レストア作業の安全|塗料・溶剤・粉じんと廃油の捨て方

レストア作業の安全を紹介する記事のアイキャッチ。作業台に並んだマスクや保護めがねと消火器

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レストアを自分で始めると、塗料のにおいや削りかす、交換した古いオイルなど、気になることが次々に出てきますよね。

結論から言うと、レストア作業の安全は「換気」「保護具」「火気」「捨て方」の4つを押さえれば大きく外しません。危ない場面はだいたい決まっているので、先に知っておけば落ち着いて作業できます。

この記事では、場面ごとの注意点と、廃油や古い部品の捨て方で迷った時にどこへ確かめればいいかが分かります。

目次

レストア作業で危ない場面は4つに分けられる

先に結論

危ない場面は「塗装・溶剤」「研磨の粉じん」「ジャッキアップ」「廃油・部品の捨て方」の4つです。今日の作業がどれに当たるかを、始める前に確かめておきましょう。

レストアの作業は、分解、錆落とし、塗装、組み立てと、毎回内容が変わります。だからこそ、気をつけることも作業ごとに変わるんです。

『安全って言われても、何から気をつければいいの?』と思いますよね。まずは次の表で、今日の作業がどこに当たるかを見てみてください。

場面主な作業気をつけること用意したい物
塗装・溶剤スプレー塗装、脱脂、塗料のはがし換気、火気から離す防毒マスク、手袋、消火器
研磨の粉じんサンダーでの錆落とし、パテ研ぎ、溶接粉じんを吸わない、目を守る防じんマスク、保護めがね
ジャッキアップ下回りの作業、足回りの分解車を確実に支える車を支える台、輪止め
廃油・部品の捨て方オイル交換、古い部品の処分流さない、燃やさない廃油の処理箱、袋
レストア作業で危ない場面を、塗装・溶剤、研磨の粉じん、ジャッキアップ、廃油・部品の捨て方に分けたチェック表の図解

作業場所の選び方は、レストアの作業場所|ガレージ・借りる場所と近所への気配りで紹介しています。

塗装・溶剤は「換気」と「火気」がすべて

ここでの結論

塗料やシンナー、脱脂剤のにおいは、吸い込まないことと、火の近くで使わないことが基本です。閉め切った車庫で吹き付けるのは避けましょう。

塗装や脱脂に使う溶剤は、においが強いだけでなく、燃えやすい物も多いです。

仕事として塗装をする場合は、有機溶剤中毒予防規則で、事業者に排気の設備などを設けることが定められています。個人の作業には直接かからない決まりですが、それだけ気をつけたい作業だということなんです。

消費者庁も、スプレー缶の事故として、使った時に吸い込んで息が苦しくなった例や、捨てる時に火の近くで穴を開けて引火した例を挙げています。

塗装の前に確かめたいこと
  • 窓や扉を開けて、風が抜けるようにしてあるか
  • ストーブや給湯器など、火の出る物が近くに無いか
  • 防毒マスクと手袋、保護めがねを用意したか
  • スプレーは説明書どおりの距離と時間で吹いているか
  • 使い終わった布や紙を、ふたつきの缶などにまとめているか

消費者庁の注意喚起は「8月に多いスプレー缶によるやけどや皮膚障害に注意」で読めます。換気をして、決められた噴射の時間と距離を守ることが呼びかけられています。

マスクは作業に合わせて使い分ける

『マスクなら何でも同じでしょ?』と思う方も多いはずです。実は、粉を防ぐマスクと、溶剤のにおいを防ぐマスクは別物なんです。

塗装や脱脂の日は防毒マスク、研磨の日は防じんマスクと、作業の内容で選んでみてください。どちらも、顔にすき間なく当たっているかを着けるたびに確かめておくと安心です。

塗料のにおいは近所にも届く

塗料に含まれる揮発性有機化合物は、大気汚染防止法でも、日常生活での排出を抑えるよう誰もが努めることとされています。

「におい、けっこう外まで出てるよ」
「えっ、窓を開けてたから大丈夫だと思ってた」

こんなことにならないよう、風向きや時間帯も気にかけておきましょう。全塗装を考えている方は、全塗装(オールペン)とレストアも読んでみてください。

研磨の粉じんと溶接は「吸わない」「目を守る」

ここでの結論

サンダーで錆を落とす時や、パテを削る時は、細かい粉が舞います。防じんマスクと保護めがねを着けて、作業の後は掃除までしておきましょう。

錆落としは、レストアの中でもいちばん長くかかる作業の一つですよね。ずっと続けていると、気づかないうちに粉を吸っていることもあるんです。

仕事として金属を研磨したり、アーク溶接をしたりする場所は、粉じん障害防止規則の対象になっています。また令和3年4月1日からは、溶接で出る煙(溶接ヒューム)も、事業者が換気や保護具で対策する物として決められました。

個人の作業に直接かかる決まりではありません。ただ、仕事の現場でこれだけ対策しているということは、趣味の作業でも同じように気をつけたいところです。

研磨の作業の流れ
  1. 防じんマスク、保護めがね、手袋、長袖を着ける
  2. まわりの物にシートをかけ、燃えやすい物を片づける
  3. 風下に人がいないか確かめてから削り始める
  4. 作業が終わったら、粉を掃き集めてからシートを外す
  5. 作業着は家の洗濯物と分けて洗う

錆の落とし方や、錆転換剤の使い分けは車の錆(サビ)のレストアでまとめています。

よくある失敗

溶接の火花やサンダーの火花が、近くに置いたシンナーや布に飛ぶこと。研磨や溶接の日は、溶剤を作業場所の外に出しておきましょう。

ジャッキアップは「支えてから潜る」

ここでの結論

ジャッキは車を持ち上げる道具で、支えておく道具ではありません。持ち上げたら車を支える台に載せ、揺すって確かめてから下に入りましょう。

下回りの錆を見たり、足回りを外したりする時は、車を持ち上げる必要がありますよね。ここが、レストアでいちばん気をつけたい場面なんです。

『ちょっと見るだけだから』と、ジャッキだけで持ち上げて潜りたくなる気持ちは分かります。ただ、ほんの少しの作業でも、支える台に載せるのが基本です。

ジャッキアップの前に確かめたいこと
  • 平らで固い地面か、砂利や傾いた場所ではないか
  • 持ち上げない側のタイヤに輪止めをしたか
  • ジャッキをかける位置が、車の決められた場所か
  • 支える台に載せてから、車を軽く揺すって確かめたか
  • 下に入る時に、だれかに声をかけておいたか

下回りの作業で慌てないために

車の下での作業は、体の自由がききにくいですよね。工具を取りに何度も出入りすると、それだけ車を揺らしてしまいます。

使う工具は、潜る前に手の届く所へまとめておきましょう。外したボルトを入れる皿を用意しておくと、組み立ての時にも困りません。

場面やっておきたいこと
持ち上げる前地面と輪止め、ジャッキをかける位置を確かめる
支える台に載せた後車を軽く揺すって、ぐらつきが無いか見る
下に入る前工具とボルト入れを手元にそろえる
作業が終わった後台を外す前に、工具を車の下に置き忘れていないか見る

古い車は、ジャッキをかける場所が錆で弱っていることもあります。かける前に、その場所の鉄板がしっかりしているかを見ておきましょう。

ブレーキやハンドルまわりなど、走る安全に関わる所の分解は、自信が無ければ整備工場に頼んでみてください。

廃油や古い部品の捨て方

ここでの結論

廃油は流さない、燃やさない、が基本です。出し方は自治体ごとに違うので、住んでいる市区町村の案内か、オイルを買った店に確かめましょう。

オイル交換を自分でやると、廃油の捨て方で迷いますよね。『自治体で回収しているなんて聞いたことがない…』という声もよく聞きます。

廃棄物処理法では、誰であっても廃棄物をみだりに捨ててはならず、決められた方法以外で燃やしてもいけないとされています。どちらも違反すると、拘禁刑や罰金という重い罰則があるんです。

廃油の捨て方は「固めて出す」か「店に相談」

自治体の例として、岡山市は液体のままの廃油は市では集められないので、販売店や取扱店に相談するよう案内しています。吸着マットや吸収剤で固めた物は、可燃ごみに出せるとしています。

ただ、これはあくまで一つの市の例です。出し方は自治体ごとに違うので、住んでいる市区町村の案内を確かめてみてください。

捨てる物まず確かめる所やってはいけないこと
エンジンオイルなどの廃油市区町村の案内、オイルを買った店排水口や地面に流す
廃油をふいた布市区町村の案内火の近くに積んでおく
使い終わったスプレー缶市区町村の案内火の近くで穴を開ける
古いバッテリーやタイヤ市区町村の案内、買った店空き地に置いていく
外した金属部品市区町村の案内燃えるごみに混ぜる
廃油や古い部品の捨て方を、確かめる所とやってはいけないことで示した図解

部品取りの車には許可が要る

使わなくなった車から部品を外して使おうと考える方もいますよね。環境省の案内では、使い終わった自動車から部品を外すには、個人で行う場合でも都道府県知事などから解体業の許可を受けることが必要とされています。

部品取りを考えている時は、まず引取業者や解体業者に相談してみましょう。

レストア作業の安全でよくある相談

この章について

ネットの質問サイトで閲覧の多い、廃油の捨て方の相談を要約して紹介します。

相談1「自治体で廃油を回収していない。どう捨てればいい?」

いちばん閲覧の多い相談です。多くの自治体では、液体のままの廃油はごみとして集めていません。

市販の廃油の処理箱に吸わせて、自治体の案内どおりに出すか、オイルを買った店に相談するのが近道です。

相談2「ガソリンスタンドに廃油を頼んだら断られる?」

引き取ってくれるかどうかは、店によって違います。持ち込む前に電話で聞いておくと、無駄足になりません。

『オイル交換のついでなら引き取ってもらえるかも』と思う方もいるはずです。オイルを買う時に、廃油の扱いもあわせて聞いておくと安心ですよ。

相談3「廃油の処理箱に、ガソリンと灯油も一緒に入れていい?」

ガソリンは燃えやすく、エンジンオイルとは扱いが違います。処理箱の説明書で、入れていい物を確かめてみてください。分からない時は、買った店や自治体に聞くのが確実です。

相談4「廃油をふいた雑巾はどう捨てる?」

油の付いた布は、まとめて置いておくと熱がこもることがあります。自治体の案内に沿って出すまでは、火の近くを避けて置いておきましょう。

安全に続けるために、毎日の車と分けて考える

ここでの結論

安全に作業するには、急がないことがいちばんです。毎日の移動に困らない状態を作っておくと、焦らずに作業を進められます。

『早く仕上げないと、通勤に使えない…』という状態だと、つい作業を急いでしまいますよね。疲れている日に無理をするのが、いちばん危ないんです。

旧車は休日の趣味の車にして、毎日の買い物や通勤の車は別に持つという考え方もあります。もちろん、少しずつ手を入れながら乗り続けるのも立派な選び方です。

そのうえで、毎日の車を月々定額で持てるカーリースという方法もあるので、比べてみてください。

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毎日乗る車は、月々定額のカーリースという選択肢も

旧車は休日の楽しみに回して、通勤や買い物の車は別に持ちたい。レストアの間の足が要る。直すより新しい車に乗り換えたい。そんな時は、税金や車検代をまとめて月々定額で新車に乗れるカーリースも比べてみてください。契約年数・月額に含まれる物・走行距離・途中でやめる時の条件は、申し込む前に公式の案内で確かめておくと安心です。

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料金・契約条件は公式サイトの最新の案内でご確認ください。

よくある質問

自宅の車庫でスプレー塗装をしても大丈夫ですか?

閉め切った車庫での吹き付けは避けましょう。扉を開けて風が抜けるようにし、火の出る物を遠ざけ、防毒マスクと手袋を着けて作業してみてください。

廃油の捨て方が分かりません。

液体のままの廃油は、多くの自治体でごみとして集めていません。処理箱で固めて自治体の案内どおりに出すか、オイルを買った店に相談してみてください。

錆落としの時のマスクは何を選べばいいですか?

研磨の粉には防じんマスク、塗装の溶剤には防毒マスクと、作業で使い分けるのが基本です。保護めがねも一緒に着けておきましょう。

ジャッキだけで車の下に入ってもいいですか?

ジャッキは持ち上げる道具なので、支える台に載せてから下に入りましょう。揺すって確かめてから潜るのが基本です。

まとめ

この記事の要点
  • 危ない場面は塗装・溶剤、研磨の粉じん、ジャッキアップ、捨て方の4つ
  • 塗装は換気と火気から離すことが基本
  • 研磨や溶接は防じんマスクと保護めがねで、作業後の掃除まで
  • ジャッキアップは支える台に載せてから下に入る
  • 廃油は流さず燃やさず、自治体の案内か買った店に確かめる
レストアガイド

レストアガイド 編集部

車・旧車・バイクのレストア(元の姿に戻す再生)について、意味や種類、作業の流れ、費用の考え方、自分でやる時の道具と注意点、ショップの選び方、車検・税金・保険などの手続き、乗り換えや手放し方までを、自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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