レストアの仕事|レストア職人・技術者になるには

レストアの仕事とレストア技術者になる道を紹介する記事のアイキャッチ。整備工場で下地処理をした古い車に向かう作業者の後ろ姿

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古い車やバイクを直す仕事に、憧れている方も多いはずです。でも、『レストアの技術者になるには、何から始めればいいの?』と聞かれると、すぐには答えにくいですよね。

結論から言うと、レストア技術者になる道は大きく「整備士から」「板金塗装から」「専門店で修業」の3つです。レストアという名前の公的な資格は見当たらないので、どの入り口から技術を積むかを決めるのが最初の一歩なんです。

この記事では、3つのルートの違いと、関係する資格や決まり、求人や副業の考え方をお伝えしますね。

目次

レストアの仕事とは?どんな作業をしているの?

先に結論

レストアの仕事は、古い車やバイクを分解して、傷んだ所を直し、元の姿に近づけて組み直す仕事です。一人で全部をこなす人もいれば、分野ごとに分かれて働く人もいます。

デジタル大辞泉では、レストアは「古くなって傷んだ自動車や家具などを修復すること」と説明されています。

ひとくちにレストアの仕事といっても、中身はいくつもの作業の組み合わせです。お店や工場によって、どこまでを自分たちで行うかも違います。

作業の分野主な中身近い仕事
機械の整備エンジン、足回り、ブレーキ、電装の分解と組み立て自動車整備
板金・溶接錆びた鉄板の切り継ぎ、へこみの修正板金
塗装下地づくり、塗装、磨き塗装
内装シートや天井の張り替え内装の張り替え
めっき・部品加工めっきの再加工、部品の作り直し専門の加工業者
部品探し・段取り部品の手配、作業の順番と期間の管理お店の店長や工場長
レストアの仕事を、機械の整備・板金と溶接・塗装・内装・部品加工・段取りの分野に分けて示した図解

一人でなんでもできる人は多くない

動画などでは、一人で全部の作業をこなしているように見えることもありますよね。でも実際には、得意な分野を軸にして、苦手な所は外の業者と組んで仕事をする人も多いんです。

『全部できないと、レストアの仕事には就けないのかな』と心配する必要はありません。まずは一つの分野で腕を磨くのが、遠回りに見えて近道ですよ。

メーカーもレストアに取り組んでいる

レストアは、町の専門店だけの仕事ではありません。マツダはNAロードスターのレストアサービスを、ホンダは初代NSXのレストアサービスを公式に案内しています。

ホンダの案内では、施工工場は「Hondaヘリテージワークス高根沢」とされています。古い車を大事に直す仕事は、メーカーも取り組んでいる分野なんです。

レストアという言葉の基本は、レストアとはで紹介しています。

レストア技術者になるには?3つのルートを比べる

ここが大事なところです

レストア技術者への入り口は、「整備士から」「板金塗装から」「専門店で修業」の3つに分けて考えると選びやすくなります。どれが正解ということはなく、自分の興味と今の状況で選びましょう。

3つのルートを、身につく技術と向いている人で比べてみました。

ルート最初に身につくこと向いている人気をつけたいこと
整備士からエンジンや足回りなど機械の整備機械いじりが好き、資格を取りたい新しい車の整備が中心の職場も多い
板金塗装から鉄板の修正、溶接、塗装手作業で形を整えるのが好き塗料や粉じんへの対策が要る
専門店で修業古い車ならではの直し方、部品探し最初から古い車に関わりたい募集が少なく、見つけにくいこともある
レストア技術者になる3つのルートを、整備士から・板金塗装から・専門店で修業に分け、身につくことと向いている人を比べた図解

整備士からのルート

整備の仕事から入ると、エンジンやブレーキなど、車が走る仕組みを基本から学べます。古い車も、走る・曲がる・止まるの仕組みは同じなので、ここで身につけた知識は長く役立ちます。

ただ、整備の職場は新しい車の点検や車検が中心のことも多いです。古い車に触れる機会があるかは、職場ごとに違うので面接で聞いてみてください。

「古い車の整備に関わる機会はありますか?」
「お客さまの持ち込みで、たまに入ってきますよ」

こんなふうに聞いておくと、入ってからのずれを減らせますよ。

板金塗装からのルート

錆びた車体を直すレストアでは、板金と塗装の腕が欠かせません。錆で穴が開いた所を切り取り、新しい鉄板を溶接してつなぐ作業は、レストアの見せ場の一つですよね。

錆びた鉄板を切り継ぐために、新しい鉄板の形を整えている板金作業の手元の写真。板金塗装からのルートで身につく技術を示す

板金塗装の現場では、塗料や研磨の粉じんへの対策が法律で決められています。作業の安全を学べるのも、このルートのよいところです。車体の直し方はボディのレストアで紹介しています。

専門店で修業するルート

古い車やバイクを扱う専門店で働くと、最初から古い車ならではの直し方に触れられます。部品が無い時の工夫や、元の姿を調べる方法など、ほかではなかなか学べないことも多いんです。

ただ、専門店は小さなお店も多く、募集が出ることは多くありません。気になるお店があれば、イベントや店頭で話を聞いてみるのも一つの方法です。どんなお店があるかは、レストアショップ・専門店の選び方も参考になりますよ。

どのルートか迷った時の決め方

『3つとも気になって、決めきれない』という方もいますよね。そんな時は、次の問いに答えてみてください。

ルートを決める問い
  • 一番わくわくするのは、エンジンを直す時か、車体の形を整える時か
  • 資格を取って、どこでも通じる腕を持ちたいか
  • 古い車やバイクに、今すぐ毎日触れたいか
  • 住んでいる地域に、古い車を扱う職場があるか
  • 働きながら学ぶか、先に学校で学ぶか

答えが一つに絞れなくても大丈夫です。整備から入って板金も覚える、板金の職場から専門店に移る、というように、途中でルートが重なる人も多いんです。

関係する資格と、知っておきたい決まり

先に結論

レストアそのものの公的な資格は見当たりませんが、整備や塗装の仕事には関係する資格や決まりがあります。特に、整備を事業として行う時の認証と、作業の安全の決まりは知っておきましょう。

『資格がないと、レストアの仕事はできないの?』と気になる方もいますよね。働く立場と、お店を開く立場で、関わる決まりが変わってきます。

項目中身関わる場面
整備士の資格車の整備の知識と技術を示す資格整備の仕事に就く、腕を示す
自動車検査員指定工場で選ばれ、検査に合っているかを確かめる人車検を行う指定工場で働く
特定整備の認証整備を事業として行う事業場が受ける認証お店や工場を開く
塗装・研磨・溶接の安全の決まり換気や保護具、作業の管理板金塗装の現場で働く
解体業の許可使用済みの車から部品を外す時の許可部品取りを行う

整備士の資格

整備の仕事では、整備士の資格を持っていると腕を示しやすくなります。資格の種類や受け方、受験の条件は、国の公的な案内で最新の情報を確かめてみてください。

働きながら資格を取れる職場もあります。求人を見る時は、資格を取る支えがあるかも確かめておくと安心です。

整備を事業にする時の認証

道路運送車両法では、自動車特定整備事業を経営しようとする者は、事業場ごとに地方運輸局長の認証を受けなければならない、とされています。

特定整備は、エンジンやブレーキなどを取り外して行う分解整備に、カメラやレーダーなどの電子制御装置の整備を加えたものです。令和2年4月から、今の名前の制度になりました。決まりの詳しい中身は特定整備と認証工場の基本で紹介しています。

作業の安全の決まり

塗装や研磨、溶接の現場では、働く人を守る決まりがあります。有機溶剤中毒予防規則は、事業者が働く人に塗装などをさせる時、換気の設備を設けることを求めています。

溶接で出る煙も、令和3年4月1日から特定化学物質として規制の対象になりました。作業主任者の選任は令和4年4月1日から、マスクの合い具合を確かめるフィットテストは令和5年4月1日から始まっています。

部品取りにも決まりがある

環境省の案内では、使用済みの車から再利用する部品を外すには、個人で行う場合でも都道府県知事等から解体業の許可を受けることが必要とされています。部品取りの車を扱う仕事を考えている方は、覚えておきましょう。

レストアの求人とスクールの探し方

先に結論

レストアの求人は数が多くないので、「レストア」という言葉だけで探すと見つかりにくいことがあります。整備や板金、塗装の求人も広く見て、古い車に関われるかを確かめるのがコツです。

旧車レストアの求人を探していても、なかなか見つからないという声はよく聞きます。小さなお店が多く、知り合いのつながりで人を探すこともあるからなんです。

求人を見る時に確かめたいこと
  • 古い車やバイクを扱う仕事がどのくらいあるか
  • 整備、板金、塗装のうち、どの作業を担当するか
  • 資格を取るための支えがあるか
  • 塗装や溶接の現場で、換気や保護具がそろっているか
  • 未経験から教えてもらえるか

『未経験だと、応募しても相手にされないかも』と不安になりますよね。ただ、古い車への興味や、自分で直した経験を具体的に話せると、熱意は伝わりやすいものです。

「自分のバイクのキャブレターを分解して直したことがあります」
「どこが一番苦労しましたか?」

面接でこんなやりとりができると、話が広がりやすいですよ。

レストアのスクールや学校で学ぶ

整備や板金塗装を学べる学校や、短い期間の講座で基本を身につける人もいます。レストアのスクールという名前の講座も、探すと見つかることがあります。

学校や講座を選ぶ時は、何を学べて、どんな道具や設備を使えるかを確かめてみてください。

学ぶ場所を選ぶ順番
  1. 整備・板金・塗装のうち、どの技術を身につけたいかを決める
  2. 学校や講座で学べる中身と、実習の時間を確かめる
  3. 使える道具や設備、作業場の安全の準備を見学で確かめる
  4. 資格の取得につながるかを確かめる
  5. 卒業した人がどんな仕事に就いているかを聞く

学ぶ場所は、入り口の一つにすぎません。学んだ後に、実際の車やバイクに触れる時間をどれだけ持てるかが、腕を上げるうえで大事になります。

仕事に就いてから腕を磨くコツ

職場に入った後も、レストアの腕は少しずつ積み上げていくものです。先輩の作業を見て覚えることも多いので、分からない所はその場で聞いてみましょう。

自分の車やバイクで、休日に小さな作業を試してみるのもおすすめです。作業の前後を写真に残しておくと、自分がどこでつまずいたかを振り返りやすくなりますよ。

腕が上がってくると、「この作業は任せたい」と言われる場面も増えていきます。得意な分野が一つできると、そこから次の分野にも広げやすくなるんです。

レストアは儲かる?副業や事業として考える時

先に結論

レストアが儲かるかどうかを示す公的なデータは見当たりません。1台に時間がかかり、部品探しにも手間がかかる仕事なので、好きなことを長く続けるための計画が大事になります。

『レストアって儲かるの?』という疑問は、とても多いですよね。結論から言うと、儲かるかどうかは、どの作業を受けて、どう値段をつけるかで大きく変わります。

レストアは、1台に何か月もかかることがあります。分解してから傷みが見つかり、作業が増えることも珍しくありません。手間に見合った値段をつけられるかが、事業として続けられるかの分かれ目なんです。

バイクレストアの副業は?

平日は会社で働き、休日に古いバイクを直して売る、という副業を考える人もいます。バイクのレストアは儲かるのか、という相談もよく見かけます。

ただ、仕入れた中古品を直して売る形の副業は、法律上の許可が関わる場合があります。始める前に、公的な窓口で確かめておきましょう。

副業の形気をつけたいこと
自分のバイクを直して売る売る時の書類と、売った後の不具合の相談のしかたを決めておく
古いバイクを仕入れて直して売る中古品の売り買いに関わる許可が要るかを確かめる
人のバイクを預かって直す整備を事業として行う時の決まりを確かめる
部品を磨いて売る部品取りの元になる車の扱いに許可が要る場合がある

レストアを事業にする時に考えたいこと

レストアの事業を始める時は、作業場所と、廃油や古い部品の捨て方も大事になります。廃棄物処理法では「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」とされていて、違反には重い罰則があります。

事業として続けるために、先に決めておきたいことを並べてみました。

決めておくこと中身の例
受ける作業の範囲整備だけか、板金や塗装まで受けるか
外に頼む作業めっきや内装など、どこに頼むか
値段の決め方一式で出すか、作業ごとに出すか
追加の時の連絡分解後に傷みが見つかった時の伝え方
作業場所と片付け換気や火の気への備え、廃油の出し方
好きだけで始めない

レストアの事業は、腕だけでなく、お金と時間の計画が要ります。作業が長引いた時の連絡や、追加の費用の決め方をお客さまと先に決めておかないと、トラブルにもなりかねません。

古い車は、まだまだ大事に乗られています。自動車検査登録情報協会によると、令和7年3月末の乗用車(軽自動車を除く)の平均車齢は9.44年で、33年連続で高齢化しています。古い車と付き合う人を支える仕事として、レストアに関わる道を考えてみてください。

よくある相談:未経験・就活・副業の悩み

相談の多いテーマ

レストアの仕事についてよく見かけるのは、「未経験から業界に入れるか」「修理やレストアの技術を仕事にしたい」「休日に直して売る副業はどうか」という悩みです。

30代後半・未経験で整備や板金の業界は無謀?

資格も経験も無いまま、30代後半で整備や板金、塗装の業界に入るのは無謀か、という相談があります。

無謀と決めつける必要はありません。まずは見習いとして受け入れてくれる職場を探し、働きながら資格を目指す道もあります。体力や手先の感覚など、自分の向き不向きを短い期間でも試してから決めると安心です。

修理やレストアの技術を身につけたい就活生

もうすぐ就活が始まるけれど、修理やレストアの技術を身につけられる仕事に就きたい、という相談もあります。

この場合は、「何を直したいか」をはっきりさせるのが先です。車なのか、バイクなのか、ほかの乗り物なのかで、入る業界が変わります。その分野の整備や修理の仕事から入り、古い物に触れる機会を増やしていくのがおすすめです。

休日に不動のバイクを直して売りたい

平日は会社員として働き、休日に不動のバイクを直してネットで売りたい、という相談も多いです。

楽しみながら腕も磨ける形ですが、先ほどお伝えしたとおり、売り方によっては許可が関わる場合があります。作業場所や、出た廃油の捨て方も含めて、始める前に整えておきましょう。不動のバイクを公道に戻す手続きは、不動バイクのレストアと再登録で紹介しています。

家族がバイクにお金をかけすぎて心配

家族がバイクの趣味にお金や時間をかけていて心配だ、という相談もあります。趣味を副業にしたいと言われた時は、収入の見込みと使えるお金を、家族で一緒に書き出してみるのがおすすめです。

レストアを仕事や副業にすると、休みの日も車やバイクに向き合う時間が増えます。家族の毎日の移動をどうするかも、あわせて考えておきたいところですよね。

仕事の車や趣味の車は手元で直しつつ、家族が毎日使う車は月々定額で新車に乗れるカーリースに任せる、という分け方を選ぶ人もいます。

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毎日乗る車は、月々定額のカーリースという選択肢も

旧車は休日の楽しみに回して、通勤や買い物の車は別に持ちたい。レストアの間の足が要る。直すより新しい車に乗り換えたい。そんな時は、税金や車検代をまとめて月々定額で新車に乗れるカーリースも比べてみてください。契約年数・月額に含まれる物・走行距離・途中でやめる時の条件は、申し込む前に公式の案内で確かめておくと安心です。

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料金・契約条件は公式サイトの最新の案内でご確認ください。

よくある質問

レストア技術者になるには、何の資格が要りますか?

レストアそのものの公的な資格は見当たりません。整備士の資格を取る、板金塗装の技術を身につけるなど、関係する分野の技術と資格を積み上げていくのが一般的です。

レストアの求人はどうやって探せばいいですか?

「レストア」という言葉だけでなく、整備や板金、塗装の求人も広く見てみましょう。古い車を扱う機会があるか、面接で聞いておくと安心です。

レストアのスクールに通えば、すぐに仕事にできますか?

スクールや学校は基本を学ぶ入り口になります。実際の車やバイクに触れる時間を積み重ねることで、仕事にできる腕が身についていきます。

レストアの事業を始める時に気をつけることは?

整備を事業として行う時の認証、塗装や溶接の安全の決まり、廃油や部品の捨て方を確かめましょう。値段のつけ方と、作業が長引いた時の連絡のしかたも先に決めておくと安心です。

バイクレストアの副業は誰でも始められますか?

自分のバイクを直すのは誰でも始められます。中古品を仕入れて売る形や、人のバイクを預かって直す形は、許可や決まりが関わる場合があるので、公的な窓口で確かめてから始めましょう。

まとめ

この記事の要点
  • レストアの仕事は、整備・板金・塗装・内装・部品加工などの組み合わせ
  • レストア技術者になるには、整備士から・板金塗装から・専門店で修業の3つのルートがある
  • レストアそのものの公的な資格は見当たらず、関係する分野の資格と技術を積み上げる
  • 整備を事業にする時は認証、塗装や溶接の現場では安全の決まりがある
  • レストアが儲かるかを示す公的なデータは無く、副業や事業は許可と計画を先に確かめる
レストアガイド

レストアガイド 編集部

車・旧車・バイクのレストア(元の姿に戻す再生)について、意味や種類、作業の流れ、費用の考え方、自分でやる時の道具と注意点、ショップの選び方、車検・税金・保険などの手続き、乗り換えや手放し方までを、自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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