昭和の国産旧車のレストア|60〜70年代の車を直す前に

昭和の旧車のレストアを紹介する記事のアイキャッチ。納屋で眠っていた丸目の古い小さなセダン

当サイトの記事は編集部が法令・国土交通省などの公的機関、業界団体やメーカーの公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内に定額カーリースのサービスへの案内(広告)を含みます。

家族が昔乗っていた昭和の車が、ガレージや納屋に眠っていませんか。『もう一度走らせてあげたい。でも、こんなに古い車を直せるのかな…』と迷っている方も多いはずです。

結論から言うと、昭和の旧車のレストアは「部品」「ボディの錆」「書類」の3点を最初に見極めると、直せるかどうか、どれくらい大変かがつかみやすくなります。

この記事では、60〜70年代の国産旧車を直す前に確かめたいことと、検査や税、費用の考え方を紹介します。

目次

昭和の旧車のレストア、始める前に知っておきたいこと

先に結論

60〜70年代の国産旧車は、メーカーの部品供給の目安を大きく過ぎています。部品探しとボディの錆、書類の確認に時間をかける前提で、計画を立てましょう。

昭和の旧車は、生産が終わってから長い年数がたっています。メーカーの公式FAQでは、補修部品の供給は生産終了から10年前後が目安とされているので、純正の新品はほとんど期待できないと考えておくのが自然です。

それでも、今も昭和の旧車を直して乗っている人はたくさんいます。部品の探し方と直し方を知っていれば、道は開けるんです。

「旧車」に決まった定義はある?

実は、「旧車」という言葉に、法律で決まった定義はありません。道路運送車両法や保安基準にも、旧車やクラシックカーを定める言葉は出てこないんです。

団体によって基準はさまざまです。国際的な旧車の団体FIVAなどは、ヒストリック・ビークルを「少なくとも30年を経ていること」などの条件で定義しています。

日本クラシックカー協会(JCCA)のイベントでは、展示車両の資格を「原則として、1979年までに生産された車及び同型車」としていた例があります。イベントによって基準は違うので、1つの年数に決めつけないようにしましょう。

レストアの話題によく出る昭和の国産車の例

昭和の旧車のレストアでよく話題に出る車種には、例えばこんな物があります。ここに挙げたのはあくまで例です。

メーカー車種の例
トヨタトヨタ2000GT、ヨタハチ(スポーツ800)、カローラレビン(TE27)
日産510ブルーバード、ケンメリ(スカイライン)
ホンダN360、ライフ360、バモス、S600、T360
スバルスバル360
三菱ミニカ
いすゞ117クーペ
日野日野ルノー

510ブルーバードのフルレストアや、ホンダN360のレストア、スバル360のレストアなど、車種の名前で調べている方も多いですよね。車種ごとの情報は、同じ車に乗る仲間や専門店がいちばん詳しいことが多いです。

これから昭和の旧車を手に入れる時は

家族の車ではなく、これから昭和の旧車を手に入れてレストアしたい方もいますよね。販売店、知人からの譲り受け、ネットの個人売買など、手に入れ方はいろいろあります。

国民生活センターの資料では、個人で車を売り買いする時、契約の条件を取り交わしていないと、不具合の責任や名義変更、代金の支払いでトラブルになることがあると紹介されています。

個人売買で手に入れる時は、名義変更をいつ、だれがするかを先に決めておきましょう。動かない車なら、積載車で運ぶ段取りも必要です。

買う前の見方はレストアベースとは|ベース車の選び方と見るポイントで紹介しています。

部品・ボディの錆・書類の3点で見極める

ここでの結論

昭和の旧車は、「部品(純正・リプロ・流用)」「ボディの錆」「書類」の3点で見極めます。どれか1つでも大きな問題があると、レストアの計画が大きく変わります。

昭和の旧車のレストアは、始めてから問題が見つかることがよくあります。レストアガイド編集部で、最初に見ておきたい3点を表にしてみました。

見る点確かめること大きな問題のサイン次の一歩
部品(純正・リプロ・流用)欠けている部品、純正の在庫、リプロや流用の情報専用の外装や内装の部品が何点も無い同じ車の仲間や専門店に聞く
ボディの錆フロア、サイドシル、フェンダーの内側、トランクの床穴が空いている、押すとへこむ板金・溶接が得意な店に見てもらう
書類車検証、一時抹消の書類、譲渡の書類、名義書類が無い、名義が確かめられない運輸支局等に必要な書類を確かめる
昭和の旧車を、部品(純正・リプロ・流用)・ボディの錆・書類の3点で見極める表の図解

部品:純正・リプロ・流用の3つで考える

昭和の旧車の部品は、純正だけで集めるのは難しいことが多いです。純正、リプロ(復刻品)、流用の3つで考えると、選択肢が広がります。

部品の種類よいところ気をつけたいところ
純正(新品・中古)当時の姿のまま直せる数が少なく、傷みも確かめる
リプロ(復刻品)新品で手に入る作り手によって品質や形が違う
流用手に入りやすい部品で代わりにできる適合と保安基準を確かめる

メーカーが昭和の車の部品を復刻した例もあります。トヨタは2020年7月6日、GRヘリテージパーツの第2弾として、トヨタ2000GTの補給部品(5速MTのギヤ等やデフのファイナルギヤキット等)の復刻・再販売を発表しました。

ただ、トヨタ2000GT用は「車両のオーナー様のみ、かつ車両当たり数量制限付きでの販売」とされています。対象の車種と部品は限られるので、公式サイトで確かめてみてください。

メーカーの取り組みの全体は、メーカーの旧車部品の再販・レストアサービス|使い方と調べ方で紹介しています。

『純正がどこにも無い時は、もうお手上げ?』と思うかもしれませんね。そんな時は、同じ車種の仲間や専門店に、他の車で使えた部品が無いかを聞いてみてください。

「この部品、純正はもう無いんですが、代わりに使えた物を知りませんか?」
「同じ年代の別の車の部品で合わせた人がいますよ。寸法を測ってみましょう」

こんなふうに、経験のある人の知恵で道が開けることがよくあります。部品探しの順番はレストア部品の探し方|手に入らない時の4つの手段にまとめています。

部品取り車の扱いに注意

部品を取るために古い車を丸ごと手に入れる人もいます。環境省の案内では、使用済自動車から再利用部品などを外すには、個人で行う場合でも都道府県知事等から解体業の許可が必要とされています。

ボディの錆:見えない所ほど広がっている

昭和の旧車は、長い年数の間に、見えない所で錆が進んでいることがよくあります。特に、長く屋外や湿気の多い場所に置かれていた車は要注意です。

ボディの錆の点検
  • フロアのカーペットをめくって、錆や穴がないかを見る
  • サイドシル(ドアの下)を下から懐中電灯で照らす
  • フェンダーの内側やホイールハウスを見る
  • トランクの床と、スペアタイヤの下を見る
  • 窓まわりのゴムの下に錆が出ていないかを見る

錆の直し方は、表面の錆か、穴が空いた錆かで大きく変わります。くわしくは車の錆(サビ)のレストア|錆取り・錆止め・錆転換剤の使い分けで紹介しています。

納屋で長く眠っていた昭和の小さな旧車のフロアやドアの下の錆を、懐中電灯で確かめている様子

書類:今どんな登録の状態かを確かめる

長く眠っていた昭和の旧車は、一時抹消登録されていることがよくあります。国土交通省の案内では、登録自動車の使用を一時中止する時に、一時抹消登録の手続きをするとされています。

一時抹消された車をもう一度使うには、中古新規登録の手続きと新規検査が要ります。検査場まで運ぶ時は、仮ナンバー(臨時運行許可)が使えます。

道路運送車両法では、臨時運行許可の有効期間は原則5日以内です。期間が満了した日から5日以内に、許可証と番号標を返すことになっています。

眠っていた車を公道に戻すまでの流れ
  1. 車検証や一時抹消の書類など、手元の書類を確かめる
  2. 整備をして、保安基準に合う状態にする
  3. 自賠責保険に入り、仮ナンバーを借りて検査場へ運ぶ
  4. 新規検査を受け、中古新規登録をする
一時抹消された昭和の旧車を、書類の確認から整備、仮ナンバー、新規検査と中古新規登録までの流れで公道に戻す手順の図解

手続きのくわしい流れは、不動車・抹消した車を登録し直す|中古新規登録と仮ナンバーにまとめています。

長く眠っていた車を動かす前に

何年も動かしていない車は、いきなりエンジンをかけないほうが安心です。古いガソリンや、傷んだ燃料ホースからの漏れがあることもあるんです。

エンジンをかける前に確かめたいこと
  • 燃料の漏れや、強いガソリンのにおいがないか
  • 燃料ホースやゴム部品に、ひび割れがないか
  • ブレーキが固着していないか
  • 火の気のない、換気のよい場所か

長く眠っていた車を動かす前の確認は、不動車のレストア|長く眠っていた車を動かす前ににまとめています。

検査・保安基準と税のこと

ここでの結論

古い車の保安基準は、装置ごとに製作年月日で適用される基準が分かれています。税は13年超で重課されるので、レストアの後の維持費も考えておきましょう。

『昭和の車は、今の車と同じ基準で検査されるの?』と気になりますよね。ここは、言い方に気をつけたいところです。

保安基準は製作年月日で分かれている

国土交通省の保安基準の仕組みでは、製作年月日に応じて、装置ごとに適用される基準が分けられています。例えば施錠装置などは、一定の日より前に作られた車について、別の基準が定められています。

ただ、「旧車は製作当時の基準で検査される」と一言でまとめられるような公式の説明は、この記事の調べでは確かめられませんでした。気になる装置があれば、検査を受ける運輸支局等や整備工場に確かめてみてください。

新しい安全装備の義務化との関係

国土交通省は、新車を対象に衝突被害軽減ブレーキの装備を義務付けました。これは新車が対象で、すでに使われている旧車に後から付けることを義務付けたものではありません。

自分で直す時に知っておきたいこと

国土交通省の資料では、特定整備の認証が要るのは、整備を事業として行う場合とされています。使用者が自分で特定整備をした時は、点検整備記録簿に整備の概要などを書くことが道路運送車両法で決められています。

ブレーキやハンドルまわりは、走る安全に直結します。自信が無い時は、整備工場に任せるようにしましょう。

昭和の旧車の税

国土交通省の資料では、ガソリン車は新車新規登録から13年超で自動車税が重課されます。軽自動車も、最初の新規検査から13年を経過すると軽自動車税が重課されます。

車検の時の自動車重量税も、13年経過と18年経過で上がります。昭和の旧車は、どれにも当てはまりますよね。

項目昭和の旧車で起きること
自動車税(登録車)13年超で重課
軽自動車税(軽自動車)13年を経過すると重課
自動車重量税13年経過・18年経過で税額が上がる
東京都のヴィンテージカー減免1945年までに製造された車が対象なので、60〜70年代の車は当てはまらない

東京都には、1945年までに製造された自動車の自動車税の重課分を、申請で減免する制度があります。ただ、これは東京都の制度で、60〜70年代の車は対象の年代に入りません。

税のくわしい仕組みは、旧車の税金|13年を超えると自動車税・重量税はどう変わる?にまとめています。

昭和の旧車のレストア費用の考え方

ここでの結論

昭和の旧車のレストア費用に公的な相場はありません。錆の広さと部品の集め方で大きく変わるので、項目ごとに分けた見積もりで比べるのが基本です。

ヨタハチのレストア費用や、117クーペのレストア費用を知りたい方も多いですよね。ただ、同じ車種でも、眠っていた期間や置き場所で状態がまったく違うんです。

費用に差が出やすい所を、表にしてみました。

分け方昭和の旧車で差が出やすい理由
ボディ・塗装長い年数で錆が広がっていることが多い
部品純正が少なく、リプロや流用、製作が要ることがある
機関長く動かしていないと、分解して直す所が増える
内装当時の生地や部品が手に入りにくい
登録・検査一時抹消されていれば、中古新規登録と新規検査が要る

『全部でいくらかかるのか、先に知りたい』と思いますよね。ただ、昭和の旧車は分解して初めて分かる傷みが多いので、最初の見積もりから増えることもあると考えておきましょう。

「分解して追加の作業が出たら、どうやって連絡をもらえますか?」
「作業を止めて、写真を送ってからご相談しますね」

こんなふうに、追加が出た時の連絡の仕方を先に決めておくと安心です。見積もりの読み方は、旧車のフルレストア費用|内訳と見積もりの読み方でくわしく紹介しています。

作業の時の注意

錆を削る時や、塗装・脱脂で溶剤やスプレー缶を使う時は、換気のよい場所で、保護具を付けて作業しましょう。古い車から出た廃油や部品は、住んでいる自治体の出し方に従って処分してください。

昭和の旧車のレストアでよくある相談

この章について

昭和の旧車のレストアについて、ネットの質問サイトでよく見かける相談を要約して紹介します。

相談1「祖父や父が乗っていた昭和の車を、もう一度手に入れて直したい」

祖父が乗っていた510ブルーバードや、父が乗っていた昭和の車への思い出から、同じ車に乗りたい、という相談です。

家族の思い出の車をもう一度、という気持ちは、レストアのいちばんの原動力ですよね。まずは、この記事の3点(部品・錆・書類)で、候補の車を見てみてください。

同じ車種の仲間やオーナーズクラブに入ると、部品や頼めるお店の情報が集まりやすくなります。

相談2「父の昔の車を直すか、このまま置いておくか迷っている」

父が昔乗っていた、何十年も前の車をレストアして、もう一度乗ってもらうか、そのままにするか迷っている、という相談です。

迷った時は、まず専門店に現車を見てもらい、どこまで直すとどれくらいかかるかを聞いてみるのがおすすめです。書類の状態も一緒に確かめておくと、判断しやすくなります。

すぐに全部を直さなくても、これ以上傷まないように保管の仕方を変える、という選び方もあります。

例えば、屋根のある場所に移す、カバーをかけて湿気をためないようにする、といった方法です。その間に、部品の情報や頼めるお店をゆっくり探すこともできますよ。

家族で話す時は、こんなふうに聞いてみるのもいいかもしれません。

「この車、直したらまた乗ってみたい?」
「乗れるなら乗りたいな。でも、無理にお金をかけなくてもいいよ」

乗る人の気持ちを確かめておくと、どこまで直すかを決めやすくなります。

相談3「ボディ全体に錆がある。処理にどれくらいかかる?」

旧車のレストアで、ボディ全体に錆がある場合の処理の費用を知りたい、という相談もあります。

錆が表面だけか、穴が空いているかで作業はまったく違います。まずは板金・溶接の得意な店に見てもらい、錆の広さを確かめてから見積もりを取ってみてください。

家族の車とレストアをどう両立する?

ここでの結論

昭和の旧車のレストアは、長い期間がかかることが多いです。家族の毎日の移動と、レストアの楽しみをどう両立するかを、先に話し合っておきましょう。

昭和の旧車は、毎日の買い物や送り迎えに使うには、気を遣う場面も多いですよね。『レストアした車は、晴れた休日にだけ乗りたい』という方も多いはずです。

考え方向いている人
旧車1台で通す毎日の移動が少なく、旧車に慣れている人
毎日の車を別に持つ休日の楽しみと、家族の移動を分けたい人
家族の車を借りる使う日と時間を家族と調整できる人

家族との話し合いの進め方は、家族の車とレストア趣味の両立|話し合いで決めておくことで紹介しています。

旧車は休日の趣味に回して、毎日の車は月々定額で新車に乗れるカーリースで持つという選び方もあります。自分の暮らしに合うか、比べてみてください。

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毎日乗る車は、月々定額のカーリースという選択肢も

旧車は休日の楽しみに回して、通勤や買い物の車は別に持ちたい。レストアの間の足が要る。直すより新しい車に乗り換えたい。そんな時は、税金や車検代をまとめて月々定額で新車に乗れるカーリースも比べてみてください。契約年数・月額に含まれる物・走行距離・途中でやめる時の条件は、申し込む前に公式の案内で確かめておくと安心です。

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よくある質問

昭和の旧車でも、今からレストアできますか?

部品・ボディの錆・書類の状態しだいですが、今も直して乗っている人はたくさんいます。まずは3点を確かめて、専門店に現車を見てもらうのがおすすめです。

昭和の旧車の部品はどうやって探せばいいですか?

純正の中古、リプロ、流用の3つで考えると選択肢が広がります。同じ車種の仲間や専門店に聞くのが近道で、トヨタ2000GTのようにメーカーが部品を復刻した例もあります。

一時抹消されている昭和の旧車を公道に戻すには?

整備をしてから、中古新規登録と新規検査を受けます。検査場まで運ぶ時は、仮ナンバー(臨時運行許可)を使えます。

旧車とは何年以上の車のことですか?

法律で決まった定義はありません。国際的な団体FIVAなどは少なくとも30年を条件の1つにしていますが、団体やイベントによって基準は違います。

昭和の旧車は税金が安くなりますか?

国の制度では、13年を超えた車は重課されます。東京都には1945年までに製造された車の重課分を減免する制度がありますが、60〜70年代の車は対象になりません。

まとめ

この記事の要点
  • 昭和の旧車は、メーカーの部品供給の目安を大きく過ぎている
  • 部品(純正・リプロ・流用)、ボディの錆、書類の3点で見極める
  • 一時抹消された車は、中古新規登録と新規検査で公道に戻せる
  • 保安基準は装置ごとに製作年月日で分かれている
  • 費用は錆と部品で大きく変わるので、項目ごとの見積もりで比べる
レストアガイド

レストアガイド 編集部

車・旧車・バイクのレストア(元の姿に戻す再生)について、意味や種類、作業の流れ、費用の考え方、自分でやる時の道具と注意点、ショップの選び方、車検・税金・保険などの手続き、乗り換えや手放し方までを、自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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