車のレストアの流れ|相談から納車までの工程

車のレストアの流れを、相談から納車までの工程で紹介する記事のアイキャッチ。ガレージの古い小型セダンと仕分けした部品

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古い車を直したいと思っても、『どこから手をつけて、何がどの順番で進むの?』と分からないと、ショップに相談するのも少し勇気が要りますよね。

結論から言うと、車のレストアの流れは「相談・見積もり」「分解・診断」「ボディ」「機関」「組み立て」「車検・納車」の6段階で考えると、ぐっと見通しがよくなります。どの段階でも、決めるのはオーナーであるあなたです。

この記事を読めば、工程ごとに何をするのか、どこで自分が判断するのかが分かります。

目次

車のレストアの流れは6段階で考える

先に結論

車のレストアは、どこまで直すかを決めて、ばらして状態を確かめ、ボディと機関を直し、組み立てて検査を通す、という順番で進みます。ショップに頼んでも自分でやっても、この大きな流れは変わりません。

レストアは、辞書では「元の状態に戻すこと。特に、古くなって傷んだ自動車や家具などを修復すること」と説明されています。

ただ、元に戻すと一口に言っても、やる作業はたくさんあります。全体を6つの段階に分けて、ひとつの表にしてみました。

段階主にやることオーナーが決めること次へ進む目安
1 相談・見積もり車を見てもらい、直したい範囲と予算を伝えるどこまで直すか、何を優先するか作業の範囲と追加が出た時の決め方がそろう
2 分解・診断外装・内装・機関を外し、傷みを確かめる見つかった傷みをどこまで直すか直す所の一覧ができる
3 ボディ錆落とし、鉄板の補修、下地、塗装色、仕上がりの程度塗装が終わり、組み付けられる状態になる
4 機関エンジン、変速機、足回り、ブレーキ、電装の整備当時のままにするか、今の部品を使うか部品がそろい、単体で整備が終わる
5 組み立て内装・ゴム部品・めっき部品を付けて組み上げる細かい部品の選び方車として形がそろい、走れる状態になる
6 車検・納車試運転と調整、検査、引き渡し引き渡し後の点検の予定検査に通り、手元に戻る
車のレストアを相談・見積もり、分解・診断、ボディ、機関、組み立て、車検・納車の6段階に分けて、順番に並べた図解

ボディと機関は、ショップによっては同時に進めることもあります。番号は「おおよその順番」くらいに考えてみてください。

「部分」か「フル」かで流れの長さが変わる

気になる所だけを直す部分レストアなら、6段階のうち一部だけを通ることになります。例えば、フェンダーの錆だけなら、相談のあとはボディの段階だけで終わることもあります。

全部ばらすフルレストアでは、6段階をすべて通ります。フルレストアの範囲はフルレストアとはで詳しく紹介しています。

レストアそのものの意味から知りたい方は、レストアとはから読んでみてください。

最初の相談と分解で決まること

段階1 相談と見積もりで「どこまで直すか」を決める

最初に決めるのは範囲と優先順位

相談の段階で大事なのは、「どこまで直すか」と「何を一番大事にするか」を言葉にしておくことです。ここがあいまいだと、あとの全部の段階で迷いが出てきます。

ショップに相談に行くと、まず車を見てもらいながら、直したい所や使い方を聞かれることが多いです。

『とりあえず全部きれいにしたい』という気持ちも分かります。ただ、それだと見積もりの幅が大きくなりすぎて、比べようがなくなってしまうんです。

例えば、こんな伝え方をしてみてください。

「週末に乗りたいので、まず安全に走れることを優先したいです」
「見た目は当時の雰囲気を残したいので、色は元の色でお願いしたいです」

使い方と優先順位が伝わると、ショップも作業の組み立てを考えやすくなります。

相談の前に用意しておきたいこと
  • 車検証と、手元にある整備の記録を集めておく
  • 今の車の状態を写真に撮っておく
  • 直したい所を、優先したい順に書き出しておく
  • 使い方(毎日か、週末か、展示か)を決めておく
  • 出せる予算の上限を自分の中で決めておく

見積もりで確かめておきたい3つのこと

レストアの見積もりは、ばらす前の段階で出すものなので、どうしても「目安」になります。そのうえで、次の3つは最初に話しておくと安心です。

  • 見積もりに入っている作業と、入っていない作業
  • ばらして追加の作業が見つかった時の連絡と、決め方
  • 部品が手に入らない時にどうするか(中古品、作り直し、別の部品など)

メーカーが公式に行っているレストアサービスでも同じです。

マツダの案内には、分解してメニューの対象外の傷みや問題が見つかった場合は連絡する、という趣旨が書かれています。ばらしてみないと分からないことがあるのは、どこに頼んでも同じなんですね。

見積もりの取り方はレストアの見積もりの取り方で、頼み先の選び方はレストアショップ・専門店の選び方で詳しく紹介しています。

段階2 分解と診断で傷みの全体を確かめる

分解と診断は、外から見えなかった錆や傷みを見つける段階です。ここで直す所の一覧がはっきりします。

分解の段階では、内装、外装の部品、ガラスやゴム、エンジンや足回りなどを順番に外していきます。フルレストアなら、最後は車体の骨格だけになります。

ここで大事なのは、外す前と外した後の姿を写真に残しておくことです。小さなボルトやクリップの位置も、あとで組み立てる時の手がかりになります。

分解と診断の進め方
  1. 外す前の全体と、細かい部分を写真に撮る
  2. 外した部品は、場所ごとに袋や箱に分けて名前を書く
  3. 錆、へこみ、ひび、欠けている部品を一覧にする
  4. 直す・替える・そのまま使うの3つに分ける
  5. 追加の作業が出たら、オーナーに相談して決める
分解の段階で、外した部品を場所ごとに袋に分けて残しておく様子の写真

袋に「右ドア」「ダッシュボード裏」のように場所を書いておくだけでも、組み立ての時の迷いがぐっと減りますよ。

『ばらしてみたら、思ったより錆がひどかった』というのは、古い車ではよくある話です。床や足回りの付け根など、普段は見えない所ほど傷んでいることがあります。

この時に慌てて決めないためにも、段階1で「追加が出た時の決め方」を話しておくのが効いてきます。

記録を残すと、あとで価値を守れる

分解の時に撮った写真や、交換した部品のメモは、組み立ての手がかりになるだけではありません。どこをどう直したかが分かる記録は、将来その車を手放す時にも、状態を説明する材料になります。

記録の残し方はレストアの記録の残し方でまとめています。

ボディと機関はどう直していく?

ボディは見た目、機関は走る安全

ボディは錆を止めて形を戻して塗る、機関は走る・曲がる・止まるを整える、と考えると分かりやすいです。ショップによっては2つを同時に進めます。

段階3 ボディの錆と塗装を直す

古い車のレストア作業で、手間がかかりやすいのがボディです。錆が表面だけなら削って処理できますが、穴があくほど進んでいると、傷んだ部分を切り取って新しい鉄板を当てる作業になります。

ボディの作業の流れを、ざっくり並べるとこうなります。

  1. 古い塗装や錆を落として、鉄板の状態を確かめる
  2. 穴やへこみを、板金や鉄板の継ぎ当てで直す
  3. 錆止めをして、パテやサフェーサーで下地を整える
  4. 塗装をして、磨いて仕上げる

錆の直し方は車の錆のレストアで、板金の基本はボディのレストアで紹介しています。

色を変える時に考えておきたいこと

全塗装で色を変える場合、構造等変更検査が必要な項目として国土交通省が挙げている一覧に「車体の色」は入っていません。

ただ、色の変更について届出が要らないと国土交通省がはっきり書いたページは見つかっていません。不安な時は、管轄の運輸支局に確かめておくと安心です。

詳しくは全塗装(オールペン)とレストアで紹介しています。

塗装や研磨の作業では

自分で塗装や錆落としをする場合は、換気をよくして、保護具を着け、火の気のない所で作業してください。消費者庁も、スプレー缶は十分に換気して使い、火気の近くで使わないよう呼びかけています。

段階4 エンジン・足回り・電装を整える

機関の段階では、エンジンや変速機に加えて、ブレーキや足回り、配線など、走る安全に関わる所を整えます。見た目より優先したい段階です。

ボディと並行して、外したエンジンや足回りの部品を整備していきます。どこまで手を入れるかは、車の状態とオーナーの希望で決まります。

部分よくある作業決めておきたいこと
エンジン分解して点検し、傷んだ部品を替える当時の部品にこだわるか
変速機・駆動系分解して点検し、消耗品を替える異音や入りにくさの原因を直すか
足回りばねやショックアブソーバ、ブッシュを替える乗り心地をどうしたいか
ブレーキシリンダやホース、パッドなどを替える部品の入手方法
電装・配線古い配線やスイッチを直す今の部品を使うかどうか

古い車ほど、純正の部品が手に入りにくくなりやすいです。トヨタやマツダの公式な案内では、補修用の部品の供給は、車の生産が終わってからおおむね10年ほどがひとつの目安とされています。

一方で、メーカーが古い車の部品を作り直して売る取り組みもあります。部品の探し方はレストア部品の探し方で紹介しています。

自分で整備する時の決まり

道路運送車両法では、車の使用者は点検をして、必要に応じて整備をし、保安基準に合う状態に保たなければならないとされています。

エンジンやブレーキなどを外して行う整備は「特定整備」と呼ばれ、事業として行う場合は地方運輸局長の認証が必要です。また、使用者が特定整備をした時は、点検整備記録簿に整備の概要や完了した日などを書くことになっています。

詳しくは特定整備と認証工場の基本を読んでみてください。

ブレーキやハンドルなど走る安全に関わる所は、自信が無ければ整備工場に任せるのがおすすめです。

組み立てから車検・納車までの流れ

最後は「確かめる」時間をとる

組み立てが終わったら、すぐに乗り出すのではなく、試運転と調整の時間をとります。そのうえで検査を受けて、手元に戻ってきます。

組み立ての段階では、塗装が終わったボディに、整備した機関や足回りを載せ、内装やゴム部品、めっき部品を付けていきます。分解の時に撮った写真が、ここで一番役に立ちます。

組み上がったら、試運転をして、音や振動、ブレーキの効き、水やオイルのにじみがないかを確かめます。気になる所があれば、調整してまた走らせます。

組み立てから納車までの流れ
  1. ボディに機関と足回りを載せる
  2. 配線、内装、ゴム部品、めっき部品を付ける
  3. 試運転をして、気になる所を調整する
  4. 車検を受ける(車検が切れている時は手続きを確かめる)
  5. 引き渡しの時に、直した所と今後の点検の説明を受ける

車検と登録の手続き

車検が残っていれば、そのまま継続検査を受けることになります。自分で受けるユーザー車検の場合、国土交通省の案内では、予約は受検日の2週間前から受け付けています。

長く動かしていなかった車で、一時抹消登録をしている場合は、中古新規登録と新規検査が必要です。検査場まで走らせるには、市区町村などで仮ナンバー(臨時運行許可)を受ける方法があります。

手続きの流れは不動車・抹消した車を登録し直すやレストアした車の車検で紹介しています。

レストアは、作業の期間も長くなりがちです。どのくらいかかるかの目安はレストアにかかる期間でまとめています。

その間、毎日の通勤や買い物の足をどうするかも、意外と悩むところですよね。旧車は休日の楽しみに回して、普段使いの車は別に持つという考え方もあります。

月々定額で新車に乗れるカーリースも、そのひとつの選び方です。

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毎日乗る車は、月々定額のカーリースという選択肢も

旧車は休日の楽しみに回して、通勤や買い物の車は別に持ちたい。レストアの間の足が要る。直すより新しい車に乗り換えたい。そんな時は、税金や車検代をまとめて月々定額で新車に乗れるカーリースも比べてみてください。契約年数・月額に含まれる物・走行距離・途中でやめる時の条件は、申し込む前に公式の案内で確かめておくと安心です。

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料金・契約条件は公式サイトの最新の案内でご確認ください。

自分でやる時のやり方は何が違う?

流れは同じ、違うのは「場所・道具・時間」

自分でレストアする場合も、6段階の流れは同じです。違うのは、作業する場所と道具をそろえ、時間を自分で確保することです。

レストアのやり方を調べていると、自分でやるか、ショップに頼むかで迷う方も多いはずです。比べてみると、こんな違いがあります。

自分でやる
  • 自分のペースで進められる
  • 作業を通して車のことが深く分かる
  • 少しずつ直していける
気をつけたいこと
  • 作業場所と道具をそろえる必要がある
  • 溶接や塗装など、設備が要る作業がある
  • 長く止まると、組み立てる時に迷いやすい

全部を自分でやるか、全部を任せるか、の2択で考えなくても大丈夫です。分解と組み立ては自分で、塗装と機関の分解整備はショップに、という分け方もあります。

作業の場所と安全

自分でやる場合、車1台をばらして部品を置いておける場所が必要です。作業場所の考え方はレストアの作業場所で紹介しています。

外したエンジンオイルなどの廃油は、決められた方法で処分します。廃棄物処理法では「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」と定めています。

出し方は自治体ごとに違うので、住んでいる地域の案内を確かめてみてください。

始め方は車のレストアを自分でやるで詳しく紹介しています。

レストアの作業についてよくある相談

この章について

車のレストアの作業について、ネットの質問サイトでよく見かける相談を、内容を要約して紹介します。

相談1「溶接で袋状にふさがる所の内側は、どう錆を防ぐの?」

腐った鉄板を切り取って新しい鉄板を溶接する時、袋のように閉じてしまう所は、内側に防錆剤を塗れないのでは、という相談です。

実は、ここはレストア作業の中でも悩みどころなんです。溶接する前に内側の錆を落として処理しておく、ふさいだあとに小さな穴から防錆剤を吹き込む、といった方法がとられることがあります。

どの方法をとるかは、ショップや場所によって違います。頼む時は「閉じてしまう所の錆止めはどうしますか」と聞いておくと、仕上がりのイメージがつかみやすくなります。

相談2「置きっぱなしで軽く錆がある車は、レストアが難しい?」

しばらく置きっぱなしにしていて、軽い錆がある車をレストアするのはどれくらい難しいか、という相談です。

難しさは、錆が表面だけか、鉄板の奥まで進んでいるかで大きく変わります。まずは床や足回りの付け根、ドアの下など、見えにくい所を確かめてみてください。

表面の錆だけなら、部分レストアで直せることもあります。長く動かしていなかった車の場合は、不動車のレストアも参考になります。

相談3「キャブレターの車とインジェクションの車、どちらが難しい?」

燃料をエンジンに送る仕組みが、キャブレターの車とインジェクションの車で、レストアの難しさは違うのか、という相談です。

どちらが難しいかは一概には言えません。キャブレターは分解して掃除や調整をする作業が中心になり、インジェクションは電気の部品や配線の点検が関わってきます。

自分が得意な作業や、部品の手に入りやすさも含めて考えてみてください。

迷った時は、同じ仕組みの車を直したことがあるショップに相談してみるのも手です。どこまで自分でやれそうか、具体的に教えてもらえることがあります。

よくある質問

車のレストアは、まず何から始めればいいですか?

まずは、どこまで直したいか、何を優先するかを書き出すことから始めてみてください。そのうえで車の今の状態を写真に撮り、ショップに相談するか、自分でやるかを考えると進めやすくなります。

レストアの流れは、ショップによって違いますか?

大きな流れは同じですが、ボディと機関を同時に進めるか、順番に進めるかなどはショップによって違います。相談の時に、どんな順番で進めるかを聞いておくと安心です。

分解したあとに見積もりが変わることはありますか?

古い車では、ばらしてから見えなかった傷みが見つかることがあります。メーカーのレストアサービスでも、分解して問題が見つかった場合は連絡するという案内があります。追加が出た時の決め方を、最初に話しておきましょう。

レストアのやり方は、自分で調べながらでも覚えられますか?

分解や組み立ては、写真を撮りながら少しずつ進めれば覚えていけます。ただ、溶接や塗装、ブレーキなど安全に関わる整備は、設備や経験が要るので、ショップに任せる分け方も考えてみてください。

車検が切れた車を検査場まで運ぶにはどうすればいいですか?

公道を走らせる場合は、仮ナンバー(臨時運行許可)を受ける方法があります。道路運送車両法では、許可の期間は原則5日を超えないこととされています。窓口は市区町村などなので、事前に確かめておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 車のレストアの流れは、相談・見積もり、分解・診断、ボディ、機関、組み立て、車検・納車の6段階で考える
  • 最初に「どこまで直すか」と「追加が出た時の決め方」を話しておく
  • 分解の時の写真と記録は、組み立てにも将来の説明にも役立つ
  • ブレーキや足回りなど、走る安全に関わる所を先に整える
  • 自分でやる場合も流れは同じで、場所・道具・時間の準備が要る
レストアガイド

レストアガイド 編集部

車・旧車・バイクのレストア(元の姿に戻す再生)について、意味や種類、作業の流れ、費用の考え方、自分でやる時の道具と注意点、ショップの選び方、車検・税金・保険などの手続き、乗り換えや手放し方までを、自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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