不動車のレストア|長く眠っていた車を動かす前に

不動車のレストアを、動かす前の確認から紹介する記事のアイキャッチ。車庫で長く眠っていた古い車

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実家の車庫で長く眠っていた車や、譲ってもらえそうな古い車を見つけると、『これ、もう一度走らせられないかな』と考えてしまいますよね。

結論から言うと、不動車のレストアで一番大事なのは、いきなりエンジンをかけないことです。眠っていた期間に合わせて燃料・オイル・ブレーキ・タイヤを確かめ、同時に書類と登録の状態を調べる。

この2つを先にやっておけば、無駄な出費や手戻りを減らせます。

この記事を読めば、不動車を動かす前の確かめ方と、手続きの進め方、直せる車かどうかの見分け方が分かります。

目次

不動車のレストアは「動かす前」で決まる

先に結論

不動車は、外から見た印象より、中の傷みのほうが大事です。どれだけ眠っていたか、どこに置かれていたかで、確かめる所も直す範囲も変わります。

不動車とは、長い間動かしていなかったり、エンジンがかからなかったりして、自分では走れない車のことです。ガレージで大事にしまわれていた車もあれば、屋外で雨ざらしになっていた車もあります。

草むらなどに長く置かれたままの車は、趣味の人の間で「草ヒロ」と呼ばれることもあります。草ヒロのレストアや、ボロボロの車のレストアに挑む人の動画を見て、気になっている方も多いはずです。

置かれていた場所によって、傷み方の傾向をまとめてみました。

置かれていた場所傷みやすい所まず見たい所
屋根と壁のあるガレージ燃料やオイル、ゴム部品の劣化燃料の通り道、ブレーキ、タイヤ
屋根だけの車庫や軒下上記に加えて、湿気による錆床や足回りの付け根の錆
屋外(雨ざらし)錆、室内の雨漏り、動物の巣床の穴、骨格の錆、配線
草むらや土の上(草ヒロ)下回りの錆、骨格の腐り、部品の欠け骨格が残っているか、書類があるか

同じ年数眠っていた車でも、ガレージの中と草むらとでは、状態はまるで違うんです。

レストアそのものの意味から知りたい方は、レストアとはから読んでみてください。

「動かない理由」を分けて考える

不動車が動かない理由は、1つとは限りません。燃料が古くなって詰まっている、バッテリーが上がっている、ブレーキが固まっているなど、いくつかが重なっていることが多いです。

『エンジンさえかかれば何とかなる』と思いがちですが、走る、曲がる、止まるの全部がそろって初めて、車として使えるようになります。

見つけたら最初にやっておきたいこと

家族の車庫で眠っていた車なら、まずは家族に車の話を聞いてみてください。いつ頃まで乗っていたか、なぜ乗らなくなったかが分かると、傷んでいそうな所の見当がつきます。

「最後に乗ったのはいつ頃?」
「止めた時、どこか調子が悪かった?」

こんなひと言から、書類のありかや、昔の整備の記録が見つかることもあります。あわせて、今の姿を写真に撮っておくと、あとで直した所を説明する時にも役立ちますよ。

眠っていた期間ごとに見る所を変える

眠っていた期間が長いほど、見る所が増える

数か月なら点検で済むことも、何年も眠っていた車では、燃料の通り道やブレーキを一度ばらして確かめる必要が出てきます。

眠っていた期間ごとに、動かす前に見ておきたい所を表にしてみました。期間の区切りは、考えるための目安です。

見る所数か月眠っていた車数年眠っていた車10年以上眠っていた車
燃料古い燃料が残っていないか見るタンクと燃料の通り道の汚れや詰まりを確かめるタンクの錆や、通り道の部品の劣化を前提に点検する
オイル・冷却水量と汚れを見る入れ替えを考える入れ替えに加え、にじみや部品の劣化を確かめる
ブレーキ効きを低い速度で確かめる固着がないか、液の状態を確かめるブレーキ全体の分解点検を考える
タイヤ空気の減りを見るひびや変形を確かめる交換を前提に考える
バッテリー・配線充電の状態を見るバッテリーの交換と配線の傷みを確かめる配線の劣化や動物のかじった跡を確かめる
眠っていた期間ごとに、燃料・オイル・ブレーキ・タイヤ・配線の見る所が増えていく様子を、時間の流れに沿って並べた図解

この表の右に行くほど、自分だけで判断するのは難しくなります。何年も眠っていた車は、一度ショップや整備工場に見てもらうのがおすすめです。

燃料とオイルを先に疑う

長く眠っていた車で特に気をつけたいのが、燃料です。古くなった燃料はタンクや通り道に残り、詰まりや傷みのもとになることがあります。

オイルや冷却水も同じで、量だけでなく、色やにおい、にじみも見ておきたいところです。エンジンの中の状態が心配な時は、エンジンのレストア・オーバーホールも参考になります。

ブレーキとタイヤは「止まれるか」の問題

ブレーキが固まっていると、そもそも車を押して動かすことも難しくなります。反対に、動いたのに止まれない、というのは一番避けたい状態です。

タイヤは、見た目に溝が残っていても、長く置かれるとゴムが硬くなったり、ひびが入ったりします。走らせる前に、交換するかどうかを考えておきましょう。

バイクの不動車の場合

眠っていたのがバイクの場合も、燃料やブレーキ、タイヤを先に確かめる考え方は同じです。ただ、手続きの窓口は排気量で変わります。

バイクの区分手続きの窓口
小型二輪(251cc以上)運輸支局など(検査あり)
軽二輪(126cc〜250cc)運輸支局など(届出)
原動機付自転車(125cc以下)市区町村

バイクの手続きは不動バイクを公道に戻す手続きで詳しく紹介しています。

いきなりエンジンをかけない、動かす前の手順

いきなりかけるのは避けたい

長く眠っていた車のエンジンを、確かめないままかけると、中の傷みを広げてしまうことがあります。燃料のもれや配線の傷みがあると、火の気の心配も出てきます。

不動車を動かす前の手順を、順番に並べてみました。自分でやる場合も、ショップに頼む場合も、大まかな流れは同じです。

不動車を動かす前の手順
  1. 車の周りと下をのぞいて、もれや動物の巣がないか見る
  2. 書類を探し、登録や車検の状態を確かめる
  3. 燃料、オイル、冷却水の量と状態を見る
  4. ブレーキとタイヤが使える状態か確かめる
  5. バッテリーと配線の傷みを確かめる
  6. 準備ができてから、エンジンをかけて様子を見る
長く眠っていた古い車のボンネットを開けて、作業手袋の手元でエンジンルームを確かめている様子

燃料を扱う時は、換気のよい所で、火の気を遠ざけて作業してください。抜いた古い燃料やオイルは、自分で燃やしたり捨てたりしないでおきましょう。

廃棄物処理法では「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」と定めていて、決められた方法以外での焼却も禁じられています。廃油の出し方は自治体ごとに違います。

例えば岡山市は、液体のままの廃油は市で収集できないため、販売店か取扱店に相談するよう案内しています。

自分でやるか、頼むかの分かれ目

不動車の点検は、どこまで自分でやるかで迷いますよね。目安を比べてみました。

自分で始めやすいこと
  • 周りと下回りの見回り
  • 書類と登録の状態の確認
  • オイルや冷却水の量の確認
ショップに任せたいこと
  • 燃料タンクや通り道の掃除と修理
  • ブレーキの分解と点検
  • 骨格の錆の診断と補修

ブレーキやハンドルなど走る安全に関わる所は、自信が無ければ整備工場に任せてください。安全な作業の基本はレストア作業の安全で紹介しています。

作業する場所も整えておく

不動車は自分で動けないので、置かれている場所でそのまま点検することも多いですよね。暗くて狭い車庫だと、見落としやけがのもとになります。

明かりを用意し、扉や窓を開けて風を通し、周りに燃えやすい物を置かないようにしておきましょう。錆落としや塗装まで進める時は、保護具も用意しておくと安心です。

作業場所の考え方はレストアの作業場所で紹介しています。

書類と手続きを先に確かめる

車より先に書類を探す

不動車は、書類と登録の状態によって、再び公道を走るまでの手続きが変わります。直し始める前に確かめておくと、あとで困りません。

長く眠っていた車は、車検が切れているだけなのか、一時抹消登録をしてあるのかで、手続きが違ってきます。まずは車検証や、抹消の時の書類を探してみてください。

車の状態公道を走るまでに必要なこと
登録したまま、車検が切れている点検と整備をして、検査を受ける
一時抹消登録をしてある中古新規登録と新規検査を受ける
軽自動車で使用を中止してある軽自動車検査協会で中古車の新規検査を受ける
書類が見つからない管轄の運輸支局などに、今の登録の状態を相談する

道路運送車両法では、車を運行に使うのをやめた時に、一時抹消登録の申請ができるとされています。なお、整備や改造のために車をばらすことは、永久抹消登録が必要になる「解体」からは除かれています。

再び登録する時の流れは、不動車・抹消した車を登録し直すで詳しく紹介しています。

検査場まで運ぶ時の仮ナンバー

車検が切れた車や、抹消した車を検査場まで走らせる時は、仮ナンバー(臨時運行許可)を受ける方法があります。道路運送車両法では、許可の期間は原則として5日を超えないこととされています。

許可は市区町村などが行います。例えば横浜市の案内では、申請の時に紙の自賠責保険の証明書を見せる必要があり、許可の期間は5日以内の必要な最少の日数とされています。

窓口ごとに決まりがあるので、事前に確かめておきましょう。

古い車を譲ってもらう時

知り合いの家に眠っていた車を譲ってもらう時は、持ち主の許可をもらい、名義の手続きを済ませることが前提です。放置されている車を見つけても、持ち主の許可なく持ち帰ることはできません。

国土交通省の案内では、名義を変える移転登録は、譲り受けた日から15日以内に管轄の運輸支局などで申請することになっています。譲渡証明書や印鑑証明書など、旧所有者に用意してもらう書類もあるので、話がまとまった段階で確かめておきましょう。

ナンバーが付いたまま眠っていた車

ナンバーが付いたままの車でも、車検が切れていれば、そのまま公道を走らせることはできません。道路運送車両法では、車検の切れた車を走らせることは罰則の対象になっています。

『近所まで少し動かすだけなら』と思っても、まずは車検証で有効期間を確かめてみてください。切れていれば、積載車で運ぶか、仮ナンバーを受けて走らせる方法を考えましょう。

ボロボロの車はレストアできる?見分け方

骨格と部品で考える

ボロボロに見える車でも、骨格がしっかりしていて部品が手に入るなら、レストアできることがあります。反対に、骨格まで腐っている車は、手間も期間も大きく膨らみます。

『こんなにボロボロでも直せるの?』というのは、不動車を前にした時に一番気になるところですよね。見分ける時は、見た目の汚れや塗装より、骨格と部品の手に入りやすさを見てみてください。

レストアの難しさを見分けるチェック
  • 床や骨格に、穴があくほどの錆が広がっていないか
  • 足回りやエンジンの取り付け部分が腐っていないか
  • 欠けている部品がどのくらいあるか
  • 欠けた部品が、純正や復刻、中古で手に入りそうか
  • 車検証などの書類がそろっているか

部品については、トヨタやマツダの公式な案内で、補修用の部品の供給は車の生産が終わってからおおむね10年ほどが目安とされています。一方で、メーカーが古い車の部品を復刻して売る取り組みもあるので、対象の車なら部品の見通しが立てやすいこともあります。

ベースになる車の見方は、レストアベースとはでも紹介しています。

直す範囲を先に決める

見分けたあとは、どこまで直すかを決めます。気になる所だけ直す部分レストアで走れるようにするのか、全部ばらして直すフルレストアにするのかで、期間も手間も大きく変わります。

長く眠っていた車は、ばらしてみて初めて分かる傷みも多いです。まずは診断をしてもらい、直す所の一覧を作ってから範囲を決めると、あとで慌てずに済みます。

フルレストアの範囲はフルレストアとはで紹介しています。

部品取り車を自分でばらす時の注意

レストアの部品を取るために、もう1台の車を手に入れる人もいます。

ただ、環境省の案内では、使い終えた車から部品を取り外すには許可が要るとされています。個人で行う場合でも、都道府県知事などから解体業の許可を受けることが必要です。

部品取りを考えている時は、中古部品として売られている物を探すか、許可のある業者に相談してみてください。

直すか、手放すか、乗り換えるか

見分けてみた結果、『思ったより大がかりになりそう』と感じることもあるはずです。直すと決めても、仕上がるまでには長い時間がかかることが多いです。

その間の毎日の足をどうするか、そもそも直すか乗り換えるかは、早めに考えておくと気持ちが楽になります。迷った時の考え方はレストアするか乗り換えるかで紹介しています。

眠っていた車はじっくり直して、毎日の移動は月々定額で新車に乗れるカーリースに任せる、という選び方もあります。

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毎日乗る車は、月々定額のカーリースという選択肢も

旧車は休日の楽しみに回して、通勤や買い物の車は別に持ちたい。レストアの間の足が要る。直すより新しい車に乗り換えたい。そんな時は、税金や車検代をまとめて月々定額で新車に乗れるカーリースも比べてみてください。契約年数・月額に含まれる物・走行距離・途中でやめる時の条件は、申し込む前に公式の案内で確かめておくと安心です。

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料金・契約条件は公式サイトの最新の案内でご確認ください。

不動車や草ヒロのレストアについてよくある相談

この章について

不動車や草ヒロのレストアについて、ネットの質問サイトでよく見かける相談を、内容を要約して紹介します。

相談1「レストアできる草ヒロと、できない草ヒロの見分け方は?」

草むらに放置された車をレストアする人がいるけれど、直せる車体と直せない車体はどう見分けるのか、という相談です。

一番の分かれ目は、骨格と床が残っているかどうかです。外板の錆や塗装の傷みは直せても、骨格まで腐っていると、作り直す範囲が大きく広がります。

あわせて、書類があるか、持ち主が分かるかも大事です。どれだけ車体がよくても、手続きができなければ公道には戻せません。

見に行く時は、下回りを照らせる明かりを持っていき、床や骨格の付け根を写真に撮っておくと、あとでショップに相談する時の材料になります。

相談2「草ヒロを譲ってもらうには、何の手続きが要る?」

草ヒロをレストアするのにどのくらいお金がかかるのか、譲ってもらうには何か手続きが要るのか、という相談です。

費用は、車の状態と直す範囲で大きく変わるので、まずは見てもらって見積もりを取るのが近道です。手続きは、持ち主の許可をもらったうえで、登録の状態に合わせて名義の変更や、再び登録する手続きを進めます。

書類が無い車は、まず管轄の運輸支局などで、今どんな状態になっているかを相談してみてください。

相談3「素人がネットで調べながらでもレストアできる?」

屋内で何年か眠っていた車を、素人がネットで調べながらレストアできるのか、という相談です。

屋内で保管されていた車なら、錆が少なく、始めやすいことも多いです。まずは周りの見回りや書類の確認、オイルの量の確認など、できる所から手をつけてみてください。

ただ、燃料の通り道やブレーキの分解は、慣れないうちは整備工場に任せたほうが安心です。始め方は車のレストアを自分でやるで紹介しています。

「ここまでは自分で、ここからはお願いしたい」と分けて相談すれば、引き受けてくれる整備工場も見つけやすくなりますよ。

よくある質問

不動車は、まずエンジンをかけてみてもいいですか?

長く眠っていた車は、燃料やオイルの状態を確かめずにエンジンをかけると、中の傷みを広げることがあります。まず周りの見回り、燃料とオイル、ブレーキとタイヤの確認から始めてみてください。

草ヒロは勝手に持ち帰ってもいいですか?

放置されている車でも、持ち主の許可なく持ち帰ることはできません。持ち主に許可をもらったうえで、名義や登録の手続きを進めましょう。

書類が無い不動車でもレストアできますか?

車を直すこと自体はできますが、公道を走らせるには登録の手続きが必要です。今どんな状態になっているかを、管轄の運輸支局などで相談してみてください。

抹消してある車を検査場まで運ぶにはどうすればいいですか?

仮ナンバー(臨時運行許可)を受けて走らせる方法があります。道路運送車両法では、許可の期間は原則5日を超えないこととされています。窓口は市区町村などです。

ボロボロの車でもレストアできますか?

骨格と床がしっかりしていて、部品が手に入るなら、レストアできることがあります。骨格まで腐っている場合は、手間と期間が大きく膨らむので、ショップに見てもらってから決めるのがおすすめです。

まとめ

この記事の要点
  • 不動車のレストアは、いきなりエンジンをかけず、動かす前の確認から始める
  • 眠っていた期間が長いほど、燃料・オイル・ブレーキ・タイヤで見る所が増える
  • 書類と登録の状態で、公道に戻るまでの手続きが変わる
  • 草ヒロやボロボロの車は、骨格と部品の手に入りやすさで見分ける
  • 部品取りのために車を自分でばらすには、解体業の許可が要るとされている
レストアガイド

レストアガイド 編集部

車・旧車・バイクのレストア(元の姿に戻す再生)について、意味や種類、作業の流れ、費用の考え方、自分でやる時の道具と注意点、ショップの選び方、車検・税金・保険などの手続き、乗り換えや手放し方までを、自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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