旧車のフルレストア費用|内訳と見積もりの読み方

旧車のフルレストア費用の内訳と見積もりの読み方を紹介する記事のアイキャッチ。塗装をはがした古いクーペのボディと部品

当サイトの記事は編集部が法令・国土交通省などの公的機関、業界団体やメーカーの公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内に定額カーリースのサービスへの案内(広告)を含みます。

憧れの旧車や、家族が大事にしてきた古い車を、いつかフルレストアしたい。そう思って調べ始めると、『旧車のフルレストア費用って、結局いくらなの?』と分からなくなりますよね。

結論から言うと、旧車のフルレストア費用に決まった相場はありません。ただ、費用を「ボディ・塗装」「機関」「内装」「部品」「登録」の5つに分けると、どこで差が出るのかが見えてきます。

この記事では、メーカー公式のレストアサービスの公表例を手がかりに、見積もりの読み方と、直した後のお金まで一緒に見ていきますね。

目次

旧車のフルレストア費用はいくら?

先に結論

旧車のフルレストア費用について、公的な統計や相場はありません。メーカーが公表している例では、最低額でも数百万円から千万円を超える設定になっていて、車の状態でさらに変わります。

『そんなにかかるの?』と驚いた方も多いはずです。ただ、これはメーカーが車種を絞って、ボディから機関まで新品に近い状態に戻すメニューの例なんです。

フルレストアは、車を分解して、ボディ・機関・内装まで全体を直すことを指して使われることが多い言葉です。ただ、辞書や公的機関の決まった定義は見当たりません。

だからこそ、「フルレストア」という言葉だけで金額を比べるのは難しいんです。店ごとに、どこまでを含めているかが違うからです。

同じ「フルレストア」でも違うこと金額への影響
ボディをどこまで分解するか骨格まで分解すると板金と塗装の手間が増える
エンジンを分解するか機関の作業と部品代が加わる
内装を張り替えるかシートや天井の数だけ金額が重なる
部品を新品にするか、再生するか部品が手に入るかどうかで大きく変わる
公道を走れる状態まで戻すか登録や車検の費用が加わる

範囲の違いはフルレストアとはで、レストアの基本はレストアとはで紹介しています。

この記事の金額について

この記事に出てくる金額は、メーカーや事業者が公式サイトに載せている公表例です。相場ではなく、「こういうメニューならこの金額から」という一例として読んでみてください。

フルレストアの費用を5つに分けると差が見える

ここでの結論

フルレストアの費用は「ボディ・塗装」「機関」「内装」「部品」「登録」の5つに分けると整理できます。とくに差が出やすいのは、ボディの錆の量と、部品が手に入るかどうかです。

『どこにいちばんお金がかかるの?』と気になりますよね。フルレストアでは、作業が多いぶん、費用の内訳を分けて見ることがとても大切なんです。

旧車のフルレストア費用を、ボディ・塗装、機関、内装、部品、登録の5つに分けて、差が出やすい所を示した図解
分け方主な中身差が出やすい所見積もりで聞くこと
ボディ・塗装分解、錆取り、板金、下地、全塗装錆や穴の広さ錆が想定より多い時の扱い
機関エンジン、変速機、足回り、ブレーキ、電装分解してみて分かる傷み部品代と工賃が分かれているか
内装シート、天井、ドアの内張り、床張り替える数と生地生地代が別かどうか
部品新品、復刻品、中古、再生品手に入るかどうか見つからない時にどうするか
登録中古新規登録、検査、税金、保険抹消しているかどうか手続きの代行を頼めるか

ボディ・塗装:錆の量でいちばん差が出る

旧車のフルレストアでは、塗装をはがしてみて初めて、錆の広がりが分かることが多いです。見た目がきれいでも、床や足回りの付け根が傷んでいることもあります。

『外から見たら大丈夫そうなのに』という車ほど、分解後に追加が出ることがあるんです。錆の直し方はボディのレストアで詳しく紹介しています。

塗装をはがして錆を落とした鉄板のボディの写真。分解後に錆の広がりが分かることを示す

機関:分解してから分かることが多い

エンジンや変速機は、分解するまで中の傷み具合が分からない部分です。長く動かしていない車なら、燃料系やブレーキも一緒に見直すことになります。

『エンジンはかかるから、機関は大丈夫』と思っていても、開けてみると消耗した部品が見つかることもあります。旧車レストア費用の見積もりで、機関が「分解後に決定」となっているのはそのためなんです。

ブレーキや足回りは走る安全に関わるので、見た目より先に予算を回すのがおすすめです。エンジンの見極め方はエンジンのレストア・オーバーホールで紹介しています。

内装:旧車の内装レストア費用は「数」と「生地」で決まる

旧車の内装のレストア費用は、張り替える場所の数で決まりやすいです。ある事業者の公表例(和歌山県・税の表記なし)では、普通車のビニールレザーでの張り替えが1脚40,000円〜(材料費込み)とされていました。

当時と同じ柄の生地が見つからない時は、近い生地を選ぶか、作ってもらうかで金額が変わります。内装の直し方は内装のレストアも参考にしてみてください。

部品と登録:見落としやすい2つ

部品は、メーカーの公式な案内では生産終了から10年前後が供給の目安とされることが多いです。旧車はその期間を過ぎていることが多く、部品探しの時間と費用がかかりやすいんです。

登録は、抹消している車を公道に戻す時の費用です。国土交通省の手数料一覧(令和8年4月1日現在)では、中古新規登録が窓口1,300円、新規検査(持ち込み)が普通自動車2,900円・小型自動車2,800円とされています。

メーカー公式レストアサービスの公表例で見る費用

ここでの結論

メーカーが公表しているレストアサービスは、基本メニューに追加メニューを足していく形が多いです。どの作業にいくらかかるのかを知る手がかりになります。

民間のレストア工房の多くは「要見積」で、フルレストアの料金表を出している所はあまり見つかりませんでした。そこで、メーカー公式の公表例を見てみましょう。

マツダのNAロードスター向けレストアサービス

マツダは、初代ロードスター(NA)のレストアサービスの料金を公式サイトに載せています。メニューの組み立て方が分かりやすいので、表にしてみますね。

メニュー(税込)主な中身公表されている金額
基本メニューボデー&エクステリア(車両診断、全塗装、ソフトトップ張替えなど)4,510,000円〜
オプションAインテリア1,210,000円〜
オプションBエンジン&パワートレイン1,210,000円〜
オプションCシャシー&サスペンション880,000円〜
オプションDエアコン330,000円〜
オプションEアルミホイール&タイヤ220,000円〜
フルレストア基本メニューと全オプション8,360,000円〜

この表を見ると、ボディと塗装の基本メニューがいちばん大きいことが分かります。車のフルレストア費用を考える時も、まずボディ・塗装にどれだけかかるかを押さえておくと、全体が見えやすくなりますよ。

また、マツダは「車両を分解し、レストアメニュー対象外の機能損傷や問題が判明した場合は、お客様にご連絡」と書いています。

ホンダの初代NSX向けレストアサービス

ホンダは、初代NSX(1990年9月〜1993年2月のクーペ)を対象にしたレストアサービスを、栃木県高根沢の工場で行っています。公表されている金額は、基本レストアが税込11,550,000円〜です。

外装レストアのオプションは税込6,600,000円〜の追加とされています。ホンダも「記載の金額はMT車をベースとした作業前の概算」で、車の状態で追加の部品代や作業費用が必要になる場合があると書いています。

公表例を見る時の注意

どちらも「〜」が付いた最低額で、しかも車種を絞ったメーカーの例です。ほかの旧車のレストア費用がこの金額になるという意味ではないので、相場として受け取らないようにしましょう。

メーカーのサービスや部品の復刻は、メーカーの旧車部品の再販・レストアサービスで詳しく紹介しています。

フルレストアの見積もりの読み方

ここでの結論

見積もりは合計の金額より、「何が含まれていて、何が別か」を読むのが大切です。追加が出た時の連絡の仕方と、部品が見つからない時の扱いも、先に決めておきましょう。

『見積もりをもらったけど、どこを見ればいいのか分からない』という方は多いですよね。フルレストアは金額が大きいぶん、読み方ひとつで後の安心が変わるんです。

旧車のフルレストアの見積もりを、含まれる物・別になる物・追加の扱い・期間・支払いの順に読む流れを示した図解
見積もりを読む順番
  1. 5つの分け方(ボディ・塗装、機関、内装、部品、登録)のどこまでが含まれているか確かめる
  2. 部品代と工賃が分かれているか、税込か税抜かを確かめる
  3. 分解後に追加が出た時、作業を止めて連絡をもらえるかを確かめる
  4. 部品が見つからない時に、再生・代わりの部品・作る、のどれにするかを決める
  5. 期間の目安と、支払いの時期(前金・中間・完成時)を確かめる

よくある見積もりの書き方と、聞いておきたいこと

見積もりの書き方どういう意味か聞いておきたいこと
「〇〇一式」中身をまとめた書き方一式に何が入っているか
「〇〇円〜」その金額からという最低額上がるとしたらどんな時か
「部品代別」部品のお金は後から加わる部品代の見込みはどれくらいか
「要見積」車を見てから決める見積もりに費用がかかるか

例えば、こんなふうに聞いてみるといいですよ。

「床の錆が想定より広かったら、どの段階で連絡をもらえますか?」
「分解した時点で写真をお送りして、追加の金額をお伝えしてから進めます」

見積もりの取り方はレストアの見積もりの取り方で、契約前に決めておきたいことはレストア依頼のトラブルを防ぐで紹介しています。

契約前のチェック
  • 作業の範囲が5つの分け方で書かれている
  • 部品代・工賃・税の扱いが分かる
  • 追加が出た時の連絡の仕方が決まっている
  • 期間の目安と、長引いた時の扱いが分かる
  • 支払いの時期と金額が書かれている

よくある相談:旧車のフルレストアの悩み

ここでの結論

よく読まれている相談は、20〜30年前の車を買ってフルレストアする場合、ボディ全体に錆がある場合、自分でフルレストアする場合の3つです。どれも「どこまで直すか」を先に決めるのが出発点です。

ここでは、Q&Aサイトで多く読まれている旧車のフルレストアの相談を3つ選んで、要点をまとめて答えてみますね。

相談1:20〜30年前の車を買ってフルレストアしたら、いくらかかる?

『安く買えたら、残りをレストアに回せる』と考える方も多いですよね。ただ、車体が安くても、傷みが多ければレストアの費用が大きくなることもあります。

買う前に、錆の場所と量、エンジンがかかるか、部品が手に入るかを見ておくと、後の費用が読みやすくなります。ベース車の見方はレストアベースとはで紹介しています。

相談2:旧車のボディ全体に錆がある時の処理費用は?

ボディ全体の錆は、塗装をはがしてみないと広がりが分からないことが多いです。表面だけの錆か、穴が開いているかで、作業がまったく変わります。

まずは錆の写真を撮って、何社かに見てもらうのがおすすめです。その時に、「分解後に追加が出たらどうするか」まで聞いておきましょう。

相談3:自分でフルレストアするなら、資格は要る?費用は?

道路運送車両法で認証が求められているのは、特定整備を事業として行う場合です。自分の車なら、整備の記録を残すことと、保安基準に合う状態に戻すことが大切になります。

自分でやる場合は工賃がかからない分、工具や作業場所のお金がかかります。詳しくはレストアの整備に資格は要る?と車のレストアを自分でやるで紹介しています。

ショップに頼む
  • 作業の期間が読みやすい
  • 板金や塗装の設備がそろっている
  • 見積もりで金額を比べられる
自分でやる
  • 工賃がかからない分、時間がかかる
  • 工具や作業場所を用意する必要がある
  • ブレーキなど自信が無い所は工場に頼む

フルレストアの後のお金と、毎日の車の考え方

ここでの結論

フルレストアが終わっても、旧車には税金・車検・保険のお金がかかり続けます。旧車を大事に乗り続けるなら、毎日の車を別に持つ考え方も一緒に検討してみてください。

『やっと仕上がったのに、毎日乗るのはもったいない』という声もよく聞きます。直した後のお金と使い方まで考えておくと、旧車との付き合いがぐっと楽になるんです。

税金は13年を超えると重くなる

国土交通省の資料では、新車の登録からガソリン車は13年超で自動車税が概ね15%、軽自動車は13年経過で軽自動車税が概ね20%重くなります。自動車重量税も、13年と18年で段階的に上がります。

税金の例重くなる前重くなった後出典
自動車税(1.5L超〜2L以下・自家用乗用・年額)39,500円45,400円東京都主税局
自動車重量税(〜1.5t・車検2年分)24,600円34,200円(13年経過)、37,800円(18年経過)財務省・日本自動車工業会

なお東京都では、1945年までに製造された自動車について、申請すれば自動車税の重課分を減免する制度があります。ほかの道府県の扱いは、お住まいの県税事務所に確かめてみてください。

保険は「レストア費用がそのまま価値になる」とは限らない

日本損害保険協会の説明では、自家用の乗用車の車両保険の保険金額は「市場販売価格相当額」で決めるのが基本です。旧車向けに、車両保険の金額を購入金額や市場価格などから決める商品を扱う保険会社もあります。

ただ、その中には「レストアや修理に要した費用をそのまま元の車両価値(価額)に加算することはいたしません」と書いている商品もあります。保険のことは旧車・レストア車の保険で詳しく紹介しています。

旧車は趣味に、毎日の車は別に持つという考え方

フルレストアした旧車は、雨の日や長距離の通勤で使うのをためらう方も多いですよね。そこで、旧車は休日の趣味の車にして、毎日の車を別に持つという方法があります。

毎日の車の持ち方よいところ気をつけたいところ
もう1台を買う好きな車を自由に選べる購入の費用と車検の出費がある
家族の車を使う新しい出費が少ない家族の予定と重なる
カーリースで持つ毎月の支払いがほぼ一定原則として途中で解約できない

2台持ちの考え方は旧車を趣味の車にして2台持ちで、直すか乗り換えるかの目安はレストアするか乗り換えるかで紹介しています。

カーリースを選ぶなら確かめておきたいこと

国民生活センターによると、カーリースはリース会社が持つ車を一定の期間借りて使うサービスです。車の代金や税金、点検整備の費用などが月々の料金に含まれ、毎月定額で乗れるのが特徴とされています。

フルレストアで大きな出費がある時期に、毎日の車の支払いが一定だと、家計の見通しが立てやすいですよね。一方で、国民生活センターには2024年度に465件のカーリースの相談が寄せられていて、途中解約や契約満了時の扱いでもめる事例が紹介されています。

カーリースの契約前に確かめること
  • 契約年数と、支払総額・支払いの時期
  • 月額に含まれる物(税金・保険・点検整備など)
  • 走行距離の制限と、超えた時の扱い
  • 途中で解約できるか、解約料の計算方法
  • 契約が終わった時の返却・買い取り・残価の精算方法

仕組みはカーリースの仕組みで詳しく紹介しています。旧車は休日にじっくり楽しみ、毎日の買い物や通勤は新しい車に任せたい方は、月々定額で新車に乗れるカーリースも選択肢の1つとして見てみてください。

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毎日乗る車は、月々定額のカーリースという選択肢も

旧車は休日の楽しみに回して、通勤や買い物の車は別に持ちたい。レストアの間の足が要る。直すより新しい車に乗り換えたい。そんな時は、税金や車検代をまとめて月々定額で新車に乗れるカーリースも比べてみてください。契約年数・月額に含まれる物・走行距離・途中でやめる時の条件は、申し込む前に公式の案内で確かめておくと安心です。

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料金・契約条件は公式サイトの最新の案内でご確認ください。

よくある質問

旧車のフルレストア費用の相場はいくらですか?

公的な統計や相場はありません。メーカーの公表例では最低額でも数百万円からの設定ですが、車種を絞った例なので、自分の車は見積もりで確かめてみてください。

車のフルレストア費用で、いちばんお金がかかるのはどこですか?

車によって違いますが、ボディ・塗装に大きくかかることが多いです。マツダの公表例でも、ボデー&エクステリアの基本メニューがいちばん大きな金額になっていました。

旧車の内装レストア費用はどう決まりますか?

張り替えるシートや天井、ドアの内張りの数と、生地で決まりやすいです。生地代が別になっている料金表もあるので、内訳を確かめておきましょう。

フルレストアの見積もりより高くなることはありますか?

あります。分解してから傷みが見つかることがあり、メーカーの公表例でも追加が出る場合があると書かれています。追加が出た時の連絡の仕方を、契約前に決めておくと安心です。

フルレストアした車の保険はどうすればいいですか?

車両保険の金額は市場販売価格相当額が基本で、レストアの費用がそのまま加わるとは限りません。旧車向けの商品も含めて、保険会社に条件を確かめてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 旧車のフルレストア費用に相場は無く、公表例は車種を絞った最低額の例
  • ボディ・塗装、機関、内装、部品、登録の5つに分けると差が見える
  • 見積もりは含まれる物と別の物、追加の扱いを読むのが大切
  • 直した後も、13年超の税金や保険のお金がかかり続ける
  • 旧車は趣味に回し、毎日の車を別に持つ考え方もある
レストアガイド

レストアガイド 編集部

車・旧車・バイクのレストア(元の姿に戻す再生)について、意味や種類、作業の流れ、費用の考え方、自分でやる時の道具と注意点、ショップの選び方、車検・税金・保険などの手続き、乗り換えや手放し方までを、自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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