレストアでは、消耗しやすい部品を国内の専門店が扱っていることもあります。一方で、年式の古い車や台数の少ない車は、海外から取り寄せることが多くなります。

『取り寄せたのに、仕様違いで付かなかった…』ということも起こりがちです。車台番号や年式をお店に伝えて、適合を確かめてから注文しましょう。

部品探しの順番

国内の専門店、同じ車に乗る仲間、中古部品、海外からの取り寄せ、の順に当たると効率的です。くわしくはレストア部品の探し方|手に入らない時の4つの手段で紹介しています。

専門店の探し方

輸入旧車は、その国の車やそのメーカーに慣れたお店に頼むと話が早いです。弱い所や部品の手配先を知っていることが多いからなんです。

近くに見つからない時は、遠くの専門店に相談したり、普段の点検は地元の整備工場に頼んだりと、作業ごとに分ける方法もあります。

お店を分ける時は、どこで何をしたかの記録をそろえておくのがコツです。作業の写真や明細を一か所にまとめておくと、次に頼むお店にも状態を伝えやすくなります。残し方はレストアの記録の残し方|写真・整備記録が価値を守るで紹介しています。

維持費

ここが大事なところです。レストアの費用だけでなく、仕上がった後に毎年かかるお金も見ておく必要があります。税や保険のことは、後の章でくわしく紹介しますね。

ベンツやBMWのレストア、どこまで直す?

ここでの結論

どこまで直すかは「当時の姿を残したいか」「今の道で乗りやすくしたいか」で決まります。先に方針を決めておくと、見積もりも比べやすくなります。

ベンツ280SLのレストアや、BMW2002のレストアを考える時、『全部新品同様にしたい』という方もいれば、『当時の雰囲気を残したい』という方もいますよね。

旧車の国際団体FIVAのトリノ憲章では、レストアは「必要なだけ手を入れ、できるだけ少なく」が原則とされています。運転の特性やデザインは変えず、できるだけ当時の素材や技法を使う、という考え方です。

当時の姿を残す
  • 年式に合った部品を探して使う
  • 外装や内装の素材も当時に近づける
  • 部品探しに時間がかかりやすい
乗りやすさを足す
  • エアコンや電装を今の物にする
  • 毎日の使い勝手がよくなる
  • 改造の内容によっては手続きが要る

どちらが正しいということはありません。仕上がった車にどう乗りたいかを、最初にお店に伝えておきましょう。

フルレストアと部分的なレストア

ジャガーマーク2のフルレストアや、ロータスヨーロッパのフルレストアのように、車を分解して全体を直す方法があります。一方で、錆やエンジンなど気になる所だけを直す部分的なレストアもあります。

直し方向いている車気をつけたいこと
フルレストア錆が広く進んでいる、長く動かしていなかった期間が長くなりやすい
部分的なレストア普段から乗れていて、傷みが一部だけ直さなかった所の傷みも見ておく
少しずつ直していく乗りながら手を入れたい走る安全に関わる所は先に直す

『せっかくなら全部やってしまいたい』と思う方も多いですよね。ただ、フルレストアは分解してから傷みが見つかることも多く、期間も費用も読みにくくなります。

まずは走る安全に関わる所と錆を優先して、見た目は後から少しずつ、という進め方もありますよ。

フルレストアの中身は、フルレストアとは|部分レストアとの違いと作業の範囲で紹介しています。

改造すると手続きが要ることも

エンジンを載せ替えて原動機の型式が変わる時は、国土交通省の案内では構造等変更検査を受けることになります。

前照灯などの灯火は、色や明るさ、取り付け位置が保安基準の告示で決まっています。海外向けの部品をそのまま付ける前に、日本の基準に合うかをショップや検査場で確かめておきましょう。

長く置いていた輸入車を動かす時

ガレージで長く眠っていた輸入車を直す場合は、登録の状態も確かめておきましょう。

国土交通省の案内では、使うのを一時やめる時は一時抹消登録をします。一時抹消した車にまた乗る時は、中古新規登録と新規検査を受けることになります。

検査場まで運ぶ時は、市区町村などで臨時運行許可(仮ナンバー)を受ける方法があります。道路運送車両法では、有効期間は原則5日を超えてはならないとされています。

手続きの流れは、不動車・抹消した車を登録し直す|中古新規登録と仮ナンバーで紹介しています。

輸入旧車の専門店の選び方と見積もり

ここでの結論

輸入旧車のレストアは、得意な車種や作業がお店ごとに違います。最初の相談で、手がけた車や部品の手配のしかたを聞いておくと安心です。

レンジローバーのレストアや、ディフェンダーのレストアを頼めるお店を探している方も多いですよね。

まずは、同じ車に乗る仲間やオーナーの集まりで、頼んでいるお店を聞いてみるのが近道です。そのうえで、気になるお店に相談してみましょう。

専門店に相談する前にまとめておくこと
  • 車の状態(動くか、車検は残っているか、長く置いていたか)
  • 気になる所(錆、エンジン、電装、内装など)
  • 当時の姿を残したいか、乗りやすくしたいか
  • 予算の上限と、仕上がりを待てる期間
  • 部品は新品、中古、再生のどれを使ってもいいか

「部品が海外から届くまで、どのくらい待つことがありますか?」
「物によりますね。待つ間にできる作業から先に進めておきます」

こんなふうに、部品待ちの時の進め方を最初に聞いておくと、作業が止まった時に慌てずに済みます。

遠くのお店に頼む時は、車をどう運ぶかと、作業の進み具合を写真で送ってもらえるかも聞いておきましょう。離れていても様子が分かると、安心して任せられます。

見積もりで確かめたいこと

フェラーリのレストアでも、ベンツのレストアでも、見積もりで見るべき所は同じです。

レストアの料金には公的な相場がありません。料金や期間はお店によって違うので、見積もりと説明で確かめてみてください。

輸入旧車のレストアで見積もりを受け取った時に確かめたい5つの項目の図解
よくある失敗

見積もりの総額だけで決めてしまうことです。部品代と工賃が分かれているか、分解してから見つかった傷みをどう扱うかを先に確かめておきましょう。

お店の比べ方は、レストアショップ・専門店の選び方|得意分野と比べ方でくわしく紹介しています。

自分で手を入れる時の注意

MGBのレストアのように、自分で少しずつ手を入れたい方もいますよね。内装や小物の手入れは、自分で進めやすい所です。

ただ、ブレーキや足回りなど走る安全に関わる所は、自信が無ければ整備工場に任せましょう。溶剤やスプレー缶を使う時は、換気のよい場所で、火の気のない所で作業してください。

作業台に並べた磨いためっきのバンパーやモールと、ガレージで作業を待つ古い輸入車

輸入車のレストアでよくある相談

この章について

輸入旧車のレストアについて、ネットの質問サイトでよく見かける相談を要約して紹介します。

相談1「空冷のポルシェは素人がレストアするのは難しい?」

空冷のポルシェ911を自分でレストアしたいが、素人には難しいか、エアコンやパワステも付けたい、という相談です。

内装や外装の小物は、自分で進めやすい所です。エンジンやブレーキ、エアコンなどの装備を足す作業は、その車に詳しいお店に相談するのがおすすめです。

装備を足すと当時の姿からは離れるので、どこまで乗りやすくしたいかを先に決めておきましょう。

相談2「欧州仕様のヘッドライトの電球はそのまま使える?」

ポルシェ944をレストア中で、ヘッドライトの電球がヨーロッパ仕様の物になっているが、どうすればいいかという相談も見られます。

前照灯は、色や明るさ、取り付け位置が保安基準の告示で決まっています。車検に通るかどうかは、ショップや検査場で確かめてから部品を選ぶと安心です。

ライトの直し方は、ヘッドライトのレストア|黄ばみ・くもりの直し方で紹介しています。

相談3「古いポルシェをレストアするか、ベンツをリフレッシュするか」

ポルシェ944をレストアして乗るか、ベンツ190Eをリフレッシュして乗るかで迷っている、という相談です。

どちらがよいかは、どう乗りたいかと、頼めるお店が近くにあるかで変わります。2台とも、今の状態と、頼みたいお店の見積もりを並べて比べてみてください。

レストアとリフレッシュの違いは、レストア・リペア・リフレッシュの違い|どれを頼めばいい?で紹介しています。

輸入旧車の維持費・保険と毎日の車

ここでの結論

輸入旧車は、13年を超えると自動車税が重くなり、車検の重量税も13年と18年で上がります。車両保険の金額の決まり方も、先に知っておきましょう。

『レストアにお金をかけたら、維持費まで手が回らない…』とならないように、毎年かかるお金も先に見ておきたいですよね。

項目古い輸入車で起きること出典
自動車税ガソリン車は13年、ディーゼル車は11年を超えると重課国土交通省
重量税車検の時に、13年超と18年超で税額が上がる財務省
車両保険保険金額は「市場販売価格相当額」が基本日本損害保険協会

自動車税は排気量で区分が分かれていて、大きいほど税額が上がります。排気量の大きい輸入旧車は、税の区分も車検証で確かめておきましょう。

重量税は車検の時に納めます。財務省の資料では、自家用乗用車の重量税は13年超と18年超で税率が分かれています。13年を過ぎた輸入旧車は、車検のたびに少しずつ重くなると考えておきましょう。

車検の費用も見ておきましょう。自動車技術総合機構の説明では、車検の費用は、検査手数料・重量税・自賠責保険料の法定費用と、整備費用や部品代などに分かれています。

古い輸入車は、整備費用や部品代のほうが車の状態で大きく変わります。車検の前に、どこを直す予定かをお店と話しておくと安心ですよ。

東京都の制度

東京都には、1945年までに製造された自動車について、申請により自動車税の重課分を減免する「ヴィンテージカー減免」があります。東京都の制度なので、ほかの道府県は住んでいる所の税事務所に確かめてみてください。

車両保険の考え方

日本損害保険協会の説明では、自家用乗用車の車両保険の金額は「市場販売価格相当額」で決めるのが基本です。同じ車種・同じ年式で、同じくらいの状態の車を買う価格のことです。

古い車向けに、購入金額や市場価格などから車両保険の金額を協定する保険を扱う保険会社もあります。ただ、確認した例では、レストアや修理にかかった費用をそのまま車の価値に足すことはしないとされていました。

レストアにかけたお金と、保険で守れる金額は別物と考えておくと安心です。くわしくは旧車・レストア車の保険|車両保険と価値の考え方で紹介しています。

維持費をまとめて知りたい方は、旧車の維持費|税・車検・保険・整備で毎年かかるお金を見てみてください。

レストアの間と、仕上がった後の毎日の車

輸入旧車のレストアは、部品待ちで期間が長くなりやすいです。レストアの間の足と、仕上がった後にどう乗るかも先に決めておきましょう。

輸入旧車が毎日の車だったなら、預けている間の移動に困りますよね。『仕上がったら、晴れた休日だけ乗りたい』という方も多いはずです。

乗り方向いている人気をつけたいこと
輸入旧車1台で通す荷物や人を乗せる機会が少ない人部品待ちで乗れない期間の移動手段
毎日の車を別に持つ旧車は休日の楽しみに回したい人保険と置き場所を2台分考える
レストアせずに乗り換える傷みが深く、直す費用と時間が見合わない人手放し方と手続きを先に調べる

2台持ちにする時は、自動車保険も見ておきましょう。損害保険会社の案内では、1台目を11等級以上で契約している人が2台目を新しく契約すると、7(S)等級から始まる仕組みがあります。細かな条件は保険会社ごとに違うので、契約先に確かめてみてください。

アメ車の場合の考え方は、アメ車のレストア|部品の取り寄せと頼み先の選び方で紹介しています。

輸入旧車は休日の趣味に回して、毎日の買い物や通勤の車は、月々定額で新車に乗れるカーリースで持つという選び方もあります。レストアして乗り続ける道と並べて、比べてみてください。

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毎日乗る車は、月々定額のカーリースという選択肢も

旧車は休日の楽しみに回して、通勤や買い物の車は別に持ちたい。レストアの間の足が要る。直すより新しい車に乗り換えたい。そんな時は、税金や車検代をまとめて月々定額で新車に乗れるカーリースも比べてみてください。契約年数・月額に含まれる物・走行距離・途中でやめる時の条件は、申し込む前に公式の案内で確かめておくと安心です。

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よくある質問

輸入車のレストアは国産車と何が違いますか?

作業の流れは大きく変わりませんが、部品を海外から取り寄せることが多く、その車に詳しいお店を探すことになりやすい点が違います。仕上がった後の維持費も先に見ておきましょう。

ベンツのレストアはどこに頼めばいいですか?

同じ車に乗る仲間やオーナーの集まりで、頼んでいるお店を聞いてみるのが近道です。手がけた車や部品の手配のしかたを、最初の相談で確かめてみてください。

輸入旧車のフルレストアに相場はありますか?

公的な相場はありません。錆の深さや直す範囲、部品の手に入りやすさで大きく変わるので、見積もりの中身を比べるのが確かです。

レストアにかけたお金は車両保険で守られますか?

車両保険の金額は「市場販売価格相当額」が基本で、レストアの費用がそのまま足されるとは限りません。古い車向けの保険を扱う保険会社もあるので、契約先に相談してみてください。

古い輸入車は税金が高くなりますか?

ガソリン車は13年、ディーゼル車は11年を超えると自動車税が重課されます。車検の時の重量税も、13年超と18年超で上がります。

まとめ

この記事の要点
  • 輸入車のレストアは、部品・専門店・維持費の3点を先に考える
  • 部品は年式と仕様の適合を確かめてから取り寄せる
  • 当時の姿を残すか、乗りやすくするかを先に決める
  • 料金に相場は無いので、見積もりの中身で比べる
  • 13年超の税の重課と、車両保険の金額の決まり方も知っておく
レストアガイド

レストアガイド 編集部

車・旧車・バイクのレストア(元の姿に戻す再生)について、意味や種類、作業の流れ、費用の考え方、自分でやる時の道具と注意点、ショップの選び方、車検・税金・保険などの手続き、乗り換えや手放し方までを、自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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