レストア済みの中古車とは|買う前に確かめたいこと

レストア済みの中古車を買う前に確かめたいことを紹介する記事のアイキャッチ。仕上がった古いクーペと作業記録のファイル

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きれいに仕上がった旧車の販売ページに「レストア済み」と書かれていると、心が動きますよね。でも、『どこまで直してあるの?』『本当に安心して乗れるの?』と不安になる方も多いはずです。

結論から言うと、レストア済みの中古車は「どこまで直したか」「記録が残っているか」「その後の整備先があるか」の3点を確かめてから買うのが大切です。「レストア済み」という言葉には、決まった基準が無いからなんです。

この記事では、レストア済みの車の意味と、買う前に確かめたいことをチェック表で紹介します。

目次

レストア済みの車とは?レストア品とはどういう物か

先に結論

レストア済みの車とは、古い車に手を入れて、傷んだ所を元の姿に近づけた車のことです。ただ、どこまで手を入れたかは車ごとにまったく違います。

レストアは、デジタル大辞泉で「元の状態に戻すこと。復元すること。特に、古くなって傷んだ自動車や家具などを修復すること」とされています。

レストア済みは、その作業を終えた状態を指して使われる言葉です。

車に限らず、家具や時計などで「レストア品とは何か」と聞かれた時も、考え方は同じです。古くなった物を直して、元の姿に近づけた物を指します。

『レストア済みと書いてあれば、全部新品同様なんでしょ?』と思うかもしれません。実は、そうとは限らないんです。

販売ページの書き方よくある中身の例
レストア済み外装・内装・機関のどこかに手を入れた
フルレストア済み車全体をばらして手を入れた、とされることが多い
外装レストア済み塗装や板金が中心。機関は別のこともある
エンジンOH済みエンジンを分解して整備した。外装は別

レストア済の旧車は、作業の範囲が広い物から一部だけの物まで、幅があります。同じ「レストア済み」でも、中身を比べないと判断できないんです。

レストアという言葉の全体像は、レストアとは|意味と車・バイクのレストアの基本で紹介しています。

レストア済みとレストアベースの違い

旧車の販売では、レストア済みの車と、これからレストアをするレストアベース車の両方が売られています。レストアベース車販売のページでは、動かない車や書類の無い車が「現状のまま」で並んでいることもありますよね。

比べる点レストア済みレストアベース
状態手を入れ終えたこれから手を入れる
すぐ乗れるか乗れることが多い(登録の状態による)乗れないことが多い
確かめること作業の範囲と記録錆・欠品・書類・動くか
向く人早く旧車に乗りたい人直す過程も楽しみたい人

自分で直す過程も楽しみたいなら、レストアベースから始める方法もあります。くわしくはレストアベースとは|ベース車の選び方と見るポイントを見てみてください。

買う前の3点チェック:どこまで直したか・記録・整備先

ここでの結論

レストア済みの中古車は「どこまで直したか」「記録が残っているか」「その後の整備先があるか」の3点で確かめると、買った後に困りにくくなります。

ここで、レストアガイド編集部のチェック表を紹介します。販売店でも個人売買でも、同じように使えますよ。

確かめる点聞きたいこと安心できる答えの例気をつけたい答えの例
どこまで直したか外装・内装・機関・足回り・電装のどこに手を入れたか場所ごとに作業の中身を説明できる「全部やってあります」だけで中身が出てこない
記録が残っているか作業の写真、整備記録、替えた部品の一覧はあるか作業前後の写真と整備記録がある記録は無いが、きれいだから大丈夫と言う
その後の整備先買った後の点検や修理をどこに頼めるか販売店で引き続き見てもらえる、近くに旧車を扱う工場がある買った後のことは分からないと言われる
レストア済みの車をどこまで直したか・記録が残っているか・その後の整備先の3点で確かめるチェック表の図解

1点目:どこまで直したか

まずは、作業の範囲を場所ごとに聞いてみてください。外装だけきれいにした車と、機関や電装まで手を入れた車では、その後の安心感がまったく違います。

「エンジンと足回りは、どこまで手を入れていますか?」
「エンジンは分解して部品を替えています。足回りはブッシュとショックを新しくしました」

こんなふうに、場所ごとに具体的に答えてもらえるかが一つの目安です。

現車を見る時に一緒に確かめたいこと

3点チェックとあわせて、現車を見る時は次の所も見ておくと安心です。

現車確認の順番
  1. 車検証や書類の車台番号と、実物の車台番号が合っているか見る
  2. 外装の塗装のむらや、ドアの下・フロアの錆の跡を見る
  3. エンジンをかけて、音や煙、メーターの動きを確かめる
  4. できれば試乗して、ブレーキやハンドルの感触を確かめる

試乗ができない時は、エンジンをかけた状態だけでも見せてもらいましょう。『せっかく遠くまで来たし…』とその場で決めたくなりますが、気になる所が残るなら持ち帰って考えて大丈夫です。

2点目:記録が残っているか

作業前と作業後の写真、整備記録、替えた部品の一覧があると、どこまで直したかを自分の目で確かめられます。

道路運送車両法では、自動車の使用者が特定整備をした時は、点検整備記録簿に整備の概要などを書くことが決められています。記録簿が残っているかも、あわせて見せてもらいましょう。

記録の大切さは、レストアの記録の残し方|写真・整備記録が価値を守るでも紹介しています。

3点目:その後の整備先

旧車は、買った後の点検や修理が欠かせません。どこに頼めるかを、買う前に考えておくことがとても大事なんです。

販売店で引き続き見てもらえるのか、近くに旧車を扱う整備工場があるのかを確かめておきましょう。特に遠くの販売店で買う時は、ここが抜けやすいので注意してみてください。

よくある失敗

見た目のきれいさだけで決めて、機関の整備の中身や整備先を確かめずに買ってしまうこと。買った後に不調が出ても、頼める所が見つからず困ることがあります。

レストア済みの車はどこで買う?販売店と個人売買

ここでの結論

レストア済みの車は、旧車を扱う販売店、個人売買、知人からの譲り受けなどで探せます。どこで買う時も、書類と契約の条件を確かめるのが基本です。

旧車のレストア済み車の販売や、レストア中古の車を探す方法は、いくつかあります。

買う場所よいところ気をつけたいところ
旧車を扱う販売店状態の説明や整備の相談がしやすい保証や整備の範囲を書面で確かめる
個人売買・オークション選べる数が多い不具合の責任や名義変更でトラブルになりやすい
知人や旧車のクラブ車の来歴が分かりやすい契約の条件を口約束にしない

国民生活センターの資料では、個人で車を売り買いする時、契約の条件を取り交わしていないと「車の不具合が生じた際の責任の所在が分からない」「名義変更をしてくれない」などのリスクがあると紹介されています。

車の購入はクーリング・オフの対象外

もう一つ知っておきたいのが、クーリング・オフのことです。特定商取引法の施行令では、二輪を除く自動車の販売は、訪問販売や電話勧誘販売でもクーリング・オフの規定が適用されないとされています。

つまり、契約してから「やっぱりやめたい」と思っても、簡単には取り消せないことがあるんです。その場で決めず、持ち帰って考えてみてください。

契約の前に確かめたいこと
  • 支払総額と、その中に何が含まれているか
  • 保証の有無と、保証の範囲・期間
  • 納車前の整備の内容
  • 名義変更をいつ、だれがするか
  • キャンセルできる条件

旧車を買う流れ全体は、旧車を買ってレストアする|購入前のチェックと買い方にまとめています。

NAロードスターやランクル60など、車種で探す時のポイント

人気の車種は、レストア済みの車も多く出回ります。車種で探す時は、メーカーの部品再販やレストアサービスの有無を知っておくと、買った後の部品の見通しが立てやすくなります。

レストア済みの旧車を探す時、NAロードスターのレストア済みや、ランクル60のレストア済み車の販売を探す方も多いですよね。ここでは、車種の例と、知っておきたいメーカーの取り組みをまとめました。

車種の例メーカーの取り組み(公式で確認できた物)
NAロードスターマツダ「CLASSIC MAZDA」のレストアサービスと復刻パーツ
ランドクルーザー40・60・70・80トヨタ「GRヘリテージパーツ」の部品復刻・再販売
AE86、A70・A80スープラトヨタ「GRヘリテージパーツ」の部品復刻・再販売
R32・R33・R34型スカイラインGT-R日産「NISMOヘリテージパーツ」の部品再供給
初代NSXホンダ「Hondaヘリテージワークス」のレストアサービスと部品供給

メーカーの部品再販がある車種は、買った後に部品を手に入れやすい傾向があります。くわしくはメーカーの旧車部品の再販・レストアサービスで紹介しています。

レストア済みの車の値段の見方

レストア済みの車の値段を見て、『どうしてこんなに高いの?』と感じたことはありませんか。レストアには、それだけ手間がかかるんです。

例えば、マツダの公式サイトでは、NAロードスターのレストアサービスの料金が公表されています。基本メニュー(ボデー&エクステリア)は税込4,510,000円から、基本と全オプションを合わせたフルレストアは税込8,360,000円からです。

ホンダの公式サイトでは、初代NSXの基本レストアが税込11,550,000円からとされています。どちらも作業前の目安で、車の状態によって追加の費用がかかる場合があると書かれています。

レストア済みの車の値段には、車そのものの値段に加えて、部品代や作業の手間が含まれています。どこにどれだけ手を入れたかが分かれば、値段の理由も見えてきますよね。

料金の例は相場ではありません

ここで挙げたのは、メーカーが公式に出している料金の例です。レストアの料金に公的な相場はありません。民間のお店の料金は、作業の範囲と車の状態でまったく違います。

買った後にかかるお金:税金・保険・維持費

ここでの結論

レストア済みの車でも、年式が古ければ税金の重課の対象です。保険は、レストアにかけたお金がそのまま車の価値として見てもらえるとは限りません。

レストア済みの車は、見た目が新しくても、登録からの年数は変わりません。買う前に、毎年かかるお金も確かめておきましょう。

13年を超えた車の税金

国土交通省の資料では、新車新規登録から一定の年数がたったガソリン車などは、自動車税が重くなる「重課」の対象です。ガソリン車・LPG車は13年超、ディーゼル車は11年超で、登録車は概ね15%、軽自動車は13年を経過すると概ね20%重くなります。

自動車重量税も、13年超と18年超で税額が上がります。財務省の資料では、自家用乗用車の場合、13年未満は1年あたり0.5tごとに4,100円、13年超は5,700円、18年超は6,300円とされています。

年数の区分自動車重量税(自家用乗用車・1年あたり0.5tごと)
13年未満4,100円
13年超5,700円
18年超6,300円

旧車の税金のくわしい話は、旧車の維持費|税・車検・保険・整備で毎年かかるお金にまとめています。

車検の費用も確かめておく

車検(継続検査)の費用は、検査手数料・自動車重量税・自賠責保険料の法定費用と、整備費用などに分かれます。自動車技術総合機構の案内では、整備費用は車の状態やお店によって変わるとされています。

レストア済みの車でも、古い車は車検の前に点検しておきたい所が多くなりがちです。くわしくはレストアした車の車検|通す前に確かめることで紹介しています。

保険で気をつけたいこと

日本損害保険協会の説明では、自家用の普通乗用車などの車両保険は、同じ車種・同じ年式で同じくらいの傷み具合の車を買う時の価格(市場販売価格相当額)で保険金額を決めるのが一般的です。

旧車向けの保険を扱う保険会社もあります。ただ、ある保険会社の旧車向けの商品では、レストアや修理にかけた費用を、そのまま車の価値に足すことはしないと案内されています。

『レストアに大金をかけたのに、保険ではそこまで見てもらえないの?』と驚く方もいますよね。保険の考え方は、旧車・レストア車の保険|車両保険と価値の考え方でくわしく紹介しています。

レストア済みの車のよくある相談

この章について

レストア済みの車や旧車の買い方について、ネットの質問サイトでよく見かける相談を要約して紹介します。

相談1「将来レストアをしたいので、ベース車の中古車を買いたい」

将来は趣味でレストアをしたいので、レストアベースになる中古車を買いたい、という相談です。

自分で直したいならレストアベース、早く乗りたいならレストア済みの中古車、と目的で分けて考えてみてください。レストア中古車を買って、気になる所を少しずつ自分で直していく、という楽しみ方もあります。

相談2「NAロードスターを探しているが、どこで買うのがいい?」

NA型のロードスターを探していて、どこで買うのがいいか、という相談です。予算を抑えて探したい、という声も添えられています。

どこで買う時も、この記事の3点チェックで確かめるのが基本です。NAロードスターは、マツダが復刻パーツの情報を出しているので、買った後の部品の見通しも立てやすい車種の一つです。

NAロードスターを探す方の中には、NAとNBのどちらがいいかで迷う方もいます。どちらが合うかは好みによりますが、マツダのレストアサービスや復刻パーツの対象はNAです。部品の見通しも、選ぶ時の材料の一つにしてみてください。

相談3「旧車のバイクは、どこで手に入れる人が多い?」

旧車のバイクのオーナーに、今の愛車をどう手に入れたかを聞く相談です。旧車専門店、個人売買、知人からの譲り受けなど、答えはさまざまでした。

どの方法にもよいところと気をつけたいところがあります。大事なのは、手に入れた後の整備先まで考えておくことです。

レストア済みの旧車と、毎日の車の分け方

ここでの結論

レストア済みの旧車は、大事に乗りたい1台です。毎日の通勤や買い物は別の車にして、旧車は休日の楽しみにする、という分け方もあります。

せっかくきれいに仕上がった車を、毎日の買い物で傷つけたくないですよね。旧車は部品が手に入りにくいこともあるので、乗る場面を選ぶ人も多いんです。

旧車の乗り方毎日の車の考え方
毎日乗る整備先を近くに確保し、不調の時の足も考えておく
休日だけ乗る毎日の車を別に持つ
イベントや遠出の時だけ毎日の車を別に持ち、旧車は保管を大事にする
レストア済みの旧車を休日の楽しみにして、毎日の車を別に持つ考え方の図解

2台持ちにすると、税金や保険も2台分になります。自動車保険では、1台目の契約が一定の条件を満たすと、2台目を新しく契約する時に7(S)等級から始まる、いわゆるセカンドカー割引の仕組みがあります。条件は保険会社によって違うので、契約先に確かめてみてください。

2台持ちの考え方は、旧車を趣味の車にして2台持ち|毎日の足と分ける考え方でくわしく紹介しています。

旧車一台で楽しむのも、もちろん素敵な選択です。毎日の車は月々定額で持てるカーリースにする、という方法もあるので、自分の暮らしに合うか比べてみてください。

将来、旧車を手放す時の考え方は、旧車・レストア車を売る|買取・下取り・個人売買の違いで紹介しています。

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毎日乗る車は、月々定額のカーリースという選択肢も

旧車は休日の楽しみに回して、通勤や買い物の車は別に持ちたい。レストアの間の足が要る。直すより新しい車に乗り換えたい。そんな時は、税金や車検代をまとめて月々定額で新車に乗れるカーリースも比べてみてください。契約年数・月額に含まれる物・走行距離・途中でやめる時の条件は、申し込む前に公式の案内で確かめておくと安心です。

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料金・契約条件は公式サイトの最新の案内でご確認ください。

よくある質問

レストア済みの中古車は安心して乗れますか?

「レストア済み」には決まった基準が無いので、どこまで直したか、記録が残っているか、その後の整備先があるかを確かめてから判断しましょう。

レストア品とはどういう意味ですか?

古くなった物を直して、元の姿に近づけた物のことです。車に限らず、家具や時計などでも使われます。どこまで直したかは物によって違います。

レストア済みの車を買った後、すぐにキャンセルできますか?

二輪を除く自動車の販売は、訪問販売や電話勧誘販売でもクーリング・オフの規定が適用されません。契約の前に、キャンセルの条件を確かめておきましょう。

レストアにかけた費用は、保険で車の価値として見てもらえますか?

そのまま足されるとは限りません。旧車向けの保険の中には、レストアや修理の費用をそのまま車の価値に加えないと案内している商品もあります。契約前に保険会社に確かめてみてください。

レストア済みの車でも税金は高くなりますか?

登録からの年数で決まるので、レストア済みでも13年を超えたガソリン車などは自動車税の重課の対象です。自動車重量税も13年超・18年超で上がります。

まとめ

この記事の要点
  • 「レストア済み」には決まった基準が無い
  • どこまで直したか・記録が残っているか・その後の整備先の3点で確かめる
  • 二輪を除く自動車の販売はクーリング・オフの対象外
  • メーカーの部品再販がある車種は、買った後の部品の見通しが立てやすい
  • 年式が古ければ、レストア済みでも税金の重課の対象
レストアガイド

レストアガイド 編集部

車・旧車・バイクのレストア(元の姿に戻す再生)について、意味や種類、作業の流れ、費用の考え方、自分でやる時の道具と注意点、ショップの選び方、車検・税金・保険などの手続き、乗り換えや手放し方までを、自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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