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レストアを始めようと思っても、工具売り場の棚を前にすると、何から買えばいいか迷いますよね。全部そろえようとすると、きりがありません。
結論から言うと、レストアの工具は「分解」「錆落とし・研磨」「塗装」「計測」の4つの用途に分けて、今やる作業の分だけそろえるのがいちばん無駄がありません。
この記事では、用途ごとの買い物リストと、そろえる順番、選び方のコツが分かります。
レストアの工具は「用途」で分けるとそろえやすい
工具は、使う場面ごとに4つに分けて考えます。最初は分解の工具と保護具だけで十分で、錆落としや塗装、計測の道具は、その作業に進む時に買い足していけば大丈夫です。
レストアの作業は、分解して、錆を落として、塗って、組み立てる、の繰り返しです。工具も、この流れに沿って必要になっていくんです。
『最初にまとめて買ったほうが安く済むのでは?』と思う方も多いはずです。ただ、作業を進めてみないと、本当に必要な工具は分かりません。
| 用途 | 主な工具・道具 | 最初に要るか | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 分解 | ソケットレンチ、メガネレンチ、ドライバー、プライヤー、浸透潤滑剤 | 最初から | いちばん出番が多い |
| 錆落とし・研磨 | ワイヤーブラシ、サンダー、耐水ペーパー、錆転換剤 | 錆を落とす時 | 粉じん対策もセットで |
| 塗装 | マスキング材、缶スプレーやスプレーガン、脱脂剤 | 塗る時 | 換気と火の扱いに注意 |
| 計測 | テスター、ノギス、トルクレンチ | 組み立てる時 | 仕上がりと安全を左右する |
| 保護具 | 手袋、保護めがね、防じんマスク、防毒マスク | 最初から | 工具と同じくらい大事 |

レストアそのものの流れは、レストアとは|意味と車・バイクのレストアの基本で紹介しています。
4つに分けると、買い物の失敗が減る
用途で分けておくと、「今の作業に要る物」と「まだ要らない物」がはっきりします。使わないまま棚に眠る工具が減るんです。
それに、用途ごとに選び方のポイントも違います。分解の工具は丈夫さ、計測の道具は正確さ、というように見るところが変わりますよ。
自分でどこまでやるかで、必要な工具は大きく変わります。作業の範囲の決め方は、車のレストアを自分でやる|DIYでできる範囲と始め方を先に読んでおくと、買い物の計画が立てやすくなります。
分解の工具:いちばん出番が多い基本のセット
分解の工具は、レストアのどの場面でも使います。最初は、よく使うサイズのソケットとメガネレンチ、ドライバー、プライヤーがあれば始められます。
分解の工具は、レストアの道具の中でいちばん長く付き合うことになります。ここだけは、手になじむ物を選んでおきたいところですよね。
最初にそろえたい手工具
- ソケットレンチとラチェットハンドル
- メガネレンチ、スパナ
- プラスとマイナスのドライバー(大小)
- プライヤー、ラジオペンチ
- 六角レンチ
- 内張りはがし
- 外した部品を分けて入れる箱と、書くためのペン
ソケットやメガネレンチは、車によってよく使うサイズが違います。まずは自分の車のボルトを何本か見て、よく出てくるサイズを確かめてから買うと無駄がありません。
車によっては、ミリではない規格のボルトが使われていることもあります。輸入車などを直す時は、合う規格の工具かどうかを買う前に確かめておきましょう。
古い車ならではの「固着」対策
古い車のボルトは、錆で固まって回らないことがよくあります。いちばん困るのが、無理に回してボルトの頭をなめてしまうことなんです。
『力いっぱい回せば外れるはず』と思いがちですが、ここは焦らないのがコツです。
- ボルトのまわりの錆や汚れをワイヤーブラシで落とす
- 浸透潤滑剤を吹きかけて、しばらく待つ
- 六角の面でしっかりかかるメガネレンチかソケットを使う
- 少し締める方向に動かしてから、緩める方向に回す
- それでも動かない時は、無理をせず日を改めるか専門の店に相談する
スパナは口が開いているぶん、ボルトの角をつかむ力が弱めです。固いボルトには、六角の面でつかむメガネレンチやソケットを使ってみてください。

サイズが少し合わない工具で回して、ボルトの頭をなめてしまうこと。一度なめると外すのに手間がかかるので、工具がぴったり合っているかを最初に確かめましょう。
専用工具は「その作業の時」に
エンジンやバイクの足回りなど、特定の部品を外すには専用の工具が要ることがあります。ただ、使う場面が限られるので、最初から買う必要はありません。
その作業をする時に、何が要るかを整備書などで調べてから用意すれば十分です。専用工具が要る作業は、プロに頼む範囲かどうかを考えるきっかけにもなりますよ。
錆落とし・研磨と塗装の道具
錆落としと塗装の道具は、仕上がりの見た目を大きく左右します。ただ、粉じんや溶剤のにおいが出る作業なので、道具と一緒に保護具もそろえておきましょう。
錆落としと塗装は、レストアの中でもいちばん「直している」実感のある作業ですよね。そのぶん、道具の種類も多くて迷いやすいんです。
錆落とし・研磨の道具
| 道具 | 向いている作業 | ひとこと |
|---|---|---|
| ワイヤーブラシ | 浮いた錆や汚れを落とす | 手で使う物から始めやすい |
| 電動サンダー | 広い面の錆落とし、塗装はがし | 音と粉じんが出る |
| 耐水ペーパー | 塗装前の下地づくり、仕上げ | 粗い番手から細かい番手へ |
| 錆転換剤 | 落としきれない錆の処理 | 説明書どおりに使う |
| 錆止め塗料 | 錆を落とした後の保護 | 上に塗る塗料との相性を確かめる |
最初は、手で使うワイヤーブラシと耐水ペーパーから始めて、広い面を扱うようになったら電動サンダーを考えるのが順番です。
錆の種類ごとの落とし方や、錆止めと錆転換剤の使い分けは、車の錆(サビ)のレストアでくわしく紹介しています。
電動サンダーを使う時の気配り
電動サンダーは、手作業に比べてずっと早く錆を落とせます。ただ、そのぶん音と粉が一気に出るんです。
自宅で使う時は、時間帯と風向きを気にかけて、まわりにシートをかけておきましょう。研磨の後は、粉を掃き集めてから片づけると、家の中に持ち込まずに済みます。
塗装の道具
塗装の道具は、缶スプレーで済ませるか、スプレーガンを使うかで大きく変わります。小さな部品なら、缶スプレーでも十分きれいに仕上がりますよ。
- 脱脂剤と、拭き取り用の布
- マスキングテープと、養生用の紙やシート
- 下塗り用のプライマーやサフェーサー
- 缶スプレー、またはスプレーガンとエアーコンプレッサー
- 乾かすまで置いておく場所
『スプレーガンがあったほうが本格的?』と思う方もいるはずです。ただ、スプレーガンにはエアーコンプレッサーも要り、置き場所と音の問題も出てきます。まずは缶スプレーで小物から試してみましょう。
保護具は「工具の一部」と考える
研磨の粉や塗料のにおいは、気づかないうちに吸い込んでいることがあります。だからこそ、保護具は工具と同じくらい大事なんです。
消費者庁も、スプレー缶を使う時は十分に換気し、噴射の時間と距離を守り、火の近くで使わないよう呼びかけています。
| 作業 | 用意したい保護具 |
|---|---|
| 研磨・錆落とし | 防じんマスク、保護めがね、手袋 |
| 塗装・脱脂 | 防毒マスク、手袋、保護めがね |
| 車の下での作業 | 車を支える台、輪止め、手袋 |
| 溶接 | 溶接用の面、溶接用の手袋、燃えにくい作業着 |
作業ごとの安全の注意は、レストア作業の安全|塗料・溶剤・粉じんと廃棄のルールでまとめています。
計測の道具:組み立てと安全を支える
計測の道具は、組み立てる時と電気のトラブルを探す時に欠かせません。特にトルクレンチは、ボルトを決められた強さで締めるための道具で、安全に関わる所では使っておきたい物です。
計測の道具は、ほかの道具に比べると地味に見えますよね。でも、仕上がりと安全を支えているのは、実はこの道具なんです。
| 道具 | 何に使うか | ひとこと |
|---|---|---|
| テスター | 電圧や導通を調べる | 電装のトラブル探しに欠かせない |
| ノギス | 部品の太さや長さを測る | 替えの部品を探す時にも役立つ |
| トルクレンチ | ボルトを決められた強さで締める | 締め付けの値は整備書で確かめる |
| すき間ゲージ | 部品どうしのすき間を測る | エンジンまわりの調整で使う |
テスターは電装のレストアの入り口
古い車は、配線の傷みや接触の悪さで、電気のトラブルが起きやすいです。テスターがあると、どこで電気が止まっているかを順番に探していけます。
「ライトがつかないんだけど、球が切れてるのかな」
「テスターで当ててみたら、手前の配線で止まってたよ」
こんなふうに、原因をしぼり込めるのがテスターのいいところです。電装の直し方は、電装・配線のレストアで紹介しています。
ノギスは部品探しにも使える
ノギスは、ボルトの太さやゴム部品の断面の大きさを測る時に便利です。替えの部品を探す時、寸法が分かっていると話が早いんですよ。
トルクレンチは締めすぎも防ぐ
ボルトは、ゆるいのも困りますが、締めすぎても部品を傷めることがあります。トルクレンチがあれば、決められた強さで締められます。
締め付けの値は、車や場所によって違います。整備書などで確かめてから使ってみてください。
ブレーキやハンドル、足回りのボルトは、締め付けの確かさがそのまま安全に関わります。自信が無い時は、無理をせず整備工場に頼みましょう。
工具をそろえる順番と選び方
工具は、「分解の基本と保護具」から始めて、「錆落とし」「塗装」「計測」と作業の進み方に合わせて買い足すのが無駄のない順番です。よく使う物は丈夫な物を、たまにしか使わない物は手ごろな物を選ぶとバランスが取れます。
工具は、一度に全部そろえる必要はありません。作業が進むたびに少しずつ増えていくのが、自然な形なんです。
- 分解の基本セットと保護具をそろえる
- 外した部品を分けて入れる箱と、作業を記録するノートを用意する
- 錆を落とす作業に進む時に、ワイヤーブラシや耐水ペーパーを買い足す
- 広い面を扱うようになったら、電動サンダーを考える
- 塗る作業に進む時に、マスキング材や塗料を用意する
- 組み立てと電装の作業に進む時に、テスターやトルクレンチをそろえる

よく使う物と、たまに使う物で選び方を変える
ソケットやメガネレンチのように毎回使う物は、手になじんで丈夫な物を選ぶと長く使えます。一方で、年に一度しか使わない専用工具は、手ごろな物や借りる方法でも十分です。
- ソケットレンチ、メガネレンチ、ドライバー
- トルクレンチなど、正確さが大事な物
- 一度の作業でしか使わない専用工具
- 消耗品のブラシや耐水ペーパー
工具は手入れすると長く使える
工具も、使いっぱなしにすると錆びたり、なくしたりしやすいです。特に、オイルや塗料が付いたまま置いておくと、次に使う時に困りますよね。
- 使い終わったら、汚れと油をふき取ってからしまう
- 置き場所を決めて、使ったら元の場所に戻す
- 湿気の多い場所に置きっぱなしにしない
- ブラシや耐水ペーパーなどの消耗品は、すり減ったら早めに替える
作業の終わりに5分だけ片づけの時間を取っておくと、次の作業をすぐに始められますよ。
作業場所と置き場所も考えておく
工具が増えてくると、置き場所が足りなくなります。電動サンダーやエアーコンプレッサーは、音の出る道具なので、使う場所も考えておきたいところです。
作業場所の選び方は、レストアの作業場所|ガレージ・借りる場所と近所への気配りで紹介しています。レンタルピットのように、工具や設備を借りられる場所を使う方法もありますよ。
工具をそろえる間の、毎日の車
工具をそろえて作業を進めていると、思っていたより時間がかかりますよね。その間、直している車は毎日の足として使えないこともあります。
旧車は休日の趣味の車にして、毎日の買い物や通勤の車は別に持つという考え方もあります。もちろん、毎日乗りながら少しずつ手を入れていくのも、立派な選び方です。
そのうえで、毎日の車を月々定額で持てるカーリースという方法もあるので、比べてみてください。
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毎日乗る車は、月々定額のカーリースという選択肢も
旧車は休日の楽しみに回して、通勤や買い物の車は別に持ちたい。レストアの間の足が要る。直すより新しい車に乗り換えたい。そんな時は、税金や車検代をまとめて月々定額で新車に乗れるカーリースも比べてみてください。契約年数・月額に含まれる物・走行距離・途中でやめる時の条件は、申し込む前に公式の案内で確かめておくと安心です。
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レストアの工具でよくある相談
ネットの質問サイトで閲覧の多い、レストアの工具についての相談を要約して紹介します。
相談1「古いロードバイクをレストアしたい。車の工具で足りる?」
いちばん閲覧が多いのが、自転車のレストアについての相談です。車の整備の工具を持っていても、自転車には専用の工具が要る所があります。
『車の工具があれば何とかなる?』と思いますよね。基本の手工具は共通で使える物も多いですが、自転車ならではの部品を外すには、それに合った工具が要ることがあります。
まずは手持ちの工具で外せる所から始めて、外せない部品が出てきた時に、合う工具を調べてみてください。
自転車のレストアの進め方は、自転車のレストア|古いロードバイク・MTBをよみがえらせる手順で紹介しています。
相談2「旧車のボディの錆に、重防食の塗料を使いたい」
レストアで錆止めの塗料を選ぶ時に、特定の重防食塗料の名前を挙げて相談する方もいます。塗料の名前だけで選ぶより、錆の状態と、上に塗る塗料との相性で選ぶのが大事です。
| 確かめたいこと | 見る所 |
|---|---|
| 錆をどこまで落としてから塗る物か | 塗料の説明書 |
| 上にサフェーサーや上塗りを重ねられるか | 塗料の説明書、販売店 |
| 重ねるまでに乾かす時間 | 塗料の説明書 |
| 薄め方と、使う道具 | 塗料の説明書 |
錆止めを塗った後にサフェーサーを吹いたら、表面が荒れてしまったという相談もあります。塗料どうしの相性や、乾かす時間が合っていないと起きやすいので、説明書の重ね塗りの条件を確かめてみてください。
相談3「バイクのレストアに、最低限あったほうがいい工具は?」
バイクのレストアでも、最初にそろえたいのは分解の基本セットと保護具です。バイクならではの工具もあるので、くわしくはバイクレストアの工具|最初にそろえる物と後から買う物を見てみてください。
相談4「欲しい工具が高くて、まだ買えない」
『いい工具じゃないとレストアはできない?』と悩む方もいますよね。最初から全部を高い物でそろえなくても、レストアは始められます。
よく使うソケットやメガネレンチだけは丈夫な物にして、ほかは手ごろな物で始めてみてください。使っていくうちに、どの工具に予算をかけたいかが自然と分かってきますよ。
相談5「エンジンを割るための専用工具は何が要る?」
エンジンを分解する作業では、部品ごとに専用の工具が要ることがあります。車種やエンジンによって違うので、整備書で確かめるか、扱いに慣れた店に聞いてみましょう。
エンジンの分解は、作業の難しさから見ても、プロに頼む範囲に入れておくのが安心な作業です。
相談6「家族が集めていた古い整備の工具が出てきた。使える?」
亡くなった家族が集めていた整備の工具が出てきた、という相談もあります。思い出のある工具でレストアを始められたら、うれしいですよね。
古い工具でも、錆を落として手入れすれば使える物はたくさんあります。ただ、口が開いてしまったスパナや、ひびの入ったソケットは、ボルトをなめる原因になるので使わないでおきましょう。
| 状態 | 使い方の目安 |
|---|---|
| 表面に軽い錆があるだけ | 錆を落として油をなじませれば使える |
| 口が広がっている、欠けている | ボルトを傷めるので使わない |
| ひびが入っている | 力をかけると割れるおそれがあるので使わない |
よくある質問
レストアの工具は、最初に何を買えばいいですか?
ソケットレンチ、メガネレンチ、ドライバー、プライヤーなどの分解の基本セットと、手袋や保護めがねなどの保護具から始めましょう。錆落としや塗装の道具は、その作業に進む時に買い足せば十分です。
電動サンダーは最初から要りますか?
小さな部品の錆落としなら、ワイヤーブラシと耐水ペーパーで始められます。広い面の錆や塗装をはがすようになったら、電動サンダーを考えてみてください。
トルクレンチは必要ですか?
ボルトを決められた強さで締めるための道具で、特に走る安全に関わる所の組み立てでは使っておきたい物です。締め付けの値は、整備書などで確かめましょう。
工具は安い物でも大丈夫ですか?
よく使うソケットやメガネレンチは、手になじんで丈夫な物を選ぶと長く使えます。たまにしか使わない専用工具や消耗品は、手ごろな物でも十分です。
まとめ
- レストアの工具は「分解」「錆落とし・研磨」「塗装」「計測」の4用途で考える
- 最初は分解の基本セットと保護具だけで始められる
- 固着したボルトは、焦らず合う工具と浸透潤滑剤で
- 保護具は工具の一部として、作業ごとにそろえる
- よく使う物は丈夫な物を、たまに使う物は手ごろな物を選ぶ





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