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旧車のドアを開けた時、破れたシートや垂れ下がった天井、ひびの入ったハンドルが目に入ると、少しさみしい気持ちになりますよね。『どこから直せばいいんだろう』と迷う方も多いはずです。
結論から言うと、旧車の内装レストアは「シート」「天井・内張り」「ダッシュボード」「ステアリング」の4つに分けると、自分でやる所と頼む所が見えてきます。
この記事では、場所ごとの直し方と、頼む前に決めておきたいことをお伝えしますね。
旧車の内装は4つの場所に分けて考える
内装は「シート」「天井・内張り」「ダッシュボード」「ステアリング」の4つに分けて考えます。掃除や小さな補修は自分でもできますが、張り替えや割れの作り直しは専門の店に頼むことが多いです。
内装のレストアは、ボディやエンジンに比べると、自分で手をつけやすい所が多い分野です。ただ、場所によって難しさがかなり違うんです。
まずは、4つの場所ごとに目安を表にしてみました。
| 場所 | よくある傷み | 自分でやりやすい作業 | 頼むことが多い作業 |
|---|---|---|---|
| シート | 破れ、すれ、へたり、色あせ | 掃除、小さな破れの補修 | 表皮の張り替え、中のウレタンの作り直し |
| 天井・内張り | 天井の垂れ、内張りの浮きや破れ | 浮きの貼り直し、掃除 | 天井の張り替え、内張りの作り直し |
| ダッシュボード | ひび割れ、反り、色あせ | 掃除、保護剤での手入れ | 割れの補修、表皮の作り直し |
| ステアリング | 握りのひび、すれ、べたつき | 掃除、小さなひびの補修 | 握りの作り直し、革の巻き直し |

まずは掃除から始めてみる
長く置かれていた旧車の内装は、ほこりやカビ、においで実際より傷んで見えることがあります。掃除してみたら、思ったより状態が良かったということも珍しくありません。
ですから、直す範囲を決める前に、まずはひととおり掃除してみるのがおすすめです。
- シートの縫い目のほつれや、座面のへたり
- 天井の生地が垂れていないか
- ダッシュボードの上面のひび割れ
- ステアリングの握りのひびやすれ
- 床やシートの下の湿りやにおい
床が湿っている時は、雨漏りが原因のこともあります。
窓やドアまわりのゴムが傷んでいないかもあわせて見ておきましょう。ゴム部品の直し方はゴム部品・モールのレストア|雨漏りと見た目を直すで紹介しています。
においとカビが気になる時
長く閉め切っていた旧車は、車内にカビやこもったにおいが残っていることがあります。まずは天気のいい日にドアを開けて風を通し、シートやマットを外して干してみてください。
においの元が床の湿りなら、乾かすだけでは戻ってきます。水が入ってくる場所を見つけて直すのが先なんです。
「掃除したのに、雨のあとはまたにおいが戻るんです」
「それなら、どこかから水が入っていないか、先に見てみましょう」
シートのレストアは表皮と中身で考える
シートは、表の生地や革の「表皮」と、中のウレタンなどの「中身」に分けて考えます。破れは表皮、座った時の沈み込みは中身の傷みです。どちらを直したいかで、頼む作業が変わります。
シートは、内装の中でいちばん目に入りやすく、体にも触れる所です。『全部張り替えないとダメかな』と思いがちですが、傷み方によって直し方はいろいろあるんです。
| 傷み | 考えられる直し方 | 自分でやるなら |
|---|---|---|
| 小さな破れ、すれ | 補修材で目立たなくする | 挑戦しやすい |
| 縫い目のほつれ | 縫い直し | 道具と慣れが要る |
| 大きな破れ、色あせ | 表皮の張り替え | 店に頼むことが多い |
| 座るとお尻が沈む | 中のウレタンの補修や作り直し | 店に頼むことが多い |
当時の雰囲気に近い素材を選ぶか
張り替えでは、どんな生地や革を使うかで、仕上がりの雰囲気ががらりと変わります。当時に近い柄や色を探すか、今の素材で好みに仕上げるか、先に決めておくと話がスムーズです。
当時と同じ生地は、もう手に入らないことも多いんです。似た風合いの生地を見本で見せてもらって選ぶ、という方法もありますよ。
小さな破れなら補修から
座面の端の小さな破れやすれなら、補修材で目立たなくする方法もあります。うまくいけば、元の表皮をそのまま残せます。
ただ、広い範囲の破れを補修材で埋めると、かえって目立つことも。迷ったら、内装を扱う店に「補修で済むか、張り替えたほうがいいか」を聞いてみてください。
シートを外す時の注意
シートを張り替えに出す時や、床の掃除をする時は、シートを車から外すことになります。取り付けのボルトが錆びて固くなっていることも多いので、無理に回さないようにしましょう。
シートベルトの取り付けや、シートの下を通る配線に気をつけながら外していきます。外したボルトは、どこの物か分かるように袋に分けておくと、戻す時に迷いません。
天井・内張り・ダッシュボードの直し方
天井の垂れや内張りの浮きは、接着が弱くなったことが原因のことが多いです。少しの浮きなら貼り直しで、広い垂れや割れは張り替えや作り直しを考えます。
天井の生地がふわっと垂れてくると、運転中も気になりますよね。内張りやダッシュボードも、年月とともに浮きや割れが出てきやすい所です。
天井の垂れは張り替えが基本
天井の生地は、裏の接着が弱くなると、全体が垂れ下がってきます。部分的に貼り直しても、ほかの所からまた垂れてくることが多いんです。
広く垂れている時は、生地を張り替えるのが基本です。天井の張り替えは、ガラスや内装の部品を外す作業も伴うので、内装を扱う店に頼むことが多いですね。
内張りの浮きや破れ
ドアの内張りは、留め具が折れたり、板が湿気で傷んだりして浮いてきます。留め具を替えるだけで直ることもあります。
内張りの板そのものが傷んでいる時は、作り直しになることも。外す時は、留め具を折らないように、専用の道具を使ってゆっくり外していきましょう。
床のカーペットやマット
床のカーペットは、湿気や汚れを吸って傷みやすい所です。外してみると、下の床に錆が出ていることもあります。
カーペットを替える時は、床の錆もあわせて見ておきましょう。錆の直し方は車の錆(サビ)のレストアで紹介しています。
ダッシュボードのひび割れ
ダッシュボードの上面は、日差しを受け続けるので、ひび割れや反りが出やすい所です。割れが小さければ補修で目立たなくできることもあります。
大きな割れや反りは、表皮の作り直しや交換になります。部品が手に入るかどうかで、直し方が変わってきます。
接着剤やスプレーを車内で使う時、窓を閉めたまま作業してしまうことがあります。においがこもって気分が悪くなることもあるので、ドアを開けるなど換気をよくして、火気から離して作業しましょう。
消費者庁も、スプレー缶は十分に換気し、火気の近くで使わないよう呼びかけています。作業の安全についてはレストア作業の安全|塗料・溶剤・粉じんと廃棄のルールにまとめています。
ステアリングのレストアは握りの素材で直し方が変わる
ステアリングのレストアは、握りの素材が樹脂か、木か、革巻きかで直し方が違います。小さなひびなら補修できることもありますが、運転の安全に直結する部品なので、ぐらつきや割れがある時は無理をしないことが大切です。
古いステアリングの握りにひびが入っていると、手のひらにも当たって気になりますよね。ステアリングのレストアは、内装の中でもとくに相談の多い作業なんです。
| 握りの素材 | よくある傷み | 考えられる直し方 |
|---|---|---|
| 樹脂 | ひび、すり減り、べたつき | ひびの補修、再塗装、握りの作り直し |
| 木(ウッド) | つやの落ち、塗装の割れ、木の割れ | 塗装のはがしと塗り直し、割れの補修 |
| 革巻き | すれ、破れ、色あせ | 補修、革の巻き直し |

ひびの補修と再塗装の流れ
樹脂の握りの小さなひびなら、自分で補修して塗り直す人もいます。一般的な流れは、次のとおりです。
- 汚れと油分を落とす
- ひびのまわりを軽く削って、補修材をなじませやすくする
- 補修材でひびを埋め、乾かす
- 表面を平らに研ぐ
- 下地を塗ってから色を塗り、仕上げる
握りは手が触れ続ける所なので、塗った物がべたついたり、はがれたりしないかが大事です。使う塗料や補修材は、説明で用途を確かめてから選んでみてください。
木や革の握りの場合
木の握りは、表面の塗装が割れたり、つやが落ちたりしてきます。古い塗装をはがして塗り直すと、木目がよみがえることもあります。
ただ、木そのものに割れがある時は、補修の難しさがぐっと上がります。革巻きのすれや破れも、巻き直しは縫い方に慣れが要るので、専門の店に相談するのが近道です。
『自分で削ったら、木目まで削りすぎてしまった』という失敗もよく聞きます。削る時は、細かい番手で少しずつ進めてみてください。
安全に関わるので無理をしない
ステアリングは、車を操るための大切な部品です。握りのひびだけでなく、取り付け部のぐらつきや、骨の部分の割れがある時は、自分で直そうとせず整備工場に相談しましょう。
道路運送車両法施行規則では、かじ取り装置のギヤボックスやリンク装置の連結部を取り外して行う整備は、特定整備にあたります。握りの補修とは別の話ですが、ハンドルまわりの作業が広がる時は覚えておきましょう。
エアバッグの付いた車でステアリングを外す時も、自分で作業せず整備工場に頼むのが安心です。
メーカーが復刻している例もある
マツダは、初代ロードスター向けの取り組みとして、ウッドステアリングやシフトノブなどの部品を復刻しています。車種によっては、こうした部品で当時の姿に戻せることもあります。
メーカーの取り組みは、メーカーの旧車部品の再販・レストアサービスで紹介しています。
内装のレストアを頼む前に決めておくこと
内装のレストアは、素材や色の好みで仕上がりが大きく変わる作業です。当時の姿に戻すか、自分好みに仕上げるかを先に決め、見本と見積もりで確かめておくと、思っていたのと違うという失敗を防げます。
内装は、毎回乗るたびに目に入る所です。だからこそ、仕上がりのイメージをお店としっかり合わせておきたいですよね。
- 当時の姿に近づけるか、好みの素材や色で仕上げるか
- 生地や革の見本を見せてもらえるか
- どこまでを張り替え、どこを補修で残すか
- 外した部品の留め具など、細かい部品の交換も含むか
- 期間の見通しと、その間の車の預け方
例えば、こんなふうに聞いてみるとスムーズです。
「当時の雰囲気に近い生地で張り替えたいのですが、見本はありますか?」
「似た風合いの物をいくつか取り寄せますので、見てから決めましょう」
お店の選び方はレストアショップ・専門店の選び方で、費用の考え方は車のレストア費用|作業別の考え方と予算の立て方で紹介しています。
当時の再現か、好みの仕上がりか
内装のレストアで迷いやすいのが、仕上がりの方向です。どちらにも良さがあるので、比べて決めてみてください。
- その車が出た頃の雰囲気を味わえる
- 車の歴史を大切にできる
- 見る人に当時の空気が伝わる
- 自分らしい1台にできる
- 手に入りやすい素材を選べる
- 座り心地や手入れのしやすさを優先できる
どちらにするかで、生地や革の選び方も、店の選び方も変わります。先に方向を決めておくと、見積もりも比べやすくなりますよ。
直したあとは湿気と日差しから守る
せっかく直した内装も、湿気や日差しにさらされると、また傷みが出てきます。保管する時は、窓からの日差しをさえぎり、ときどき換気してあげましょう。
仕上がった車の保管のしかたは、レストア後の乗り方と保管で紹介しています。
内装を直している間の車
内装の張り替えは、店に車を預けることが多く、その間は乗れません。大がかりなレストアと一緒に進めると、もっと長くなることもあります。
『その間、家族の送り迎えはどうしよう』と悩む方もいるはずです。旧車は趣味の車としてじっくり仕上げ、毎日の足は月々定額で乗れる新車のカーリースに任せる、という分け方もあります。
定額カーリース(PR)
毎日乗る車は、月々定額のカーリースという選択肢も
旧車は休日の楽しみに回して、通勤や買い物の車は別に持ちたい。レストアの間の足が要る。直すより新しい車に乗り換えたい。そんな時は、税金や車検代をまとめて月々定額で新車に乗れるカーリースも比べてみてください。契約年数・月額に含まれる物・走行距離・途中でやめる時の条件は、申し込む前に公式の案内で確かめておくと安心です。
無料定額カーリースを見てみる料金・契約条件は公式サイトの最新の案内でご確認ください。
カーリースは途中でやめにくい契約が多いので、契約年数や走行距離の条件はよく確かめてから考えてみてください。もちろん、旧車を直して乗り続ける道も十分に良い選択です。
旧車の内装でよくある相談
ネットの質問サイトで、旧車の内装やステアリングのレストアについてよく見かける相談を要約して紹介します。
相談1「古いステアリングのひびは直せるのか。再塗装は何で?」
古いステアリングの握りにひびが入っていて、新品はもう手に入らないので直したいという相談です。たくさんの人に読まれていて、同じ悩みの方が多いことが分かります。
小さなひびなら、この記事の流れのように、補修材で埋めて研ぎ、塗り直す方法があります。塗料は、手が触れてもはがれにくいかを、説明で確かめて選んでみてください。
ひびが深い、骨の部分まで割れている時は、握りの作り直しを扱う店に相談するのが安心です。
相談2「旧車を買う時、内装はどこを見ればいいか」
古い車に乗ってみたいけれど、何から調べればいいか分からないという相談です。内装の状態も、買う前に気になる所の一つですよね。
内装は、この記事の「内装を見る時のチェック」を使って見てみてください。とくに床の湿りやカビのにおいは、雨漏りのサインのことがあります。
内装は後から直せる所も多いので、ボディの錆やエンジンの状態とあわせて、全体で判断するのがおすすめです。
買う前の見方は、旧車を買ってレストアする|購入前のチェックと買い方でもくわしく紹介しています。
相談3「ストックしておけばよかった部品は何か」
旧車をレストアしている人に、前もって買っておけばよかった部品を聞く相談です。
内装では、留め具やスイッチのつまみ、内張りの小さな部品など、外す時に折れやすい物の名前がよく挙がります。こうした小さな部品ほど、後から探すと見つかりにくいんです。
外す前に写真を撮り、折れた時のために予備を探しておくと、作業が止まらずに済みますよ。
部品の探し方は、レストア部品の探し方で紹介しています。小さな部品でも、型番や外した場所をメモしておくと探しやすくなります。
相談4「旧車なのに、メーターをLEDにする人がいるのはなぜ?」
当時の雰囲気を大切にしたいのに、内装の明かりを新しい物に替える人がいるのはなぜか、という相談です。
これは、どちらが正しいという話ではありません。当時の姿を大事にする人もいれば、見やすさや使いやすさを優先する人もいます。
自分がどう楽しみたいかで決めれば大丈夫です。替えた元の部品を捨てずに保管しておけば、いつでも当時の姿に戻せますよ。
よくある質問
旧車の内装レストアは、どこから始めればいいですか?
まずは掃除をして、本当の傷み具合を確かめるところから始めてみてください。そのうえで、シート・天井と内張り・ダッシュボード・ステアリングの4つに分けて、自分でやる所と頼む所を決めるのがおすすめです。
シートの張り替えは自分でできますか?
小さな破れの補修なら自分でもできますが、表皮の張り替えや中のウレタンの作り直しは、道具と慣れが要るので専門の店に頼むことが多いです。
ステアリングのレストアで気をつけることは?
握りの小さなひびは補修できることがありますが、取り付け部のぐらつきや骨の割れがある時は無理をせず整備工場に相談してください。エアバッグの付いた車でステアリングを外す時も、整備工場に頼むのが安心です。
ダッシュボードのひび割れは直せますか?
小さな割れなら、補修で目立たなくできることがあります。大きな割れや反りは、表皮の作り直しや交換になることが多いです。直したあとは、日差しをさえぎって保管すると長持ちしやすくなります。
天井の垂れは、接着剤で貼り直せば直りますか?
部分的な浮きなら貼り直せることもありますが、広く垂れている時は、ほかの所からまた垂れてくることが多いです。その場合は、生地の張り替えを考えてみてください。
まとめ
- 旧車の内装は、シート・天井と内張り・ダッシュボード・ステアリングの4つに分けて考える
- まずは掃除をして、本当の傷み具合を確かめる
- シートは表皮と中身、天井は張り替えが基本
- ステアリングのレストアは素材で直し方が変わる。安全に関わる傷みは整備工場へ
- 当時の姿か好みの仕上がりかを決め、見本と見積もりで確かめる
内装がきれいになると、旧車に乗る時間がぐっと楽しくなります。まずは掃除をしながら、どこを直したいかを書き出してみてください。





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