レストモッドとは|レストアとの違いと楽しみ方

レストモッドとレストアの違いを紹介する記事のアイキャッチ。当時風の外観の古いクーペと整えられたエンジンルーム

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古い車の見た目は大好きなのに、エアコンの効きや乗りにくさが気になって、毎日は乗れない。そんな悩みを持つ方は多いですよね。

結論から言うと、レストモッドは「見た目は旧車のまま、中身を今の部品で使いやすくする」仕上げ方です。元の姿に戻すレストアとは、目指すゴールが違います。

この記事では、レストモッドとレストアの違いと、仕上げ方を選ぶ時に気をつけたい手続きを紹介します。

目次

レストモッドとは?言葉の意味から

先に結論

レストモッドは、英語の restoration(レストア)と modification(改造)を合わせた言葉です。一般的には、外観は旧車のまま、エンジンや足回り、電装を今のものに替えた車を指して使われています。

レストモッドは、まだ日本語の辞書にはっきりした定義が見当たらない言葉です。この記事では、一般的に使われている意味で紹介しますね。

よく言われるのは「外は当時の姿、中は今の車」というイメージです。例えば、丸目のライトやめっきのバンパーはそのままに、ブレーキや電装を新しいものにする、といった仕上げ方です。

『それって、ただのカスタムじゃないの?』と思った方もいるかもしれません。

デジタル大辞泉では、カスタムカーは「注文によって特別な装備をした自動車」とされています。レストモッドは、その中でも「旧車らしい見た目を残す」ことを大事にする楽しみ方だと考えると分かりやすいです。

レストアという言葉の意味

デジタル大辞泉では、レストアは「元の状態に戻すこと。復元すること」とされています。言葉の全体像はレストアとは|意味と車・バイクのレストアの基本で紹介しています。

レストモッドとレストアの違い

ここでの結論

レストアは「ある時点の姿に戻す」、レストモッドは「旧車の見た目で、今の使いやすさを足す」。どちらが正しいという話ではなく、ゴールの置き方の違いです。

歴史的な車の保存に取り組む国際団体のFIVAは、レストアを「欠けている部品や部位を補い、車両をある時点の姿として示すことを目的とする工程」としています。運転の特性やデザインは変えず、当時の素材や技法をなるべく使う考え方です。

レストモッドは、その逆を行く部分があります。走りやすさや安心のために、あえて当時とは違う部品を選ぶんです。

比べる点レストアレストモッド
ゴールある時点の姿に戻す旧車の見た目で今の使いやすさを足す
部品の選び方当時の部品や同じ仕様の部品今の部品を選ぶこともある
乗り味当時の乗り味を楽しむ扱いやすさを優先する
手続き元の仕様に戻すなら変更は少ない改造の中身によって手続きが要る
大事にされること記録と当時らしさ見た目のバランスと安全
レストアとレストモッドの違いを、ゴール・部品の選び方・手続きで比べた図解

レストモッドとレストアの違いは、作業の上手い下手ではありません。『当時の姿に乗りたいのか、当時の見た目で気楽に乗りたいのか』という、乗る人の好みの違いなんです。

レストモッドで手を入れることが多い所

レストモッドでは、どこを当時のまま残し、どこを今の部品にするかの線引きが楽しみの一つです。よく話に出る分け方を、表にしてみました。

場所当時のまま残すことが多い今の部品にすることがある
外装ボディの形、ライトの形、めっき部品錆に強い下地や塗装
内装ダッシュボードの形、メーター周りの雰囲気シートの中身、エアコン
走る所見た目に関わるホイールの雰囲気ブレーキ、足回り
機関・電装エンジンルームの見た目配線、点火系、エンジン

ブレーキや足回りは、走る安全に直結する所です。自分で手を入れる時も、自信が無ければ整備工場に頼んでみてください。

「エアコンだけ今のものにしたいんです」
「見た目を崩さない付け方を考えてみましょう」

こんなふうに、残したい雰囲気を先に伝えておくと、お店とも話が進めやすくなります。

車全体をばらして仕上げる大がかりな作業の流れは、フルレストアとは|部分レストアとの違いと作業の範囲も参考にしてみてください。

仕上げ方は3タイプ。自分はどれが向いている?

ここでの結論

旧車の仕上げ方は、大きく「オリジナル重視」「使いやすさ重視(レストモッド)」「見た目だけ当時風」の3つに分けて考えると、選びやすくなります。

ここで、レストアガイド編集部の分け方を紹介します。決まった分類ではありませんが、自分の好みを整理するのに役立ちますよ。

仕上げ方どんな仕上げ方か向く人手続きで気をつけたいこと
オリジナル重視当時の部品と仕様で、ある時点の姿に戻す当時の乗り味を味わいたい人、記録を残して長く持ちたい人元の仕様に戻すなら大きな変更は少ない
使いやすさ重視(レストモッド)見た目は旧車のまま、ブレーキや電装、エンジンなどを今のものに旧車で出かける回数を増やしたい人エンジンの型式や寸法が変わると構造等変更の対象
見た目だけ当時風新しめの車を、旧車風の見た目に仕上げる旧車の雰囲気が好きで、中身は新しくしたい人外装部品で寸法や重さが変わる時は範囲を確認
旧車の仕上げ方を、オリジナル重視・使いやすさ重視・見た目だけ当時風の3タイプに分けた図解

『自分はどれだろう?』と迷ったら、旧車で「どこへ」「どのくらい」出かけたいかを考えてみてください。

休日に近所を走るのが楽しみなら、オリジナル重視でも十分楽しめます。遠出や渋滞の多い道も走りたいなら、使いやすさ重視の考え方が合うかもしれません。

仕上げ方を決める前に考えたいこと
  • 旧車で出かけたい場所と回数
  • 当時の乗り味をどこまで残したいか
  • 将来、元の仕様に戻せるようにしておきたいか
  • 手続きや保険のことまで相談できるお店があるか

将来、元に戻せるかも考えておく

レストモッドにする時、外した当時の部品をとっておく人もいます。あとで「やっぱり当時の姿に戻したい」と思った時に、部品が手元にあると助かるからです。

古い年式の部品は、一度手放すと手に入りにくくなりやすいんです。外した部品の保管場所も、先に考えておきましょう。

レストモッドで気をつけたい手続きと保安基準

ここでの結論

改造の中身によっては、構造等変更検査が必要です。寸法やエンジンの型式などが変わる時は、作業の前に運輸支局やお店に確かめておきましょう。

レストモッドで一番気をつけたいのが、手続きです。せっかく仕上げても、車検に通らなければ公道は走れませんよね。

国土交通省の自動車検査登録総合ポータルでは、車両の長さ・幅・高さ・乗車定員・車体の形状・原動機の型式・燃料の種類などに変更が出る改造をした時は、構造等変更検査を受けると案内されています。

改造の例手続きの考え方
エンジンを別の型式のものに載せ替える原動機の型式が変わるので構造等変更検査の対象
燃料の種類が変わる構造等変更検査の対象
寸法が一定の範囲を超えて変わる構造等変更検査の対象
指定部品を、溶接やリベット以外で付ける軽微な変更として手続きが要らない場合がある
マフラーを替える保安基準に合っていることが前提

軽微な変更なら手続きが要らないことも

国土交通省の案内では、部品を付けた時の変化が一定の範囲に収まる場合は、構造等変更の手続きが要らないとされています。範囲は、長さ±3cm、幅±2cm、高さ±4cmです。

車両重量は、小型自動車と軽自動車が±50kg、普通自動車が±100kgの範囲です。

ショック・アブソーバやマフラー、タイヤ・ホイールなどの指定部品を、溶接やリベット以外の方法で付けた場合も、手続きは要らないとされています。

手続きが要らなくても、基準は守る

軽微な変更でも、部品を付けた状態で保安基準に合っていることが必要です。国土交通省の案内では、これは使う人の責任で管理するものとされています。

マフラーやライトにも基準がある

道路運送車両の保安基準では、自動車は騒音を著しく発しないこと、前照灯は色や明るさなどの基準に合うことが決められています。交換用マフラーには、国が登録した機関が性能を確かめた物に表示を付ける事前認証制度もあります。

また、保安基準は装置ごとに、車が作られた年月日で適用される基準が分かれています。旧車でどの基準が当てはまるかは、検査場やお店に確かめてみてください。

手続きの流れはレストアと改造・構造変更|手続きが必要になる場合、車検の前の確認はレストアした車の車検でくわしく紹介しています。

レストモッドのよくある相談

この章について

旧車の改造や載せ替えについて、ネットの質問サイトでよく見かける相談を要約して紹介します。

相談1「型式は違うが排気量が同じエンジンなら、構造変更は要らない?」

エンジンを載せ替える時、排気量が同じなら手続きは要らないのでは、という相談です。レストモッドでエンジンを新しくしたい人がよく迷うところですね。

国土交通省の案内では、手続きが要るかどうかは排気量ではなく「原動機の型式」が変わるかで見ます。型式が変わる時は構造等変更検査の対象で、所有者は15日以内に変更登録の申請もすることになります。

同じ型式のエンジンに替える時の扱いは、作業の前に運輸支局で確かめておくのが安心です。

相談2「ボルトで留めるルーフキャリアにも構造変更が要る?」

ボルトで留めるルーフキャリアを付けたら、構造変更が要るのか、という相談です。

ルーフ・ラックやキャリアは、国土交通省の案内で指定部品に挙げられています。溶接やリベット以外の方法で付けた場合は、軽微な変更として手続きが要らないとされています。

ただし、付けた状態で保安基準に合っていることが前提です。高さなどが気になる時は、検査場に聞いてみてください。

相談3「古い車を直すくらいなら、新車を買えばいいのでは?」

旧車にお金をかけるくらいなら新車を買えばいい、という意見への疑問もよく見かけます。

これは、どちらが正しいという話ではありません。旧車の見た目や時代の空気が好きな人にとって、レストアやレストモッドは、その車でしか味わえない楽しみなんです。

「どうして新しい車にしないの?」
「この形が好きだから。中身は乗りやすくしてあるんだ」

そんな会話ができるのも、レストモッドならではですね。

旧車を楽しみながら、毎日の車はどうする?

ここでの結論

レストモッドで乗りやすくしても、旧車は大事に乗りたいもの。毎日の通勤や買い物は別の車にする、という分け方もあります。

旧車向けの保険の中には、改造車は引き受けない、とする商品もあります。仕上げ方を決める前に、保険の相談先も考えておくと安心です。保険の考え方は旧車・レストア車の保険にまとめています。

『せっかく仕上げた車を、毎日の買い物で傷つけたくない…』という方も多いはずです。旧車は休日の趣味の車にして、毎日の足は別に持つ人もいます。

旧車一台で楽しむのも、もちろん素敵な選択です。毎日の車を月々定額で持てるカーリースという方法もあるので、自分の暮らしに合うか比べてみてください。

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毎日乗る車は、月々定額のカーリースという選択肢も

旧車は休日の楽しみに回して、通勤や買い物の車は別に持ちたい。レストアの間の足が要る。直すより新しい車に乗り換えたい。そんな時は、税金や車検代をまとめて月々定額で新車に乗れるカーリースも比べてみてください。契約年数・月額に含まれる物・走行距離・途中でやめる時の条件は、申し込む前に公式の案内で確かめておくと安心です。

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よくある質問

レストモッドとは何ですか?

restoration(レストア)と modification(改造)を合わせた言葉です。一般的には、旧車の見た目を残しながら、エンジンや足回り、電装を今のものに替えた車を指して使われています。

レストモッドとレストアの違いは何ですか?

レストアはある時点の姿に戻すこと、レストモッドは旧車の見た目のまま中身を今の部品で使いやすくすることです。ゴールの置き方が違います。

レストモッドにすると車検に通らなくなりますか?

保安基準に合っていれば車検は受けられます。ただし、エンジンの型式や寸法などが変わる改造は構造等変更検査の対象です。作業の前に運輸支局やお店に確かめておきましょう。

外した当時の部品はとっておいたほうがいいですか?

将来、元の姿に戻したくなった時に役立ちます。古い年式の部品は手に入りにくくなりやすいので、保管場所があればとっておくのがおすすめです。

まとめ

この記事の要点
  • レストモッドは旧車の見た目のまま、中身を今の部品で使いやすくする仕上げ方
  • レストアは「ある時点の姿に戻す」ことで、ゴールが違う
  • 仕上げ方はオリジナル重視・使いやすさ重視・見た目だけ当時風の3つで考える
  • エンジンの型式や寸法が変わる改造は構造等変更検査の対象
  • 軽微な変更でも保安基準に合っていることが前提
レストアガイド

レストアガイド 編集部

車・旧車・バイクのレストア(元の姿に戻す再生)について、意味や種類、作業の流れ、費用の考え方、自分でやる時の道具と注意点、ショップの選び方、車検・税金・保険などの手続き、乗り換えや手放し方までを、自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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