旧車レストアの基礎|始める前に知っておきたいこと

旧車レストアを始める前に知っておきたいことを紹介する記事のアイキャッチ。ガレージで下地処理中の古いクーペ

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いつかは旧車に乗りたい、親の古い車を直したい。そう思っていても、『旧車のレストアって、何から考えればいいの?』と手が止まってしまう方も多いですよね。

結論から言うと、旧車レストアは「車を選ぶ」「直す」「維持する」の3段に分けて考えると、迷いがぐっと減ります。直すことだけでなく、仕上がった後のことまで先に考えておくのがコツなんです。

この記事を読めば、旧車のレストアで段階ごとに決めることと、つまずきやすい所が分かります。

目次

旧車レストアとは?何年からが旧車?

先に結論

旧車レストアとは、古い年式の車を、作られた頃の姿に近づけて直すことです。ただ、「何年たったら旧車」という決まりはひとつではありません。

レストアは、辞書では「元の状態に戻すこと」と説明されています。旧車のレストアは、古くなって傷んだ車を、昔の姿に戻していく作業なんですね。

『じゃあ、旧車って何年前の車のこと?』と気になりますよね。実は、旧車やクラシックカーの年数は、団体ごとに考え方が違うんです。

出典考え方
FIA・FIVA少なくとも30年を経ていて、歴史的に正しい状態で保たれ、日常の移動には使われていない車をヒストリックカーとする
日本クラシックカー協会(JCCA)2019年のイベントの展示資格は、原則として1979年までに生産された車と同型車
道路運送車両法など「旧車」「クラシックカー」という定義の言葉は無い

JCCAの年式は、イベントの展示の条件として示されたものです。どの年式から旧車と呼ぶかは、話す人や場面によって変わると考えておきましょう。

旧車レストアとクラシックカーのレストア

「クラシックカーのレストア」も、旧車レストアとほぼ同じ意味で使われます。どちらも、古い車を当時の姿に戻すことを指していることが多いです。

レストアそのものの意味はレストアとはで、車のレストアの全体像は車のレストアとはで紹介しています。

車に長く乗る人は増えている

自動車検査登録情報協会によると、令和7年3月末の乗用車(軽自動車を除く)の平均車齢は9.44年で、33年続けて高齢化しています。平均車齢は、ナンバーを付けている車が初めて登録されてから何年たったかの平均です。

同じ協会の発表では、乗用車が登録されてから抹消されるまでの平均使用年数は13.35年でした。1台の車と長く付き合う人が多い中で、旧車を直して乗り続けたいと考える方もいるはずです。

旧車レストアは『選ぶ』『直す』『維持する』の3段で考える

3段それぞれで決めることがある

旧車のレストアは、車を選ぶ段階、直す段階、仕上がった後に維持する段階で、それぞれ決めておきたいことがあります。直す段階だけを考えて始めると、あとで困りやすいんです。

旧車のレストアというと、直す作業ばかりに目が行きますよね。でも実際は、直す前と直した後のほうが、長く付き合うことになります。

3段に分けて、それぞれで決めることを表にしてみました。

段階決めることつまずきやすい所
選ぶどの車をレストアするか、どこまで直す前提か錆の進み具合や書類の有無を見落とす
直す自分でやる所と頼む所、部品の探し方、期間部品が見つからず作業が止まる
維持する保管場所、車検、税金、保険、乗る頻度仕上がった後の出費を考えていない
旧車レストアを、車を選ぶ・直す・維持するの3段に分けて、それぞれで決めることを並べた図解

この3つは、順番に考えるだけでなく、行ったり来たりもします。例えば「維持できる予算」から逆に「どこまで直すか」を決める、という考え方もありますよ。

始める前に3段を見渡すチェック
  • レストアしたい車の今の状態を見たか
  • どこまで直したいかを言葉にできるか
  • 部品が手に入りそうか調べたか
  • 作業する場所か、頼むショップの候補があるか
  • 仕上がった後の保管場所と、毎年の出費を考えたか

選ぶ:レストアする旧車を決める時に見ること

見た目より、錆と部品と書類

レストアする旧車を選ぶ時は、塗装のきれいさより、錆の進み具合、部品の手に入りやすさ、書類がそろっているかを先に見ておきましょう。

旧車を探していると、つい見た目のきれいな車に目が行きますよね。ただ、塗装がきれいでも、下に錆が隠れていることもあるんです。

錆の進み具合

旧車のレストアで、手間がかかりやすいのが錆です。表面の錆ならまだしも、床やフレーム、袋になった部分の中まで進んでいると、切って作り直す作業が増えます。

見る時は、床下、ドアの下、タイヤの周り、トランクの中などをのぞいてみてください。気になる所は写真を撮っておくと、あとでショップに相談する時にも役立ちます。

部品の手に入りやすさ

トヨタやマツダの公式の案内では、補修部品の供給は車の生産が終わってから10年前後が目安とされています。つまり、旧車の多くは、メーカーから新品の部品が出にくくなっているんですね。

一方で、メーカーが古い車の部品を復刻して売る取り組みもあります。公式に案内されている主な物を並べてみました。

取り組み公式に案内されている対象の例
トヨタ GRヘリテージパーツトヨタ2000GT、A70・A80スープラ、AE86、ランドクルーザー40・60・70・80
日産 NISMOヘリテージR32・R33・R34型スカイラインGT-R
マツダ CLASSIC MAZDA初代ロードスター(NA)、RX-7(FC・FD)の補修部品
ホンダ Hondaヘリテージワークス初代NSX

対象は一部の車種に限られます。使い方はメーカーの旧車部品の再販・レストアサービスで紹介しています。

書類がそろっているか

旧車の中には、長く使われずに一時抹消登録された車もあります。レストアしたあと公道を走るには、登録をし直す手続きが要ります。

車検証や抹消の書類があるかは、買う前やもらう前に確かめておきましょう。買う時の注意は旧車を買ってレストアするで詳しく紹介しています。

見に行く時のチェック表

旧車を見に行く時は、短い時間でたくさんの所を見ることになります。見る所と、気にしたいことを表にしておきました。

見る所気にしたいこと
床下・ドアの下・タイヤの周り錆で穴が空いていないか、継ぎはぎの跡がないか
エンジンかかるかどうか、オイルや水のもれ
ゴム部品・ホースひび割れや硬くなっていないか
電装ランプやメーターが動くか、配線が傷んでいないか
内装シートの破れ、天井のたるみ、雨もりの跡
書類車検証や抹消の書類があるか

全部が良い車はなかなか見つかりません。どこが傷んでいて、どこなら自分で直せそうかを分けて考えると、選びやすくなりますよ。

詳しい人に一緒に見てもらえると、なお心強いですね。

よくある失敗

「安く手に入ったから」と状態を見ずに決めてしまい、錆や部品探しで作業が長引くことがあります。安く手に入った車ほど、直す手間を先に見積もっておきましょう。

直す:旧車のレストアで先に決めること

どこまで直すかを先に決める

旧車のレストアは、気になる所だけ直す部分レストアから、全部ばらして直すフルレストアまで幅があります。どこまで直すかで、期間も費用も大きく変わります。

『せっかくなら全部きれいにしたい』という気持ち、よく分かります。ただ、全部ばらすと時間もお金もかかるので、まずは目的をはっきりさせておくのがおすすめです。

目的向いている直し方
まずは安全に走れるようにしたいブレーキや足回りなど、安全に関わる所から直す
見た目を当時に近づけたい錆の処理と塗装、めっき部品や内装を直す
長く乗れる状態に一から戻したい全部ばらして直すフルレストア

フルレストアの作業の範囲は、フルレストアとはで詳しく紹介しています。

自分でやる所と頼む所を分ける

旧車のレストアは、全部を自分でやる必要はありません。錆落としや磨きは自分で、溶接や塗装はショップに、という分け方もよくあります。

道路運送車両法では、車の使用者は点検をして、必要に応じて整備をし、安全の基準に合う状態を保つことになっています。ブレーキやハンドルなど走る安全に関わる所は、自信が無ければ整備工場に頼みましょう。

作業の安全も考えておく

自分で作業する時は、塗料や溶剤、スプレー缶を使う場面が出てきます。消費者庁は、スプレー缶を使う時は十分に換気し、火のある場所の近くで使わないよう呼びかけています。

研磨や溶接では、粉じんや煙が出ます。換気をして、手袋やマスク、目を守る道具を使っておきましょう。

古いオイルや部品を捨てる時は、住んでいる自治体の出し方に従います。

廃棄物処理法では、廃棄物をみだりに捨てることも、決められた方法以外で燃やすことも禁じられています。作業場所の安全はレストア作業の安全で詳しく紹介しています。

費用は見積もりで確かめる

旧車レストアの費用は、車の状態と直す範囲でまったく変わります。公的な統計も無いので、「だいたいいくら」と決めつけにくいんです。

ショップに見積もりを頼む時は、作業の範囲と、開けてみて追加になった時の扱いを確かめておきましょう。費用の考え方は旧車のフルレストア費用で紹介しています。

旧車レストアを進める順番
  1. 車の状態を見て、写真に残す
  2. どこまで直すかの目的を決める
  3. 部品が手に入るかを調べる
  4. 自分でやる所と頼む所を分ける
  5. 見積もりで作業の範囲と期間を確かめる

維持する:仕上がった後に考えておくこと

仕上がってからの付き合いのほうが長い

旧車は、レストアが終わってからも、車検や税金、保険、保管場所の手当てが続きます。直す前に、維持できるかどうかも考えておきましょう。

レストアが終わると、つい「ゴールした」と思ってしまいますよね。でも、旧車との付き合いはそこからが本番なんです。

項目旧車で気にしておきたいこと
自動車税新車登録から13年を超えたガソリン車などは、毎年の税額が重くなる
自動車重量税13年超、18年超で、車検の時の税額が上がる
車検装置ごとに、作られた時期に応じた基準で見られる
保険車両保険の金額の決まり方に気をつける
保管雨や湿気を避けられる場所があるか
旧車レストアの後に、税金・車検・保険・保管で考えておきたいことをまとめた図解

税金は年数で重くなる

国土交通省の案内では、新車新規登録から一定の期間を過ぎた自動車は、自動車税が重くなる仕組みがあります。ガソリン車やLPG車は13年超、ディーゼル車は11年超が目安です。

自動車重量税も、財務省の説明では、13年超と18年超の車に別の税率が使われています。ただし東京都では、1945年までに製造された車について、申請すると自動車税の重くなった分を減免する制度があります。

税金の細かい話は旧車の税金で、毎年かかるお金の全体は旧車の維持費で紹介しています。

車検は持ち込みでも受けられる

旧車も、今の車と同じように車検を受けます。整備工場に頼むほか、自分で検査場に持ち込むユーザー車検という方法もあります。

国土交通省の案内では、登録車の検査の予約は受検日の2週間前から受け付けています。点検整備をして、自分でできない所は整備工場に頼み、その分の記録簿を作ってもらう流れです。

エンジンを別の型式の物に載せ替えるなど、車の内容が変わる改造をした時は、構造等変更検査が要ります。レストアした車の車検の話はレストアした車の車検で紹介しています。

保険は「価値の決まり方」に気をつける

日本損害保険協会によると、自家用の乗用車の車両保険の金額は、同じ車種・同じ年式で同じくらいの状態の車を買う時の価格をもとに決めるのが基本です。旧車は、この価格の見方が難しいことがあるんです。

旧車向けに、購入した金額や市場の価格から車両保険の金額を決める商品を扱う保険会社もあります。

ただ、レストアにかけた費用がそのまま車の価値に足されるとは限りません。詳しくは旧車・レストア車の保険で紹介しています。

保管場所と乗り方

せっかくレストアした旧車も、雨ざらしの場所に置いておくと、錆がまた出てきやすくなります。屋根のある場所か、カバーをかけられる場所を考えておきたいですね。

一方で、長く動かさないままにするのも、ゴム部品やバッテリーにはよくありません。

ときどきエンジンをかけて少し走らせるなど、乗り方も決めておきましょう。仕上がった後の付き合い方はレストア後の乗り方と保管で紹介しています。

毎日の車は別にする考え方も

旧車は、毎日の通勤や買い物にたくさん使うと、傷みも進みやすくなります。仕上がった旧車は休日の楽しみにして、毎日の移動は別の車に任せる人もいます。

「せっかく直したから、大事に乗りたいね」
「普段の買い物は、別の車にしようか」

こんなふうに使い分けを考えておくと、旧車を長く楽しみやすくなりますよ。

もちろん、旧車1台を大切に乗り続けるのも、すてきな選び方です。そのうえで、毎日の車をどうするか迷った時は、月々定額で新車に乗れるカーリースという方法も知っておくと、選べる幅が広がります。

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毎日乗る車は、月々定額のカーリースという選択肢も

旧車は休日の楽しみに回して、通勤や買い物の車は別に持ちたい。レストアの間の足が要る。直すより新しい車に乗り換えたい。そんな時は、税金や車検代をまとめて月々定額で新車に乗れるカーリースも比べてみてください。契約年数・月額に含まれる物・走行距離・途中でやめる時の条件は、申し込む前に公式の案内で確かめておくと安心です。

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料金・契約条件は公式サイトの最新の案内でご確認ください。

旧車レストアについてよくある相談

この章について

旧車のレストアについて、ネットの質問サイトでよく見かける相談を、内容を要約して紹介します。

相談1「親が昔乗っていた古い車、レストアにどのくらいかかる?」

親が若い頃に乗っていた、何十年も前の車をレストアして、もう一度乗ってもらいたいという相談です。このまま朽ちていくのを待つか、直すか迷っているそうです。

結論から言うと、金額は車の状態と直す範囲しだいで、見てもらわないと分かりません。まずは旧車を扱うショップに車を見てもらい、「動くようにするまで」と「見た目まで戻す」の2通りで見積もりを頼むと比べやすいですよ。

その時は、こんなことも一緒に聞いておくと安心です。

「部品が見つからない所は、どうやって直しますか」
「作業中に別の傷みが見つかったら、どう連絡をもらえますか」

相談2「若いうちから旧車に乗りたい。今から何をすればいい?」

まだ若く、社会人になったばかりだけれど、旧車に興味があって将来乗りたいという相談です。

おすすめは、まず興味のある車の部品がどのくらい手に入るかを調べることです。あわせて、維持にかかるお金を知っておくと、いつ頃どんな車に手が届きそうかの見通しが立てやすくなります。

旧車のイベントや、旧車を扱うショップの話を聞いてみるのもいい方法です。実際の車を見ると、錆の出やすい所や手入れの大変さが分かってきます。

『まだ早いかな…』と思う必要はありません。お金を貯めながら、工具を少しずつそろえたり、身近な車の簡単な手入れをしてみたりするだけでも、いざ旧車を手に入れた時の助けになりますよ。

相談3「旧車を自分で直せる人は、専門の学校を出ているの?」

旧車をレストアしたり、プロに近い整備ができたりする人は、専門の学校を出たり、整備の仕事をしていたりするのか、という疑問です。

そういう人もいますが、趣味で少しずつ覚えてきた人も多いです。最初は錆落としや部品の交換など、小さな作業から始めて、道具と手順に少しずつ慣れていけば大丈夫なんです。

旧車レストアを学び始める時のヒント
  • 自分の車の整備の本や資料を手に入れる
  • 外す前に写真を撮り、外した部品に印を付ける
  • 小さな部品の掃除や交換から始める
  • 溶接や塗装は、まずショップに任せてみる

よくある質問

旧車は何年たった車のことですか?

ひとつに決まった年数はありません。FIA・FIVAは少なくとも30年を経た車をヒストリックカーとしていますが、法律には旧車の定義はありません。

旧車レストアとクラシックカーのレストアは違いますか?

ほぼ同じ意味で使われることが多いです。どちらも、古い年式の車を作られた頃の姿に近づけて直すことを指します。

旧車の部品はどうやって探せばいいですか?

中古部品を探す、作り直す、別の車の部品を使う、メーカーの復刻部品を探すなどの方法があります。メーカーの復刻部品は対象の車種が限られます。

旧車は税金が高くなりますか?

新車登録から13年を超えたガソリン車などは、自動車税が重くなる仕組みがあります。自動車重量税も、13年超と18年超で税率が変わります。

旧車レストアは自分でもできますか?

錆落としや部品の交換など、自分でできる作業もあります。溶接や塗装、走る安全に関わる所は、自信が無ければショップや整備工場に頼みましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 旧車レストアは、古い車を作られた頃の姿に近づけて直すこと
  • 旧車の年数は団体ごとに違い、法律に定義は無い
  • 「選ぶ」「直す」「維持する」の3段に分けて考えると迷いにくい
  • 選ぶ時は、錆と部品と書類を先に見る
  • 直す前に、どこまで直すかの目的を決める
  • 仕上がった後の税金・車検・保険・保管も先に考えておく
レストアガイド

レストアガイド 編集部

車・旧車・バイクのレストア(元の姿に戻す再生)について、意味や種類、作業の流れ、費用の考え方、自分でやる時の道具と注意点、ショップの選び方、車検・税金・保険などの手続き、乗り換えや手放し方までを、自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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