車のレストアとは?修理との違いとできること

車のレストアとは何か、修理との違いとできることを紹介する記事のアイキャッチ。下地処理をした古い車

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古い車を直して乗り続けたいけれど、『車のレストアって、普通の修理と何が違うの?』と迷っている方も多いですよね。

結論から言うと、車のレストアは「壊れた所を直す」だけでなく、作られた頃の姿に近づけることを目指す作業です。まず「見た目・走り・安全のどこを直したいか」を決めると、話がぐっと進めやすくなります。

この記事では、車のレストアでできることと、自分でやる範囲・頼む範囲の考え方が分かります。

目次

車のレストアとは?修理との違い

先に結論

車のレストアとは、古くなって傷んだ自動車を、元の状態に戻すことです。修理が「使えるようにする」のに対して、レストアは「作られた頃の姿に近づける」ことを目指します。

レストアという言葉は、辞書では「元の状態に戻すこと」と説明されています。特に、古くなって傷んだ自動車や家具を直す場面で使われる言葉なんです。

車のレストアは、カーレストアや自動車のレストアと呼ばれることもあります。短く「車レストア」と書かれることもありますが、呼び方は違っても中身は同じと考えて大丈夫ですよ。

修理とレストアの違いを例で見る

例えば、錆びて穴が空いたドアの下の部分を考えてみましょう。修理なら、穴をふさいで水が入らないようにすれば十分です。

レストアなら、錆びた所を切り取り、元と同じ形の鉄板で作り直して、当時の色で塗るところまで考えます。ゴールの置き方が違うんですね。

比べること修理車のレストア
目指すところ使える状態に戻す作られた頃の姿に近づける
部品の選び方今手に入る部品でよい当時と同じ形の部品を探す
直す範囲壊れた所だけ気になる所から車全体まで
かかる時間短いことが多い長くなりやすい

『じゃあ、レストアって大がかりな物だけのこと?』と思うかもしれません。実は、錆びたバンパーを当時の姿に直すだけでも、レストアと呼ばれることがあるんです。

レストアの言葉そのものの意味は、レストアとはで詳しく紹介しています。

古い車に長く乗る人は増えている

自動車検査登録情報協会の統計では、令和7年3月末の乗用車(軽自動車を除く)の平均車齢は9.44年です。33年続けて高齢化していると発表されています。

平均車齢は、ナンバーを付けている車が初めて登録されてから何年たったかの平均です。車に長く乗る人が増えている中で、レストアに関心を持つ方も多いはずです。

『見た目』『走り』『安全』のどこを直す?

直したい所を3つに分けると考えやすい

車のレストアは、見た目(外装・内装)、走り(エンジンなどの機械)、安全(ブレーキ・足回り・灯火)の3つに分けると、何から手をつけるかが決めやすくなります。

車のレストアと聞くと、ピカピカに塗り直した車を思い浮かべる方が多いですよね。でも実際は、見た目だけでなく、走りや安全に関わる所も直します。

どこを直すかで、修理やカスタムとの違いも変わってきます。3つに分けて表にしてみました。

直す所修理だとレストアだとカスタムだと
見た目(塗装・ボディ・内装)傷やへこみを目立たなくする当時の色や形、素材に近づける好みの色や形に変える
走り(エンジン・変速機・燃料系)動かない所を直す当時の調子に戻す性能を上げる部品に替える
安全(ブレーキ・足回り・灯火)傷んだ部品を替える当時の形を保ちつつ確実に直す好みの部品に替える
車のレストアで直す所を、見た目・走り・安全の3つに分けて、修理やカスタムとの違いを示した図解

カスタムは、辞書では「注文によって特別な装備をした自動車」と説明されています。好みに合わせて変えるのがカスタム、元に戻すのがレストアと覚えておくと分かりやすいですよ。

見た目のレストア

見た目のレストアは、錆の処理、へこみの板金、塗装、内装の張り替えなどです。車のレストアの中でも、一番イメージしやすいところですね。

車の見た目のレストアの一例として、錆を落として下地を整えた古い車のドアパネル

ボディの錆は、表面だけでなく裏側まで進んでいることがあります。錆の直し方は車の錆のレストア、ボディ全体の直し方はボディのレストアで紹介しています。

見た目のレストアには、ほかにもこんな作業があります。

  • シートや天井、ハンドルなど内装の張り替え
  • バンパーやモールなど、めっき部品の磨き直しや再めっき
  • ドアや窓まわりのゴム部品の交換
  • ヘッドライトのくもりや黄ばみの手入れ

内装の直し方は内装のレストア、めっき部品はメッキパーツのレストアで紹介しています。

走りのレストア

走りのレストアは、エンジンや変速機、燃料の通り道などを直す作業です。長く動かしていない車では、ゴムの部品やホースが硬くなっていることも多いです。

エンジンを分解して中まで整える作業は、オーバーホールと呼ばれます。分解して点検や修理をすることを指す言葉です。

例えば、長く眠っていた車のエンジンをいきなりかけると、古い燃料や固まったオイルが中を傷めることがあります。動かす前に、燃料やオイル、ゴムのホースの状態を見るところから始めるのが安心です。

エンジンの見極め方はエンジンのレストア・オーバーホールで詳しく紹介しています。

安全のレストア

安全に関わるのは、ブレーキ、足回り、ハンドル、ランプなどです。ここは見た目より先に見ておきたい所なんです。

安全に関わる所古い車で気になりやすいこと
ブレーキホースやゴム部品の傷み、効き具合
足回りショックアブソーバーやブッシュの傷み
ハンドルガタつきや、まっすぐ走るか
ランプ類点くか、明るさは足りるか
タイヤひび割れ、古くなったゴム

どれも、車検に通るかどうかにも関わってきます。直す順番の考え方は足回り・ブレーキのレストアで紹介しています。

よくある失敗

塗装や内装にお金と時間をかけた後で、ブレーキや足回りの直しが必要だと分かることがあります。走る安全に関わる所から先に状態を見ておきましょう。

車のレストアでできること・難しいこと

部品が手に入るかで、できることが変わる

車のレストアでは、部品が手に入るかどうかが大きな分かれ目です。部品が無い時は、作り直す・別の車から取る・メーカーの再販を探すなどの方法を考えます。

『古い車でも、お金と時間をかければ何でも直せるんでしょ?』と思うかもしれません。ただ、実際には部品の手に入りやすさで、できることが変わってきます。

メーカーの部品の供給について、各社の公式の案内を見てみましょう。

メーカー補修部品の供給の目安(公式の案内)
トヨタ一律の年数は決まっていない。工場で付ける部品は生産終了から約10年が目安で、短い部品もある
マツダ車の生産終了から10年前後が目安。部品によっては短いものもある
SUBARU車にもよるが、7〜10年を目安に生産。在庫があれば購入できる

つまり、作られてから時間がたった車ほど、メーカーから新品の部品が出にくくなりやすいんですね。

メーカーが古い車の部品を出していることも

一方で、メーカーが古い車の部品を復刻して売る取り組みもあります。トヨタのGRヘリテージパーツ、日産のNISMOヘリテージ、マツダのCLASSIC MAZDA、ホンダのHondaヘリテージワークスなどです。

対象は一部の車種に限られます。使い方はメーカーの旧車部品の再販・レストアサービスで紹介しています。

部品が無い時に考える方法

メーカーから部品が出ない時は、ほかの方法を組み合わせて考えます。よく使われるのは次のような方法です。

方法中身気をつけたいこと
中古部品を探す部品屋や個人売買で、同じ部品を探す状態を写真や現物で確かめる
作り直す職人に同じ形の部品を作ってもらう時間がかかりやすい
別の車の部品を使う形や寸法が合う部品を流用する当時の姿からは離れることもある
メーカーの再販を探す復刻された純正部品を買う対象の車種が限られる

ひとつ気をつけたいのが、廃車になった車から自分で部品を外すことです。環境省の案内では、使用済みの自動車から部品を取り外すには、個人でも都道府県知事などの解体業の許可が要るとされています。

部品探しの詳しいコツはレストア部品の探し方で紹介しています。

手続きが関わることもある

レストアで元の姿に戻すだけなら、特別な手続きは要らないことが多いです。ただ、国土交通省の案内では、原動機の型式や車の長さ・幅・高さなどが変わる改造をした時は、構造等変更検査を受けることになっています。

また、保安基準には、作られた時期によって適用を分ける仕組みがあります。古い車をレストアして車検に出す時は、どの基準が当てはまるか検査場や整備工場で確かめてみてください。

レストアを頼む前に確かめておきたいこと
  • 直したい所が見た目・走り・安全のどれか
  • その車の部品が手に入りそうか
  • エンジンの載せ替えなど、手続きが関わる作業があるか
  • 作業の期間と、その間の移動手段
  • 予算の上限をどこに置くか

自分でやる?ショップに頼む?

自分でやる所と頼む所を分ける

車のレストアは、全部を自分でやるか、全部をショップに任せるかの二択ではありません。「ここだけはお店に」と分けて考えると進めやすくなります。

自分で直したい気持ちもあれば、ショップに任せたい気持ちもありますよね。それぞれの向き不向きを比べてみましょう。

比べること自分でやるショップに頼む
楽しみ方作業そのものを楽しめる仕上がった車に乗るのを楽しめる
時間自分のペースで進められる自分の時間をかけずに済む
道具そろえる必要がある溶接や塗装など道具が要る作業も任せられる
分かること車のことが深く分かる作業の中身を説明してもらえる

道路運送車両法では、車の使用者は点検をして、必要に応じて整備をし、安全の基準に合う状態を保つことになっています。国土交通省の資料では、エンジンやブレーキを外す整備で認証が要るのは、整備を事業として行う場合と書かれています。

自分でできる範囲と始め方は車のレストアを自分でやるで紹介しています。ブレーキやハンドルなど走る安全に関わる所は、自信が無ければ整備工場に頼みましょう。

自分でやる時の安全

塗装や錆取りでは、塗料や溶剤、スプレー缶を使います。消費者庁は、スプレー缶を使う時は十分に換気し、火の近くで使わないよう呼びかけています。

研磨や溶接では、粉じんや煙も出ます。換気をして、手袋やマスク、目を守る道具を使っておきましょう。

作業の記録を残しておく

道路運送車両法では、使用者が特定整備をした時は、点検整備記録簿に整備の内容や終わった日などを書くことになっています。自分でやる場合も、何をしたかを残しておきましょう。

作業前と作業後の写真を残しておくと、あとで見返す時にも、車を手放す時にも役に立ちますよ。残し方はレストアの記録の残し方で紹介しています。

ショップに頼む時の流れ

ショップに頼む時は、相談、車の状態の確認、見積もり、作業、納車という流れが多いです。どこまで直すかで、期間も費用も大きく変わります。

流れの詳しい中身は車のレストアの流れ、お金の考え方は車のレストア費用で紹介しています。料金や作業の範囲は店によって違うので、見積もりと説明で確かめてみてください。

車のレストアを頼むまでの流れ
  1. 直したい所を見た目・走り・安全に分けて書き出す
  2. 車の今の状態を写真で残しておく
  3. ショップに相談して、車を見てもらう
  4. 見積もりで作業の範囲と期間を確かめる
  5. 作業の間の移動手段を決めておく
車のレストアをショップに頼むまでの流れを、直したい所の書き出しから移動手段を決めるまで順に並べた図解

車のレストアについてよくある相談

この章について

車のレストアについて、ネットの質問サイトでよく見かける相談を、内容を要約して紹介します。

相談1「レストアするなら、そのお金で新車を買えばいいのでは?」

車のレストアにお金をかけるくらいなら、新車を買ったほうがいいのでは、という疑問です。周りからそう言われた経験がある方もいるかもしれませんね。

レストアをする人の多くは、その車でなければいけない理由を持っています。思い出のある車だったり、今は作られていない形や乗り味が好きだったりするんです。

一方で、毎日の移動の道具としてだけ車を見るなら、新しい車に乗り換えるほうが合う場合もあります。

どちらが正しいではなく、車に何を求めるかで答えが変わるんですね。迷った時の考え方はレストアするか乗り換えるかで紹介しています。

相談2「親が昔乗っていた車が、長年外に置かれている」

親が昔乗っていた車が、何十年も屋外に置かれたままになっている、という相談です。もう一度動かしてあげたいという気持ち、すてきですよね。

長く外に置かれた車は、ボディの裏側やフレームの錆、ゴム部品の傷みが進んでいることが多いです。まずはショップに車を見てもらい、どこまで直せそうかを聞いてみるのがおすすめです。

『見てもらうだけでも、何を聞けばいいか分からない…』という方もいますよね。こんなふうに聞いてみると話が進みやすいですよ。

「動くようにするには、どこを直す必要がありますか」
「見た目まで戻すなら、どのくらいの期間がかかりそうですか」

ナンバーを外して長く置いていた場合は、登録をし直す手続きも要ります。長く眠っていた車の話は不動車のレストアで詳しく紹介しています。

相談3「車のレストアは、全部の部品を新品にすること?」

車のレストアは、すべての部品を一から作り直して新品にするのか、という疑問です。

答えは「そうとは限らない」です。

使える部品は磨いたり整えたりして残し、傷んだ物だけ交換することが多いんです。古い車の保存に取り組む国際団体のFIVAも、レストアは「必要なだけ手を入れ、できるだけ少なく」が原則だとしています。

例えば、まだ使えるメーターやスイッチは掃除して残し、ひび割れたゴムや錆びたボルトだけ新しくする、といった考え方です。元の部品が残っているほど、その車らしさも残りやすいんですね。

毎日の車をどうするかも考えておく

レストアの間の移動手段も決めておく

車のレストアは、思ったより期間が長くなることがあります。直している間の通勤や買い物をどうするかも、始める前に考えておきたいところです。

レストアする車が毎日使う車だと、作業の間は乗れなくなります。全部ばらして直す場合は、なおさら長くかかりやすいですよね。

「直している間、通勤はどうしよう」
「古い車は休日に乗って、毎日の車は別にしたら?」

こんな会話になるご家庭も多いはずです。古い車は大切な趣味の車にして、毎日の移動は別の車に任せるという考え方もあります。

2台に分けると、古い車は天気のいい日だけ乗る、雨の日や遠出は新しい車にする、という使い分けができます。

古い車の走る距離が減るので、傷みを抑えやすいのもうれしいところです。2台持ちの考え方は旧車を趣味の車にして2台持ちで紹介しています。

毎日の車を考える時のポイント
  • レストアの期間はどのくらいになりそうか
  • 家族も同じ車を使うか
  • 駐車場は2台分あるか
  • 毎月の出費をどこまでにしたいか

もちろん、1台の車をレストアしながら大切に乗り続けるのも、立派な選び方です。そのうえで、毎日の車をどうするか迷った時は、月々定額で新車に乗れるカーリースという方法も知っておくと、選べる幅が広がりますよ。

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毎日乗る車は、月々定額のカーリースという選択肢も

旧車は休日の楽しみに回して、通勤や買い物の車は別に持ちたい。レストアの間の足が要る。直すより新しい車に乗り換えたい。そんな時は、税金や車検代をまとめて月々定額で新車に乗れるカーリースも比べてみてください。契約年数・月額に含まれる物・走行距離・途中でやめる時の条件は、申し込む前に公式の案内で確かめておくと安心です。

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よくある質問

車のレストアとは何ですか?

古くなって傷んだ自動車を、作られた頃の姿に近づけて直すことです。見た目だけでなく、エンジンなどの走りや、ブレーキなどの安全に関わる所も直します。

車のレストアと修理の違いは何ですか?

修理は壊れた所を使える状態にすることです。レストアは、当時の色や形、部品に近づけることを目指す点が違います。

カーレストアと自動車のレストアは違う物ですか?

同じ物と考えて大丈夫です。車のレストアを、カーレストアや自動車のレストアと呼ぶこともあります。

車のレストアは自分でもできますか?

錆取りや部品交換など、自分でできる作業もあります。ブレーキやハンドルなど走る安全に関わる所は、自信が無ければ整備工場に頼みましょう。

部品が手に入らない車でもレストアできますか?

部品を作り直す、別の車から取る、メーカーの復刻部品を探すなどの方法があります。どこまでできるかは車によって違うので、ショップに相談してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 車のレストアは、古くなった車を作られた頃の姿に近づけて直すこと
  • 修理は使えるように直すこと、カスタムは好みに合わせて変えること
  • 直す所は見た目・走り・安全の3つに分けると考えやすい
  • 部品が手に入るかで、できることが変わる
  • 自分でやる所と、ショップに頼む所を分けて考える
  • レストアの間の移動手段も、始める前に決めておく
レストアガイド

レストアガイド 編集部

車・旧車・バイクのレストア(元の姿に戻す再生)について、意味や種類、作業の流れ、費用の考え方、自分でやる時の道具と注意点、ショップの選び方、車検・税金・保険などの手続き、乗り換えや手放し方までを、自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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