80〜90年代の国産スポーツカーのレストア|部品と費用の考え方

80〜90年代の国産スポーツカーのレストアを紹介する記事のアイキャッチ。作業台に並んだエンジン部品とめっき部品

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若い頃にあこがれた国産スポーツカーを、今も大事に乗っている方は多いですよね。『錆も出てきたし、そろそろしっかり直したい。でも部品はまだあるのかな…』と不安になっていませんか。

結論から言うと、80〜90年代の国産スポーツカーのレストアは、「部品の手に入れ方」「錆が出やすい所」「乗り続ける費用」の3つを先に確かめると、計画が立てやすくなります。

この記事では、スポーツカーのレストアを始める前に見ておきたいことと、メーカーの部品復刻、費用の考え方を紹介します。

目次

80〜90年代のスポーツカーのレストア、何が難しい?

先に結論

この年代のスポーツカーは、部品の供給が細っていることと、錆や走り込んだ傷みが重なりやすいのが難しいところです。一方で、メーカーが部品を復刻している車種もあります。

80〜90年代の国産スポーツカーは、今でも乗り続けたい人が多い車ばかりです。ただ、生産が終わってから長い年数がたっているので、レストアにはそれなりの準備が要るんです。

メーカーの公式FAQでは、補修部品の供給は生産終了から10年前後が目安とされています。トヨタは工場で付ける部品で約10年、マツダは10年前後が目安です。

つまり、この年代の車は、純正の新品が少なくなっていると考えておくのが自然です。

レストアの話題によく出る車種の例

スポーツカーのレストアで話題によく出てくる車種には、例えばこんな物があります。ここに挙げたのはあくまで例で、車種ごとの状況は違います。

メーカー車種の例
トヨタAE86(レビン・トレノ)、AW11(MR2)、セリカ、A70・A80スープラ
日産S13・S15シルビア、180SX、R32・R33・R34スカイラインGT-R
マツダRX-7(FC・FD)
ホンダ初代NSX

さらに古い世代のレビン(TE27・TE37)も、レストアの話題によく出てきます。TE27レビンのフルレストアやTE37レビンのレストアを考えている方もいるはずです。

AE86のレストアや、86のレストアを調べている方が多いのも、この年代の車への関心の高さを表していますよね。

走り込んだ車ならではの傷み

スポーツカーは、走りを楽しむために乗られてきた車が多いですよね。そのぶん、足回りや機関、ボディに負担がかかっていることもあります。

『見た目はきれいだから、中も大丈夫だろう』と思いがちですが、ここが大事なところです。改造の跡や、修理の跡がある車も少なくありません。

走り込んだ車で見ておきたいこと
  • 足回りやブッシュの傷み、ガタつき
  • 改造された部品と、純正部品が残っているか
  • 修理や板金の跡がどこにあるか
  • エンジンが純正の型式のままか、載せ替えられているか
  • 整備の記録が残っているか

エンジンが載せ替えられている車は、手続きがどうなっているかも確かめておきましょう。くわしくは後の章で紹介しますね。

どんな姿に仕上げたいかを先に決める

スポーツカーのレストアでは、「当時のままの姿に戻したい」のか、「見た目は当時のまま、中身は今の部品で乗りやすくしたい」のかで、選ぶ部品も費用も変わります。

国際的な旧車の団体FIVAは、レストアを「欠けている部品や部位を補い、車両をある時点の姿として示すことを目的とする工程」としています。原則は「必要なだけ手を入れ、できるだけ少なく」です。

一方で、外観は旧車のまま、機関や足回りを今の物に替える楽しみ方は、一般的にはレストモッドと呼ばれています。

仕上げの方向部品の選び方向いている人
当時の姿に戻す純正や復刻の部品を優先するオリジナルの姿を大事にしたい人
当時の姿で乗りやすく見えない所は今の部品も使う普段からよく乗りたい人
中身を大きく変える機関や足回りを替える走りを今の基準で楽しみたい人

どれが正しいということはありません。

ただ、途中で方向が変わると部品を買い直すことになりやすいので、最初に決めておくのがおすすめです。レストモッドの考え方はレストモッドとは|レストアとの違いと楽しみ方で紹介しています。

部品・錆・費用の3つで見るチェック表

ここでの結論

レストアを始める前に「部品の手に入れ方」「錆が出やすい所」「乗り続ける費用」の3つを確かめておくと、途中で止まりにくくなります。

スポーツカーのレストアは、始めてから「部品が無い」「思ったより錆が広い」と分かることがよくあります。レストアガイド編集部で、始める前のチェック表を作ってみました。

見る軸確かめること例えばこんな状態なら慎重に
部品の手に入れ方純正の在庫、メーカーの復刻、中古部品、リプロ外装や内装の専用部品がいくつも欠けている
錆が出やすい所フロア、サイドシル、ホイールハウス、トランクの床穴が空いている、押すとへこむ
乗り続ける費用13年超の税、車検、保険、整備レストアの後の維持費まで考えていない
80〜90年代のスポーツカーのレストアを、部品の手に入れ方・錆が出やすい所・乗り続ける費用の3つで見るチェック表の図解

部品の手に入れ方:メーカーの復刻を先に調べる

この年代のスポーツカーは、メーカーが部品を復刻している車種があるのが心強いところです。まずは自分の車が対象かを確かめてみてください。

取り組み対象の車種(公式サイトの掲載)主な事実
トヨタ GRヘリテージパーツトヨタ2000GT、A70・A80スープラ、AE86、ランドクルーザー40・60・70・802019年5月にA70・A80スープラの部品の復刻・再販売を発表
日産 NISMOヘリテージパーツR32・R33・R34型スカイラインGT-R2017年11月24日発表。第1弾は60点以上、第2弾と合わせて約160部品
マツダ CLASSIC MAZDARX-7(FC・FD)の補修部品の復刻、NAロードスターRX-7の補修部品は2020年12月17日にサイト開設との掲載
Hondaヘリテージワークス初代NSX2026年1月にレストアサービスの受付開始、2026年4月にヘリテージパーツの販売開始

トヨタのGRヘリテージパーツは「既に廃版となってしまった補給部品を復刻し、純正部品として再販売する取り組み」と説明されています。AE86のレストアを考えている方は、一度のぞいてみる価値がありますよ。

対象の調べ方や使い方は、メーカーの旧車部品の再販・レストアサービス|使い方と調べ方で紹介しています。

対象外の車種は、仲間と専門店の情報が頼り

セリカやシルビア、180SXのように、ここに挙がっていない車種もありますよね。その場合は、販売店に品番で在庫を聞き、専門店や同じ車の仲間から情報を集めるのが近道です。

中古部品やリプロパーツで代わりを用意する人もいます。部品の探し方はレストア部品の探し方|手に入らない時の4つの手段にまとめています。

部品取り車の扱いに注意

部品を取るために古い車を丸ごと手に入れる人もいます。環境省の案内では、使用済自動車から再利用部品などを外すには、個人で行う場合でも都道府県知事等から解体業の許可が必要とされています。

錆とボディのレストアは早めに手を打つ

ここでの結論

スポーツカーのレストアで一番手間がかかりやすいのはボディの錆です。フロアの雨漏りなど、小さなサインのうちに見つけて直すと、大きな板金を避けられることがあります。

AE86のボディのレストアのように、ボディの錆を直したいという相談はとても多いんです。錆は、見えている所より裏側で広がっていることがよくあります。

錆が出やすい所を点検しよう

錆は、水がたまりやすい所から進みます。次の所を、懐中電灯で照らしながら見てみてください。

ボディの錆の点検
  • 運転席・助手席のフロア(カーペットをめくって湿りを見る)
  • サイドシル(ドアの下)の内側と外側
  • 前後のホイールハウスのまわり
  • トランクの床と、スペアタイヤの下
  • 窓まわりのゴムの下や、水抜きの穴

フロアのカーペットが湿っている時は、どこから水が入っているかを先に突き止めるのが大事です。ゴムの傷みや、すき間からの雨漏りであることもあります。

80〜90年代のスポーツカーのフロアのカーペットをめくり、錆や湿りを懐中電灯で確かめている様子

表面の錆と、穴が空いた錆は別物

錆には、表面だけの錆と、鉄板に穴が空いた錆があります。この2つで、作業の重さがまったく違うんです。

錆の状態よくある直し方頼む先の目安
表面の薄い錆錆を落として、錆止めと塗装自分でできることも多い
広がった錆錆を落とし、傷んだ所を補修板金・塗装の店
穴が空いた錆傷んだ鉄板を切り取り、新しい鉄板を溶接板金・溶接が得意な店
スポーツカーのボディの錆を、表面の錆・広がった錆・穴が空いた錆の3つに分けて直し方を示した図解

錆の直し方の使い分けは、車の錆(サビ)のレストア|錆取り・錆止め・錆転換剤の使い分けで紹介しています。

自分で錆を落とす時の注意

サンダーで錆を削る時や、溶剤・スプレー缶を使う時は、換気のよい場所で、保護具を付けて作業しましょう。スプレー缶は火の気のない所で使い、捨てる時は住んでいる自治体の出し方に従ってください。

レストア費用の考え方と、手続きのこと

ここでの結論

スポーツカーのレストア費用に公的な相場はありません。ボディ・機関・足回り・内装・部品のどこにどれだけ手を入れるかで決まるので、見積もりの中身で比べるのが基本です。

180SXのレストア費用やMR2のレストア費用、S15のレストア費用を知りたい方も多いですよね。ただ、同じ車種でも、錆の広さや部品の欠け方で費用はまったく違うんです。

費用に差が出やすい所

レストア費用は、いくつかの部分に分けて考えると見通しが立てやすくなります。

分け方差が出やすい理由
ボディ・塗装錆の広さと、穴の有無で作業が大きく変わる
機関(エンジン・駆動系)分解して初めて傷みが分かることがある
足回り・ブレーキ走る安全に関わるので、一通り見直すことが多い
内装張り替える数と生地で変わる
部品純正の在庫、復刻、中古、リプロのどれを使うか

『全部まとめていくら?』と聞きたくなりますが、合計だけで比べると、何が含まれているかが分からなくなります。見積もりは、項目ごとに分けて出してもらうのがおすすめです。

「この見積もりに、部品代はどこまで入っていますか?」
「交換部品は入っています。分解して追加が出たら、その時にご連絡しますね」

こんなふうに、含まれる範囲と、追加が出た時の連絡の仕方を確かめておきましょう。見積もりの読み方は、旧車のフルレストア費用|内訳と見積もりの読み方でくわしく紹介しています。

自分でやる作業と、頼む作業を分ける

費用を抑えたい時は、自分でできる作業と、プロに頼む作業を分けるのも1つの方法です。例えば、内装の掃除や外した部品の磨きは自分で、板金や機関の分解は店に、という分け方です。

国土交通省の資料では、特定整備の認証が要るのは、整備を事業として行う場合とされています。使用者が自分で特定整備をした時は、点検整備記録簿に整備の概要などを書くことが道路運送車両法で決められています。

ブレーキやハンドルまわりは、走る安全に直結します。自信が無い時は、整備工場に任せるようにしましょう。

乗り続ける費用:13年超の税

レストアの後も、毎年の税と車検の費用は続きます。国土交通省の資料では、ガソリン車は新車新規登録から13年超で自動車税が重課されます。

車検の時の自動車重量税も、13年経過と18年経過で段階的に上がります。この年代の車は、どちらにも当てはまることが多いですよね。

税のくわしい仕組みは、旧車の税金|13年を超えると自動車税・重量税はどう変わる?にまとめています。

エンジン載せ替えや改造をする時の手続き

レストアに合わせて、エンジンを載せ替えたいと考える方もいます。ここで知っておきたいのが、構造等変更の手続きです。

国土交通省の案内では、原動機の型式に変更を生ずるような改造をした時は、運輸支局等で構造等変更検査を受けることになっています。

道路運送車両法では、登録自動車の原動機の型式に変更があった時は、15日以内に変更登録の申請をすることになっています。

同じ型式のエンジンに替える時

同じ型式のエンジンに交換する場合の扱いは、この記事の調べでは公式の説明を確かめられませんでした。作業の前に、管轄の運輸支局や整備工場に確かめてみてください。

改造と手続きのくわしい話は、レストアと改造・構造変更|手続きが必要になる場合で紹介しています。

スポーツカーのレストアでよくある相談

この章について

80〜90年代の国産スポーツカーのレストアについて、ネットの質問サイトでよく見かける相談を要約して紹介します。

相談1「27レビンの錆を直したいが、腕のいい店が見つからない」

TE27レビンの錆が目立ってきたので板金でレストアしたいが、なかなか頼める店が見つからない、という相談です。とても多く読まれています。

古い車の板金は、店によって経験がまったく違います。同じ車種のオーナーズクラブや、旧車のイベントで、どこに頼んでいるかを聞いてみてください。

見に行く時は、その店が手がけた車の写真や、作業の途中の様子を見せてもらえるか聞いてみるのもおすすめです。お店の選び方はレストアショップ・専門店の選び方|得意分野と比べ方にまとめています。

相談2「AE86をフルレストアすると、どのくらいかかる?」

AE86のフルレストアにどれくらいかかるか、状態の良い別のボディに移した方がいいのか、という相談です。

フルレストアの費用は、錆と部品の状態で大きく変わるので、まずは現車を見てもらって見積もりを取るのが近道です。

別の車のボディに移す話は、車台番号や登録の扱いが関わります。考えている時は、作業の前に管轄の運輸支局に確かめておきましょう。

相談3「AE86のフロアが濡れている。雨漏り?」

セミレストアしたAE86で、ブレーキペダルの下のカーペットに穴があり、めくるとフロアが濡れていた、という相談です。

まずはどこから水が入っているかを突き止めることが大切です。窓まわりのゴムや、すき間からの雨漏りを確かめ、フロアに錆が出ていれば早めに錆を落としておきましょう。

レストアして乗り続けるか、乗り換えるか

ここでの結論

レストアして乗り続けるのも、毎日の車を別に持つのも、どちらも正しい選び方です。レストアの期間と、その間の足をどうするかで考えてみましょう。

本格的なレストアは、車が長い間手元に戻らないこともありますよね。『その間、通勤や買い物はどうしよう…』と悩む方も多いはずです。

選び方向いている人考えておきたいこと
スポーツカー1台で通す毎日の移動が少ない人レストア中の移動手段
2台持ちにする休日の楽しみと普段の移動を分けたい人置き場所と2台分の維持費
乗り換える手間と費用の重さが合わないと感じた人今の車の売り方や手放し方

2台持ちにする時は、自動車保険も見ておきましょう。

損害保険会社の案内では、1台目を11等級以上で契約している人が2台目を新しく契約する時、条件を満たすと7(S)等級から始まる仕組みがあります。細かな条件は保険会社ごとに違うので、契約先に確かめてみてください。

迷った時の考え方は、レストアするか乗り換えるか|迷った時の判断の目安で紹介しています。

スポーツカーは休日の趣味に回して、毎日の車は月々定額で新車に乗れるカーリースで持つという選び方もあります。自分の暮らしに合うか、比べてみてください。

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毎日乗る車は、月々定額のカーリースという選択肢も

旧車は休日の楽しみに回して、通勤や買い物の車は別に持ちたい。レストアの間の足が要る。直すより新しい車に乗り換えたい。そんな時は、税金や車検代をまとめて月々定額で新車に乗れるカーリースも比べてみてください。契約年数・月額に含まれる物・走行距離・途中でやめる時の条件は、申し込む前に公式の案内で確かめておくと安心です。

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よくある質問

AE86のレストア部品は、メーカーから手に入りますか?

トヨタのGRヘリテージパーツは、AE86を対象車種に挙げています。どの部品が出ているかは公式サイトで確かめ、無い部品は専門店や中古部品、リプロで探してみてください。

スポーツカーのレストア費用の相場はありますか?

公的な相場はありません。錆の広さや部品の状態、作業の範囲で大きく変わるので、項目ごとに分けた見積もりを取って比べるのが基本です。

セリカやシルビアのように、メーカーの復刻が無い車種はどうすればいいですか?

販売店に品番で在庫を聞き、専門店や同じ車の仲間から情報を集めるのが近道です。中古部品やリプロパーツで代わりを用意する方法もあります。

エンジンを別の型式に載せ替えたら手続きは必要ですか?

国土交通省の案内では、原動機の型式に変更を生ずるような改造をした時は、構造等変更検査を受けることになっています。作業の前に運輸支局に確かめておきましょう。

13年を超えたスポーツカーは税金が上がりますか?

ガソリン車は新車新規登録から13年超で自動車税が重課されます。車検の重量税も13年経過と18年経過で上がります。

まとめ

この記事の要点
  • 80〜90年代のスポーツカーは、部品の供給の目安を過ぎていることが多い
  • 部品の手に入れ方・錆が出やすい所・乗り続ける費用の3つを先に確かめる
  • AE86やスープラ、スカイラインGT-R、RX-7などはメーカーの部品復刻がある
  • 錆は表面か穴が空いているかで作業が大きく変わる
  • 原動機の型式が変わる載せ替えは、構造等変更検査が要る
レストアガイド

レストアガイド 編集部

車・旧車・バイクのレストア(元の姿に戻す再生)について、意味や種類、作業の流れ、費用の考え方、自分でやる時の道具と注意点、ショップの選び方、車検・税金・保険などの手続き、乗り換えや手放し方までを、自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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