旧車を購入してレストアする|購入前のチェックと買い方

旧車を購入してレストアする時の買い方とチェックを紹介する記事のアイキャッチ。ボンネットを開けた旧車とチェックリスト

当サイトの記事は編集部が法令・国土交通省などの公的機関、業界団体やメーカーの公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内に定額カーリースのサービスへの案内(広告)を含みます。

憧れの旧車を手に入れて、自分の手で、あるいはショップと一緒にレストアしてみたい。でも、どんな車を、どこで、どう買えばいいのか分からない方も多いですよね。

結論から言うと、旧車を購入してレストアするなら、最初に「どこまで自分で直すか」を決めて、それに合う買い方を選ぶのがいちばんの近道です。

ここでは、3つの買い方の比べ方と、買う前のチェック、手続きや税金の注意まで順番に見ていきますね。

目次

旧車を買う前に「何をしたいか」を決めよう

先に結論

旧車を買う目的は、すぐ乗りたい、直す過程を楽しみたい、乗りながら少しずつ手を入れたい、の大きく3つです。目的が決まると、選ぶべき車の状態も予算の使い方も変わります。

『とにかく好きな車が欲しい』という気持ちは大切です。ただ、その車でどう過ごしたいかを決めておかないと、買った後に思っていたのと違う、ということも起こります。

例えば、こんな会話を自分の中でしてみてください。

「この車、買ったらすぐに週末のドライブに使いたいな」
「それなら、直す前提の車より、もう走れる状態の車を探したほうがいいかも」

旧車やレストアの基本はレストアとはで紹介しています。言葉の意味から知りたい方は、先に目を通しておくと全体が見えますよ。

「旧車」の決まった定義は無い

実は、「旧車」という言葉に法律上の決まった定義はありません。道路運送車両法などにも、旧車やクラシックカーという言葉の定義は見当たりません。

団体によって基準も違います。FIVAとFIAは「少なくとも30年」を経ていることなどを条件にヒストリックカーを定義しています。日本クラシックカー協会のイベントでは「原則として、1979年までに生産された車及び同型車」が基準とされた例があります。

見方内容出典
法律旧車の定義は無い道路運送車両法など
国際団体少なくとも30年を経ていることなどFIA・FIVA
国内のイベント原則1979年までに生産された車など日本クラシックカー協会

どの基準を使うかより、自分が乗りたい年代の車がどんな状態で売られているかを見るほうが大切です。

3つの買い方を比べてみよう

ここでの結論

旧車の買い方は「レストア済みを買う」「ベース車を買って直す」「動く車を買って少しずつ直す」の3つに分けられます。お金の出方、手に入るまでの時間、自分の手の入れ方がそれぞれ違います。

『どれが一番お得?』と思うかもしれません。ただ、どれが合うかは、お金だけでなく時間と手間のかけ方で変わるんです。

旧車の買い方を、レストア済み・ベース車・動く車の3つで比べた図解
比べる所レストア済みを買うベース車を買って直す動く車を少しずつ直す
買う時のお金大きめ小さめのことが多い中くらい
直すお金買った後は少なめ大きくなりやすい少しずつ出ていく
乗れるまでの時間すぐ長いすぐ乗れることが多い
自分の手の入れ方少ない多い自分のペースで
向いている人すぐ乗りたい直す過程を楽しみたい乗りながら育てたい
気をつけたいことどこまで直したかの記録見えない傷み直す順番の決め方

レストア済みの車を買う

もうレストアが終わった車を買う方法です。買ってすぐに乗れるのが何よりの魅力ですよね。

ただ、レストア済みといっても、どこまで手を入れたかは車ごとに違います。作業の明細や写真が残っているかを確かめましょう。見るポイントはレストア済みの車とはで紹介しています。

ベース車を買って直す

レストアの土台になる車(ベース車)を買って、自分やショップで直す方法です。手に入れる時のお金は抑えやすい一方で、直すお金と時間は大きくなりやすいです。

外から見えない錆や傷みが、分解してから見つかることもあります。ベース車選びの考え方はレストアベースとはでくわしく紹介しています。

動く車を買って、少しずつ直す

今は走れる車を買って、乗りながら気になる所から直していく方法です。乗る楽しみと直す楽しみを両方味わえるので、初めての旧車に選ぶ方も多いはずです。

その代わり、どこから直すかの順番を決めておかないと、あちこち手を出して終わらなくなることも。まずは走る・曲がる・止まるに関わる所から見てもらいましょう。

買うお金と直すお金は、足して比べる

『ベース車なら安く買える』と思いがちですが、比べるべきは車の値段だけではありません。買うお金と直すお金、それに直している間の時間を足して考えるのがコツです。

書き出す項目レストア済みベース車動く車
車の値段
買った後に直すお金の見積もり
登録や車検の手続きのお金
乗れるようになるまでの期間

候補の車ごとにこの表を埋めてみると、見た目の値段の差と、実際にかかるお金の差が違うことに気づくはずです。

自分に合う買い方を選ぶチェック
  • 買ったらすぐ乗りたいか、直す過程を楽しみたいか
  • 自分で作業する時間と場所があるか
  • 買うお金と直すお金を合わせて用意できるか
  • 直している間の毎日の足があるか
  • 相談できるショップや整備工場があるか

旧車を買う前に見ておきたいポイント

ここでの結論

旧車を買う前は、錆、書類、部品の手に入りやすさ、改造の有無の4つを特に見ておきましょう。見た目のきれいさより、見えにくい所に目を向けることが大切です。

『どこを見ればいいか分からない』という方のために、チェックするポイントをまとめました。

錆と下回り

旧車の状態でいちばん気になるのが錆ですよね。床の裏、ドアやトランクの下側、タイヤハウスの内側など、水がたまりやすい所を見ておきましょう。

塗装がきれいでも、下地に錆が残っていることがあります。可能なら、リフトで下回りを見せてもらうと安心です。

リフトで持ち上げた旧車の下回りと、錆の出やすい床の裏

錆の直し方は車の錆のレストアで紹介しています。

買う前に整備工場に見てもらう

旧車は、見た目だけでは状態が分かりにくい車です。自信が無い時は、買う前に整備工場やショップに見てもらうと安心ですよね。

買う前に見てもらう流れ
  1. 売り手に、第三者に見てもらってよいか聞く
  2. 見てもらう整備工場やショップを決める
  3. 錆・エンジン・足回り・ブレーキを中心に見てもらう
  4. 直す所と、おおよその見積もりを出してもらう
  5. 車の値段と直すお金を足して、買うかどうか決める

「この車、買ってから直すとしたら、どこから手を付けますか?」と聞いてみると、直す順番と見積もりの感覚がつかめますよ。

書類と登録の状態

車検証があるか、一時抹消されているか、書類がそろっているかは大事なポイントです。一時抹消された車は、乗るために中古新規登録の手続きが必要になります。

国土交通省の一覧表(令和8年4月1日現在)では、中古新規登録の手数料は窓口1,300円、OSSで750円です。新規検査を持ち込みで受ける場合は、普通自動車2,900円、小型自動車2,800円とされています。

手続きの流れは不動車・抹消した車を登録し直すで紹介しています。

部品が手に入るか

旧車は、部品の手に入りやすさで、レストアの進めやすさが大きく変わります。トヨタの公式の案内では、工場で付ける部品は生産終了から約10年間が目安で、それより短い部品もあるとされています。

一方で、メーカーが旧車向けに部品を復刻している例もあります。トヨタのGRヘリテージパーツ、日産のNISMOヘリテージ、マツダのCLASSIC MAZDAなどです。

メーカーの取り組み対象の車種の例(公式の掲載)
GRヘリテージパーツ(トヨタ)トヨタ2000GT、A70・A80スープラ、AE86、ランドクルーザー40・60・70・80
NISMOヘリテージ(日産)R32・R33・R34型スカイラインGT-R
CLASSIC MAZDA(マツダ)NAロードスター
Hondaヘリテージワークス(ホンダ)初代NSX

くわしくはメーカーの旧車部品の再販・レストアサービスで紹介しています。対象に入らない車は、部品探しの手段を先に考えておきましょう。

改造の有無と車検証の記載

前の持ち主が手を入れている車もあります。国土交通省の案内では、車の長さや幅、原動機の型式などが変わる改造をした時は、構造等変更検査を受けることになっています。

車検証の記載と今の状態が合っているかは、買う前に確かめておきたいところです。改造の手続きはレストアと改造・構造変更で紹介しています。

旧車を買う前のチェック
  • 床の裏やドアの下側に錆や穴がないか
  • 車検証と書類がそろっているか、一時抹消されていないか
  • 必要な部品が手に入りそうか
  • 改造した所と車検証の記載が合っているか
  • 整備の記録や明細が残っているか
旧車を買う前に、錆・書類・部品・改造・記録を確かめるチェックの図解

どこで買う?お店と個人売買の違い

ここでの結論

旧車は、旧車を扱うお店、一般の中古車店、個人売買などで買えます。個人売買は不具合の責任や名義変更を自分たちで決める必要があるので、慣れていないうちはお店で買うほうが安心です。

『個人で買ったほうが安いって聞くけど、本当?』という声もよく聞きますよね。ここは、安さより安心をどう考えるかで答えが変わります。

個人売買で気をつけたいこと

国民生活センターの資料では、個人で売り買いする時の注意が書かれています。契約条件を取り交わしていないと、不具合が出た時の責任や名義変更、代金や税金の未払いでもめることがあるそうです。

車や契約手続きに詳しい人でなければ、お店を通したほうが安心だとも書かれています。個人売買で買うなら、引き渡し後の不具合の扱いと名義変更の日取りを、書面にしておきましょう。

よくある失敗

『現状のままでいいから』と、不具合の扱いを決めずに個人から買ってしまうケースです。書類が足りない、名義変更が進まない、といったことが後から分かると、乗れるまでに時間がかかります。

お店で買う時に見ておきたいこと

旧車を扱うお店は、その車の年代に慣れていることが多いです。納車前にどこまで整備するのか、保証があるのかは、お店ごとに違うので見積もりと説明で確かめましょう。

特定商取引法の決まりでは、四輪の車の販売は、訪問販売や電話勧誘販売であってもクーリング・オフの規定が適用されません。契約書の内容は、サインの前に読んでおきましょう。

お店の選び方はレストアショップ・専門店の選び方で紹介しています。

名義変更と書類

国土交通省の自動車検査登録総合ポータルでは、売買などで名義が変わる時は、譲渡の日から15日以内に申請するとされています。買う側は、発行から3か月以内の印鑑証明書や、地域によっては保管場所の証明書が必要です。

買う側が用意する主な物内容
印鑑証明書発行から3か月以内
保管場所の証明書必要な地域の場合
自動車検査証売る側から受け取る
譲渡証明書・委任状売る側が用意する

買った後にかかるお金も見ておこう

ここでの結論

旧車は、買うお金とレストアのお金のほかに、税金・車検・保険が毎年や2年ごとにかかります。13年を超えた車は税金が重くなるので、買う前に計算に入れておきましょう。

『車の値段だけ用意すれば大丈夫』と思っていると、後から慌てることも。買った後のお金も先に見ておきましょう。

税金は13年超で重くなる

国土交通省の資料では、ガソリン車は新車の登録から13年超で自動車税が概ね15%、軽自動車は13年を経過すると軽自動車税が概ね20%重くなります。重量税も、13年経過・18年経過で段階的に重くなります。

例えば、財務省と日本自動車工業会の資料を見てみましょう。1.5tまでの車の車検2年分の重量税は、13年未満で24,600円、13年経過で34,200円、18年経過で37,800円です。旧車の税金は旧車の税金でくわしく紹介しています。

レストアのお金は「見積もり」で考える

レストアの料金には、公的な相場がありません。参考として、マツダのNAロードスターのレストアサービスの公表例を見てみます。基本メニューが4,510,000円から、全オプション付きのフルレストアが8,360,000円から(税込)とされています。

これはメーカーの1つの公表例で、車の状態によって追加の作業が出ることもあると書かれています。旧車のレストア費用の考え方は旧車のフルレストア費用で紹介しています。

保険は「車の価値」の決め方を確かめる

日本損害保険協会によると、車両保険の金額は、ふつうは同じ車種・同じ年式で同じくらい傷んだ車を買う時の値段を目安に決まります。旧車向けに、車両保険の金額を話し合って決める商品を扱う保険会社もあります。

毎年かかるお金の全体は旧車の維持費でまとめています。

直している間の毎日の車も決めておく

旧車を買ってレストアするなら、直している間や故障した時の移動手段も決めておきましょう。旧車は趣味の車、毎日の車は別に持つ、という分け方もあります。

ベース車を買って直す場合は、乗れるまでに長い時間がかかることもありますよね。動く車を買った場合も、整備で預ける間は車が無くなります。

『レストア中の通勤や買い物はどうしよう』と考えるなら、毎日の車を別に持つ形を検討してみてください。2台持ちの考え方は旧車を趣味の車にして2台持ちで紹介しています。

国民生活センターの説明では、カーリースは税金や点検整備の費用などを月々の料金に含める契約が多く、毎月の支払いがほぼ一定になります。一方で、原則として途中で解約できず、走行距離などの制限もあるので、契約内容をよく読んで選びましょう。

旧車は休日にじっくり育てて、毎日の買い物や通勤は新しい車に任せたい。そんな方は、月々定額で新車に乗れるカーリースも選択肢の1つとして見てみてください。

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毎日乗る車は、月々定額のカーリースという選択肢も

旧車は休日の楽しみに回して、通勤や買い物の車は別に持ちたい。レストアの間の足が要る。直すより新しい車に乗り換えたい。そんな時は、税金や車検代をまとめて月々定額で新車に乗れるカーリースも比べてみてください。契約年数・月額に含まれる物・走行距離・途中でやめる時の条件は、申し込む前に公式の案内で確かめておくと安心です。

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料金・契約条件は公式サイトの最新の案内でご確認ください。

よくある相談:旧車を買う時の迷い

ここでの結論

Q&Aサイトでよく見るのは、走行距離はどこまで気にするか、個人売買で買うべきか、自分で整備できなくても旧車を買っていいか、という相談です。

旧車の購入については、Q&Aサイトでも多くの相談があります。よくあるものを3つ選んで答えてみますね。

相談1:走行距離が多い旧車でも大丈夫?

旧車では、走行距離の数字より、どう整備されてきたかのほうが大事だとよく言われます。距離が少なくても長く放置されていた車は、ゴム部品や燃料の通り道が傷んでいることがあります。

整備の記録が残っているか、エンジンや足回りに手が入っているかを確かめてみてください。分からない時は、買う前に整備工場に見てもらうと安心です。

相談2:旧車は個人売買で買うほうがいい?

個人売買には、持ち主から直接話を聞けるよさがあります。ただ、先ほど見たように、不具合の責任や名義変更を自分たちで決めなければいけません。

『安く買えるなら個人で』と考える前に、書類や引き渡しの段取りまで自分でできるかを考えてみましょう。不安なら、お店で買うほうが安心です。

相談3:自分で整備できないのに、旧車を買ってもいい?

買ってはいけない、ということはありません。整備をお店に任せて旧車を楽しむ方もいます。

大切なのは、相談できるお店を買う前に見つけておくことです。定期的に見てもらえるお店があれば、小さな不調のうちに直しやすくなります。

『家が賃貸で作業する場所が無い』という方も、整備をお店に任せる形なら旧車を楽しめます。近くに無い時の探し方は旧車レストアの店を地域で探すで紹介しています。

よくある質問

旧車を購入してレストアするなら、どの買い方が向いていますか?

すぐ乗りたいならレストア済み、直す過程を楽しみたいならベース車、乗りながら育てたいなら動く車を少しずつ直す形が向いています。自分の時間とお金、作業場所で選んでみてください。

一時抹消された旧車を買っても乗れますか?

中古新規登録の手続きをすれば乗れます。国土交通省の一覧表では、中古新規登録の手数料は窓口1,300円、OSSで750円です(令和8年4月1日現在)。

旧車を買う時、クーリング・オフはできますか?

特定商取引法の決まりでは、四輪の車の販売は、訪問販売や電話勧誘販売であってもクーリング・オフの規定が適用されません。契約書をよく読んでから決めましょう。

旧車を買うと税金は高くなりますか?

13年を超えた車は、自動車税が概ね15%(軽自動車は概ね20%)重くなります。重量税も13年経過・18年経過で重くなるので、買う前に計算に入れておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 旧車を購入してレストアするなら、まず「どこまで自分で直すか」を決める
  • 買い方は、レストア済み・ベース車・動く車を少しずつ直すの3つ
  • 買う前は、錆・書類・部品・改造の4つを特に見ておく
  • 個人売買は、不具合の扱いと名義変更を書面で決めておく
  • 税金は13年超で重くなり、レストアのお金は見積もりで考える
  • 直している間の毎日の足も、買う前に決めておく
レストアガイド

レストアガイド 編集部

車・旧車・バイクのレストア(元の姿に戻す再生)について、意味や種類、作業の流れ、費用の考え方、自分でやる時の道具と注意点、ショップの選び方、車検・税金・保険などの手続き、乗り換えや手放し方までを、自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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